日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(96)同一律・矛盾律・排中律(Ⅱ)。

2018-10-12 16:37:07 | 論理
(01)
①  P→ Q
② ~Q→~P
といふ「論理式」は、
① PであるならばQである。
② QでないならばPでない。
といふ「意味」である。
然るに、
(02)
③ ~(P&~Q)
といふ「論理式」は、
③(PであってQでない。)といふことはない。
といふ「意味」である。
然るに、
(03)
③(PであってQでない。)といふことはない。
といふ「日本語」は、
③「Pである。」と「Qでない。」の、「両方ともが、本当であることはない。」
といふ「意味」である。
然るに、
(04)
③「Pである。」と「Qでない。」の、「両方ともが、本当であることはない。」
といふことは、
③「Pである。」と「Qでない。」の、「どちらかが、本当ならば、もう一方はウソである。」
といふことである。
然るに、
(05)
③「Pである。」と「Qでない。」の、「どちらかが、本当ならば、もう一方はウソである。」
といふことは、
③「Pである。が本当である」ならば「Qでない。はウソである」。
③「Qでない。が本当である」ならば「Pである。はウソである」。
といふことである。
然るに、
(06)
③「Qでない。はウソである」。
③「Pである。はウソである」。
といふことは、
③「Qである。が本当である」。
③「Pでない。が本当である」。
といふことである。
従って、
(05)(06)により、
(07)
③「Pである。」と「Qでない。」の、「どちらかが、本当ならば、もう一方はウソである。」
といふことは、
③「Pである。が本当である」ならば「Qである。は本当である」。
③「Qでない。が本当である」ならば「Pでない。は本当である」。
といふことである。
然るに、
(08)
③「Pである。が本当である」ならば「Qである。は本当である」。
③「Qでない。が本当である」ならば「Pでない。は本当である」。
といふことは、要するに、
① PであるならばQである。
② QでないならばPでない。
といふことである。
従って、
(03)~(08)により、
(09)
③(PであってQでない。)といふことはない。
といふ「日本語」は、
① PであるならばQである。
② QでないならばPでない。
といふ「意味」である。
従って、
(01)(02)(09)により、
(10)
①  P→ Q
① ~Q→~P
といふ「論理式」は、
③ ~(P&~Q)
といふ「論理式」に「等しい」。
(11)
④ ~P∨Q
といふ「論理式」は、
④ Pでないか、Qである。
といふ「意味」である。
然るに、
(12)
④ Pでないか、Qである。
といふ「日本語」は、
④「Pでない。」と「Qである。」の、「両方ともが、ウソであることはない。」
といふ「意味」である。
然るに、
(13)
④「Pでない。」と「Qである。」の、「両方ともが、ウソであることはない。」
といふことは、
④「Pでない。」と「Qである。」の、「どちらかが、ウソならば、もう一方は本当である。」
といふことである。
然るに、
(14)
④「Pでない。」と「Qである。」の、「どちらかが、ウソならば、もう一方は本当である。」
といふことは、
④「Pでない。がウソである」ならば「Qである。はウソではなく本当である」。
④「Qである。がウソである」ならば「Pでない。はウソではなく本当である」。
といふことである。
然るに、
(15)
④「Pでない。はウソである」。
④「Qである。はウソである」。
といふことは、
④「Pである。が本当である」。
④「Qでない。が本当である」。
といふことである。
従って、
(14)(15)により、
(16)
④「Pでない。」と「Qである。」の、「両方ともが、ウソであることはない。」
といふことは、
④「Pである。が本当である」ならば「Qである。はウソではなく本当である」。
④「Qでない。が本当である」ならば「Pでない。はウソではなく本当である」。
といふことである。
然るに、
(17)
④「Pである。が本当である」ならば「Qである。はウソではなく本当である」。
④「Qでない。が本当である」ならば「Pでない。はウソではなく本当である」。
といふことは、要するに、
① PであるならばQである。
② QでないならばPでない。
といふことである。
従って、
(12)~(17)により、
(18)
④ Pでないか、Qである。
といふ「日本語」は、
① PであるならばQである。
② QでないならばPでない。
といふ「意味」である。
従って、
(01)(02)(18)により、
(19)
①  P→ Q
② ~Q→~P
といふ「論理式」は、
④ ~P∨Q
といふ「論理式」に「等しい」。
従って、
(01)~(19)により、
(20)
「日本語」に「翻訳」するならば、
① PであるならばQである。
② QでないならばPでない。
③(PであってQでない。)といふことはない。
④ Pでないか、Qである。
といふ「意味」であるが故に、
①   P→ Q
②  ~Q→~P
③ ~(P&~Q)
④  ~P∨ Q
といふ「論理式」に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(21)
(a)
1  (1) P→ Q A
 2 (2)   ~Q A
  3(3) P    A
1 3(4)    Q 13MPP
123(5) ~Q&Q 24&I
12 (6)~P    35RAA
1  (7)~Q→~P 26CP
(b)
1  (1)~Q→~P A
 2 (2)    P A
  3(3)~Q    A
1 3(4)   ~P 13MPP
123(5) P&~P 24&I
12 (6)~~Q   35RAA
12 (7)  Q   5DN
1  (8) P→ Q 27CP
(c)
1 (1)  P→ Q  A
 2(2)  P&~Q  A
 2(3)  P     2&E
 2(4)    ~Q  2&E
12(5)     Q  12MPP
12(6)  ~Q&Q  45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RAA
(d)
1  (1)~(P&~Q)  A
 2 (2)  P      A
  3(3)    ~Q   A
 23(4)  P&~Q   23&E
123(5)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  14&I
12 (6)   ~~Q   45RAA
12 (7)     Q   6DN
1  (8)  P→ Q   27CP
(e)
1 (1)P→ Q A
 2(2)P&~Q A
 2(3)P    2&E
 2(4)  ~Q 2&E
12(5)   Q 14MPP
12(6)~Q&Q 45&I
1 (7) ~~Q 46RAA
1 (8)   Q 7DN
1 (9)~P∨Q 8&I
(f)
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P& P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   エオ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   7カRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(21)により、
(22)
「自然演繹の規則」により、
①   P→ Q
②  ~Q→~P
③ ~(P&~Q)
④  ~P∨ Q
といふ「論理式」に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(20)(22)により、
(23)
日本語」で考へても、「自然演繹」で考へても、
①   P→ Q
②  ~Q→~P
③ ~(P&~Q)
④  ~P∨ Q
といふ「論理式」に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(04)(13)により、
(24)
③「Pである。」と「Qでない。」の、「どちらかが、本当ならば、もう一方はウソである。」
④「Pでない。」と「Qである。」の、「どちらかが、ウソならば、もう一方は本当である。」
然るに、
(25)
①  P→ Q
② ~Q→~P
③ ~(P&~Q)
④ ~P∨ Q
に於いて、「Q=P」といふ「代入」を行ふと、
①  P→ P
② ~P→~P
③ ~(P&~P)
④ ~P∨ P
に於いて、すなはち、
① PならばPである(同一律)。
② PでないならばPでない(同一律の対偶)。
③ PであってPでない。といふことはない(矛盾律)。
④ PでないかPである(排中律)。
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(24)(25)により、
(26)
③「Pである。」と「Pでない。」の、「どちらかが、本当ならば、もう一方はウソである。」
④「Pでない。」と「Pである。」の、「どちらかが、ウソならば、もう一方は本当である。」
然るに、
(27)
 ブロムウエルの疑問 ― 排中律は無限集合でも成立するか? ― 中略、―
ここで、排中律とは。「Pであるか、Pでないか、そのどちらかが成り立つ」というものです(吉永良正、ゲーデル・不完全性定理、1992年、159頁)。
従って、
(26)(27)により、
(28)
③「Pである。」と「Pでない。」の、「どちらかが、本当ならば、もう一方はウソである。」
④「Pでない。」と「Pである。」の、「どちらかが、ウソならば、もう一方は本当である。」
⑤「Pである。」と「Pでない。」の、「そのどちらか一方が、成り立つ。」
然るに、
(29)
③「どちらかが、本当なら未然形)ば、もう一方はウソである。」
④「どちらかが、ウソなら未然形)ば、もう一方は本当である。」
⑤「そのどちらか一方が、成り立終止形)。」
に於いて、
③と④は、「同じこと」であるが、
④と⑤は、「同じこと」であるとは、思へない。
従って、
(27)(28)(29)により、
(30)
排中律とは。「Pであるか、Pでないか、そのどちらかが成り立つ」というものです。
といふ「言ひ方」は、「正しくはない」のでは、といふ風に、思へる。
然るに、
(31)
いづれにせよ、
③「Pである。」と「Pでない。」の、「どちらかが、本当ならば、もう一方はウソである。」
④「Pでない。」と「Pである。」の、「どちらかが、ウソならば、もう一方は本当である。」
に於いて、
③と④は、「同じこと」であるに、違いない。
従って、
(25)(27)(31)により、
(32)
「排中律」は「無限集合」では、必ずしも成立しない。
といふのであれば、
「矛盾律」も「無限集合」では、必ずしも成立しない。
といふことになる。