夜が明けた。
サンライズ糸山。格安な宿泊施設なのに、全部屋この眺望。夏の夜明けは朝靄が瀬戸内の島嶼部にたなびいて、絵巻のようだ。
ここが私が一人で泊まった4人部屋。自転車持込はまったく問題なし。
走り始める。前回来たときはポジションのあわないママチャリだったが、やっぱりロードは気持ちがいい。シャーっと早朝の来島海峡をわたってゆく。
島の主要産業は、観光と造船業。この瀬戸内海を、昔は連合艦隊の軍艦が渡って行ったのかな・・・と少年のような妄想をしながらゆ~っくり島をサイクリング。
我がレモン号のコクピット。林道太郎先生に貸していただいたフロントバックが今回も大活躍した。サイドポケットも開けやすい。よく出し入れする荷物はフロントバッグに、工具類は若旦那に借りたリクセンカウルのリアバッグにいれると、背中のポケットがかなり軽装備になる。暑さ対策の水かけも心置きなくできるわけだ。
そして暑さ対策。
気温30度以下:対策不要。
気温32度:水かぶり
気温34度:バブシャワー+水かぶり
気温36度:氷嚢作戦
氷嚢作戦とは、コンビニで買ったカチンコチンに凍ったドリンクを、日本手ぬぐいにくるんで背中につむ自己冷却術である。頚動脈が冷え、ラジエーター代わりになる。これだけ装備し、水分に注意し、オーバーペースに気をつければ真夏でもなんとかいける。
むしろ問題なのは平地の長い登り。長い登りは自分が熱源となってしまい、風の冷却効果も薄れるので本当に気をつけなければならない。
また、暑いからといって炭酸をがぶがぶのんで胃を弱めてしまうのも困りもの。胃がよわらないようにも気をつけた。といっても最後まで山のような食欲に悩まされましたがwww
だが、やっぱり、あちい。
特にしまなみは日陰がないしね。
多々良大橋
見事な橋が続く。ごきげんな70kmの道のりだ
GiantのGreat Journeyにのった若者が走っていた。よく見ると、サンダルだwww。埼玉からフェリーで四国に入り、四国を一周した後これから自走で埼玉へ帰るらしい。8月中に帰ることができればいいや、と言っていた。キャンプしながらの一ヶ月か。いいなぁ。俺のやっていることもあまり変わらないけどね。
因島大橋を越えると、しまなみも終わり。
対岸の尾道の町には、複数の渡し舟ルートがあるらしい。料金は70円で10分間隔。浦賀の渡しのフェリー版ですね。
尾道といえば、尾道ラーメンでしょ!とキョロキョロ物色していたら、駅構内にありました。
尾道ラーメンとは:wikiより
店ごとの独創性があり厳密な定義は難しいが、下記のような特徴が多く見られる。
醤油味をベースに、豚の背脂を使用
瀬戸内海の小魚によるだし(いりこだし)を加えた鶏がらスープ
歯ごたえのある平打ち麺
ネギ、チャーシュー、メンマを具材として使用
替え玉を二回頼みました。当然ですねwww。
店ではおばちゃんがパートの面接をしていました。生々しい家計の話題をBGMに、ズルズルズル。焦がしチャーハンもウマー。炭水化物ローディングを終え、一路備後の山の中に分け入ります。
今回の旅行で、もっとも地理勘のない中国地方山間部に入る。
海側の都市名はなんとかわかるが、内陸部となると、聞いたことのない地名ばかり。東西南北遠近さっぱりつかめない。
今日のゴールまでの道のりは:
尾道>国184>御調(みつぎ)>兼江橋から県道405>神農湖>三川ダム>備後三川>備後矢野>上下>県道423>神石>帝釈峡>東城>国道182号>鯉ヶ窪湿原>新見
このなかで全国区なのは日本○大渓谷の一つ、帝釈峡くらいでしょうか。すいません。でも超!新鮮でした。
三川ダムから箱庭のような農村を見下ろす。
ここは上下の町 分水嶺。とはいってもここから日本海までかなりありますよ。
途中地図をみながら国道をはずれたよさげな県道を探します。広域農道、こういう道はよく当たります。
備後備中備前、美作・・・といえば妄想は宮本武蔵に飛びます。
日本昔話にでてくるような農村ばかり。
「この農村では、江戸幕府が倒れても維新政府がなってもかわらない日常が流れたのだろうな・・・」
「廃仏毀釈の時は、お寺は排撃されたのだろうか・・・(寺の前)」
「戦争中もかわらない日常が流れたのだろうな・・」
なかなかの妄想力を発揮しながら、帝釈峡に進みます。
帝釈峡まで来ました。ここは紅葉のころ来るとよさげです。
味のあるお土産やさん
水槽の中には、巨大なオオサンショウウオがいました。
きれいな橋があったので、記念撮影をしました。
次の瞬間、上から自転車が降ってきましたwww
アップダウンを繰り返し、日の足が長くなってきた頃、やっと岡山県に入ります。相模の金太郎に吉備の桃太郎か!
日本の原風景。
ずっと線路沿いを走っていましたが、結局丸一日汽車を目撃しませんでした。ここは芸備線ですが、三次から新見間は、真剣に2時間に一本しか走っていないようです!輪行したら負けでした。
新見駅
駅までのケーキ屋さん兼観光案内所で、今夜の宿を探します。ここまでくると、安宿を探し当てる嗅覚が発達して来ました。
市街地からちょっと離れたところにビジネス旅館があります。
4000円♪
晩飯はほっかほか亭の岡山焼き鳥弁当大盛でした。
いよいよ明日は最終日。大山(だいせん)を越えて米子を目指します。1000km走って最後は山岳ステージだ!
この天然水を汲み取っている水源に行きます。