国道から高尾谷方面へ分岐しているピストンの舗装林道を進んでいくと,高尾遊園地という廃墟が忽然と現れる.ここは,三重県熊野市の五郷町桃崎という所だが,この遊園地については調べてみてもほとんど情報は得られなかった.インターネットが普及する以前に廃園になってしまったのかもしれない.
廃墟マニアの間では,森の遊園地という名で知られている物件のようだ.廃墟の入口付近には,進入禁止のロープが張られていた.ちょっと中を覗いてみたい気もしたけれど,素直に外から眺めるだけにして,先を急ぐことにした.
廃墟から少し先に進んでいくと,高尾マス アマゴ釣場という建屋が現れる.こちらも廃墟になって,かなり長そうな雰囲気だった.建屋のすぐ下には,きれいな川が流れている.かつては釣りを楽しむ人たちで賑わったのかもしれない.
道は総じて狭く,暗い.そして,路面には苔がびっしりと生えていることから,交通量はほとんどないものと思われた.民家の廃墟も何件があったが,一軒だけ現役の民家があったのには驚かされた.おそらく,昔は村だったのだろう.
寂しさ漂う美しい緑の道をオートバイで走っていると,風もないのに落ち葉がハタハタと一人でに舞っていることに気付く.なんだろうと思って,よくよく注意してみると,正体はカワトンボだった.ミヤマカワトンボといって,日本では最も大きい種類だそうだ.
そして,あっという間の内に舗装林道の終点にたどり着く.道の終点は,修験道の行場であった桃源寺奥の宮,太郎坊権現の入口だ.鳥居が立っていて,その先に長い階段が続いている.
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