茶畑と梅ジロー

　暖かい陽気が続いていたが，今日は一転して真冬のような寒さが戻ってきた．おまけに強い風が吹いており，天気はよいけれど，ちょっと遠出をする気になれない．京都でも梅の花が咲き始めているので，二週続けての梅見へ和束町までオートバイを走らせた．



　茶畑と梅花のコラボレーションを写真に収めようと，和束町をくまなく走り回ってみたけれど，残念ながらそのような場所は見つからなかった．それもそのはずで，茶畑は急峻な山の斜面にある．山の斜面は，自然に排水されやすいこと，昼夜の寒暖差が大きいこと，の二つを満足する．おいしいお茶を栽培するには欠かせないロケーションだそうだ．



　茶畑の方は諦めて，いつもの梅見の場所へ遅ればせながらやってきた．風が強く吹いているので，梅のほのかな甘い香りが辺り一面に漂っていた．そして，ある一定の間隔でメジロが可愛らしい鳴き声をあげながら，梅の木を伝ってやってくる．



　人間のことなど気にする様子もなく，熱心に梅の花の蜜を啜っている．このメジロを写真におさめるのが，なかなか難しい．メジロが蜜を啜っている時間は１秒弱で，ひっきりなしに枝から枝へと移動していく．おかげでカメラのメモリーには，ピンボケしたメジロの写真がたまっていく．



　メジロの１秒は，人間の１０秒程度に相当するのかもしれない．青空を背景にして，梅の花とメジロを撮ることがどうしてもできない．そして，そういう時に限って，メジロの群れが一向に現れない．やがて，体もすっかり冷えてしまった．また次回リベンジすることにして，急ぎ山を下っていくことにした．



　緊急事態宣言は，関東を除く６府県で２月末をもって解除されるという．それでも，今しばらくは，自宅から和束町までのドアツードアのツーリングを中心に続けていこうと思う．