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ツーリングマップルで酷評高き歌山r44を,起点の北側から南へと走行した.時々あらわれる廃屋,そして,岩盤が剥きだしになった法面のある狭路が,永遠と続いていた.まさにライダーの精神力が問われるような道路だった.
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同じような景観の道が長いあいだ続いて,心身ともに疲れが出始めたところで,廃屋へと続く石垣の上に梅の花が勢いよく咲き誇っていた.ここでは,美しい花を愛でるひとは誰一人いないのに,梅の木は美しい姿を惜しげもなく見せていた.
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自然は人間のこと等お構いなしに,自らの本能に従って,遠い昔から営みを続けている.それに比べて,自分の悩みが,とても小さいことであると思い知るのだった.周りのことなど一切お構いなしに,毎年同じように美しい姿を見せてくれる梅の木が,とても大きい存在のように思えた.
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様々なことを考えながら,この長い道のりを少しずつ進んで行くと,鬱蒼とした山深い道から,急に視界が開けてきた.見えるのは連なり合う山々だけで,人里離れた山奥にいることをただただ実感するのだった.ここはちょうど紀伊半島の先端から少し内地に入ったところで,まさに秘境というに相応しい場所だ.
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うつくしい景色に見とれて,余裕があったのもここまでだった.どこまで進んでも一向に道路標識すら現れてくれず,気持ちに余裕がなくなり,すこし焦り始めてきた.廃屋と共に荒々しい道を串本方面を目指して,南下して行くのだった.
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