オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

九木崎原生林③ オハイへ

2022年06月25日 | 尾鷲
【目次 : 九木崎原生林】①序章, ②迷路のような道, ③オハイへ, ④オハイブルー, ⑤頂山を登る, ⑥ハカリカケ岩, ⑦帰還, ⑧エンドロール



 九木崎原生林の中をオハイ目指してひた歩く.ようやくオハイまで後20分のところまでやってきた.ここから先は,文字通り,本当に原生林と言う感じだ.ピンクテープを頼りに斜面に続く道を進んでいく.



 時刻は8時を過ぎているものの,生い茂る樹木によって陽射しが遮られ,辺りは薄暗い.そして,つるが縦横無尽にのたうち回っている.何だか,どこか外国のジャングルにいるような感じだ.



 つるを避けながら歩いていると,大きな岩の稜線上に積み石があることに気付く.尖った岩の先に石が絶妙なバランスで積まれている.一体だれが何の目的でこれを作ったのだろう.



 さらに同じ岩の少し離れたところに,明らかに人の形をかたどった積み石があった.原生林の中とは言え,それなりに風雨はあるはずだが,積み石が崩れないでいるのがとても不思議だ.そして,とても神秘的でもある.



 この神秘的な積み石との遭遇は予想外で,少年時代に抱いていた好奇心が蘇ってくるような気がした.積み石を後にすると,道の崖下の方から滝のように水の流れる音が聞こえてくる.



 随所に小さな滝があって,水が勢いよく流れている.ここ最近は雨も降っていなかったと思うが,水量がとても多い.雨水が海へ帰っていくという自然の循環を目の当たりにする.



 そして,ついに暗い原生林を越えて,オハイにたどり着く.目の前に広がるのは,熊野灘の美しい海だ.海岸付近の岩場は,とても荒々しいが緩やかな傾斜で海の方まで続いている.



 海の方に向かって,おぼつかない足取りで岩場を進んでいく.オハイの沖合は,海がまだ朝日で光り輝いていた.時折.複数の小さな漁船が行き交う.九鬼町の漁師さん達がオハイの近くで漁をしていた.



 オハイは九木崎先端にある柱状節理の発達した岩場であり,海の色がとても素晴らしいという.海岸付近の岩場へさらに降りて行くことにした.

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