クルーズ構想を発表する(左から)レムコ・ビュイス氏、ポール・チョン氏、翁長雄志知事、平良朝敬OCVB会長=30日、沖縄県庁
沖縄県は30日、東アジアのクルーズ拠点形成を目標とした「東洋のカリブ構想」を発表した。
国内外から訪れる空路客がクルーズ船に乗り換える拠点として沖縄を位置付け、県内離島や東南アジアを結ぶ「フライ&クルーズ」を展開する。
中国・厦門、台湾・高雄といったアジアの主要港と経済連携の覚書(MOU)を結んで共同誘致を行い、アジアの拠点港としての地位確立を目指す。
2017年実績で沖縄にはクルーズ船が515回寄港しているが、中継地にとどまっており、客数の伸びに消費額が伴わないのが課題だった。沖縄が発着地となることで、滞在時間と消費額拡大を見込む。
構想では中国、東南アジア、日本国内の主要港を結び、沖縄発のクルーズ商品を開発する。
米国マイアミなどを発着地にハバナなどを周遊するカリブ海クルーズは、最新鋭の客船配備やCIQ(税関、出入国管理、検疫)手続きが整備され、世界各地の船が就航している。
構想を発表した翁長雄志知事は「『東洋のカリブ構想』を世界へ発信することで関心を喚起し、さらなるクルーズ船寄港につなげる。新たなターミナル整備などの投資につなげ、世界水準のリゾート地を目指す」と語った。
県の構想では、18年の第1段階はクルーズ船会社訪問などでの沖縄PRを強化する。
19年の第2段階は、MOUを結ぶ台湾や中国の各都市と連携し、クルーズ船を共同誘致する。
沖縄発着の南西諸島周遊クルーズ商品も実現する。
第3段階の20年からは、整備が完了する平良港と下地島空港で「フライ&クルーズ」戦略を展開して民間投資を促す。