オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

南海展望台

2021年08月10日 | 紀伊半島


 夜明け前にオートバイで自宅を出て,暗闇の峠をいくつも越え,南伊勢町は五ケ所湾の西側に位置する相賀浦までやってきた.早朝のニワ浜は,海が朝日を反射してキラキラと輝いていた.さて,これからどこへ行こう.



 ニワ浜から五ケ所湾を道沿いに北上していく.狭い道が続き,途中に南海展望台への分岐道がある.すばらしい天気だし,展望台まで行ってみることにした.オートバイを停めて,展望台まで続く急な階段を上っていく.



 朝とは言え,階段を上っていくだけでじわじわと汗が滲んでくる.この遊歩道は,途中の所々に視界が開ける場所があって,五ケ所湾を眺めることができる.複雑に入り組んだリアス式海岸が広がっていて,雄大な景色に思わずため息が出る.



 10分弱ほど階段を上れば,南海展望台の広場に出る.空には雲ひとつなく,気持ちいいほどの快晴だった.とにかく,暑くて仕方がないので,東屋でちょっとクールダウンしてから,景色を楽しむことにした.



 展望台は海抜にして150メートルほどの高台にある.南の方角には,水色の空の下に碧い熊野灘が広がっていて,最高の景色を眺めることができた.この高台まで波の音は聞こえてこない.たまに鳥の鳴き声が聞こえてくるだけで,とても静かなところだ.



 先ほどまでいた相賀浦,そしてニワ浜も一望することができた.ニワ浜のうしろにあるのは大池という海跡湖だ.京都の天橋立や久美浜湾の小天橋と同じで,ラグーン(潟湖)が形成されている.



 北東の方角には,五ケ所湾が広がっている.五ケ所湾は大き過ぎるので,一望というわけにはいかなかったが,多くの岩礁が突き出ていることがわかった.東の空の下は,海がまだ朝日を反射して輝いていた.



 南海展望台は,すばらしい景色を見せてくれた.ちょっと暑かったけれど,日常の出来事を全部忘れて,のんびりすることができた.


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