オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

節目と試走

2020年07月23日 | オートバイ


 とある休日,雨上がりの午後.オートバイの走行距離が,ある節目を迎えようとしていた.せっかくなので,エンジンオイルにフィルター,ブレーキパッドなど消耗品の交換を済ませることにした.



 滝のような汗を流しながら,交換作業を終えた後は,試走も兼ねて和束町へとオートバイを走らせた.宇治田原町側から,京都f62で犬打峠を越えて, 鷲峰山線へと向かった.



 雨上がりの山道では,雨でしっとりと濡れた樹木の緑が,つやつやと輝いて見えた.オートバイは,すっかりドロドロだけど,山の中は市街と違って,とても涼しくて気持ちがよかった.



 オートバイのオドメーターを気にしながら走っていると,走行距離がついに一つの節目となる5万キロメートルを迎えた.二年前,京都に越して来た頃のオドメーターは,たしか1万2千キロメートル位だったと記憶している.



 この二年間,我ながらよく走ったものだと思う.そして,この節目を迎えた場所は,鷲峰山線の終点近く,奥山田射場線との分岐点に差し掛かる直前の,何でもない下りカーブの所だった.



 5万キロメートルに達した後は,そのまま道なりに奥山田射場線を走ることにした.雨上がりの奥山田射場線の雰囲気は,いつになく幻想的で素晴らしいものだったけれど,想いは節目を迎えたオートバイとの記憶の方に傾いていた.



 このオートバイは,2008年式初期型の新車で購入したものの,当時メインマシンとしていたKLX250のサブという扱いだった.オフロードの楽しさに魅せられて,一人で林道ばかりを走っていたけれど,バイク仲間との関係でオンロードバイクも必要だった.当時はオンオフ共に,ライディングに明け暮れていた.



 時は流れて2015年,同じ駐輪場に二台停めていたのに,KLX250の方が盗難にあってしまった.それからは,オートバイの熱も冷めてしまって,仕事や他の趣味に時間を使うことが多くなっていた.ところが,二年前に京都にやって来て,オートバイでの新たな楽しみ方を覚えてから,オートバイは再び週末の欠かせない相棒となっている.



 もう12年前のオートバイになってしまったけれど,苦楽を共にしてきた相棒だ.もう少しの間,大切に乗ろうと思っている.そんな思い出に耽りながら,雨上がりの幻想的な雰囲気の奥山田井場線を進んで行くと,あっという間に,和束町側の終点へと辿り着いてしまった.



 5万キロメートルに到達しても,相棒の調子はすこぶる良好だった.和束町から,再び京都f62で犬打峠を越えて,自宅に戻ることにした.峠の麓にある,和束観世音菩薩さまに交通安全を祈願してから,峠を駆け上っていくのだった.

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