Velo-city

"It never gets easier, you just go faster."

劇物注意:2010富士ライン祭り~地獄めぐり

2010年08月15日 | 超級山岳
苦しい記憶は風化し、楽しい思い出のみ純化される。
そうやって坂の思い出は美化され、苦しい坂に自転車のりは懲りずに何度も挑戦していくのだ・・・
自転車はそういうもの。

本来は。

今回も楽しい思い出だけ純化されていくのだろうか?
少なくとも、立案者としてこの企画だけは二度とすまい、と思った。
自走で巡る富士ライン祭り。おそらく一度かぎりの夏の打ち上げ花火だったのではないだろうか。


あざみを前菜にもってくる。スバルは体感平地で下りながら登るはずだった。

コース図


これは昨年のライン祭りのコース図。車で回った場合の獲得標高:3440 m

実際の鬼門は、山麓からスカイライン手前の水が塚駐車場までと、富士周遊71号線のアップダウンである。スカイラインは、スカイラインだけ登ると900 m程の標高差しかないが、麓からでは1800m程登ることになる。これは酷かったwww


Total Elapsed Time 13:07:56
スバルライン登坂時にデータが満載になってしまったため、データは50km分抜け落ちていますwww (たまごっちは15時間以上データを記録できない)。よってデータはもっとひどくなっている可能性があります。
Work, kJ 5352
Average Power, Watts 164
Max Speed (kph): 90.97
Normalized Power 207

参加者は
林道太郎さん
おかちゃん
△tezzさん
友情ドタ参
コウジさん

もしこのイベントが将来お蔵入りになってしまった場合、貴重な経験をしたことになりますねwww
4年に一回だったらやってもいいかな。


ベースキャンプ:オアシス御殿場
温泉にはいり、館内着にきがえて腕章で会計ができる居酒屋併設。ダメ人間速醸
温泉。2000円で朝の2時までやりたい放題できるので、同方面のベースキャンプに最適化。
館内着姿で会社の事業部長と遭遇
アーッ!


夜明け5時なので余裕をもって3時10分に須走を出発。
まずは鳥の看板を目指す。この日富士山全ラインマイカー規制がかかっていたので、走っているのはタクシーと観光バスのみ。

暗闇応援隊がいないのでさみしかった。


まっくら闇なので、先は見えない。しかし、ペダルにかかる斜度がだんだんきつくなって、どうもたまらんという頃になって右手に鳥の看板が見えてきた。


馬返しより:この季節ならではの風物詩。富士山登山道を照らす登山者の光の渋滞。

基本的にツーリングなので馬返しまではテンポで登った。
馬返し通過は35分。レース時より7分遅い。vivaテンポ
この後、毒キノコゾーン、20%区間でコウジさんがするすると前へ。すかさずチェック、そこから頂上まではちょっとストイックに。といっても全区間の平均は250Wたらず(レース時は280W)

暗闇から時折現れるタクシーはヘッドライトの明かりで予測しやすく、それ以外は高速蛇行、逆走、奇声、やりたい放題。22%の鬼坂も高速蛇行で乗り切った!やはり闇あざみは圧倒的に楽!(に感じる)

タイムは1時間16分。登頂後は降りてみんなを冷やかしに行った。


希少写真:限界まで追い込むウッチー氏。


富士五合目のノリピーショップで、マンモスオイピーしいたけ茶で乾杯。


ずっと曇りだったが、奇跡的に雲がきれ、ご来光がさす。


西方浄土。極楽祈願。富士地獄巡安全祈願。脚祈願。


写真提供:被害者K氏

時まだ朝の5時。朝練だん。
この頃は一本目とあってみんなまだ元気でした。

さて、下山。案の定ブレーキングにつぐブレーキングでリムが触れないくらいに熱くなるので馬返しでリム冷まし休憩。
そして、恒例の肝試しあざみダウンヒル最高速計測会。ここではアホみたいな速度がでる。今までの記録は、昨年計時した90.0 km/h
鳥の看板のところで、900Wでもがいて、スピードに乗せる。この後は、トップチューブにへばり付いて、小石とかでこけないように祈念しながらひたすら風の壁と闘う。

Max Speed (kph): 90.97

うーん。またも100km/hならず!
53-11Tとディープがあれば100km/h越えられるだろうか・・・

さあ、次は富士スカイラインだ。いままでと違って御殿場市街から登ることになるので、下からの獲得は1800m。ちょ、超級。


特に中間地点の水が塚駐車場までが、絶望的。
なにもない林の中を7%くらいの直線が走っていく。九十九折りはない。


おそるべし、スカイライン。
登り途中で「五合目まで残り24km」の看板を見た時、軽く眩暈が。
太郎坊のトンネルまでくると勾配はやや楽になります。


以前の美化されたスカイラインの記憶によれば、ほんのちょっと絶景ヒルクライムを楽しむだけで、頂上につくはず。
・・・実際のところは900m近く登りましたとさ。


五合目の気温はひゃっこい18度。この後レストハウスでずるずるした天ぷらそばのおいしかったこと。


写真提供:加害者K氏
さて、後はスバルラインを残すのみ。


天気は時々雲海の切れ目から青空が見える程度で、基本は曇り。
この頃は「もう後はスバルラインでおわり」的に、残り行程を甘く見積もっていました。
しかし、冷静になって考えると全行程200kmの内、まだ140kmくらい残っています。

「全行程200㌔っていいますけど、100キロは下りですから」
とかこの頃はあまっちょろいことを言っていました。

この後のスバルライン入口までで燃えカス寸前になるまで疲弊してしまうとは、この頃は夢想だにしていませんでした。

まずは、富士宮口までの長い長い27キロにおよぶダウンヒル!!肩はこるわ、睡眠不足で時速50キロで居眠りしそうになるは、大変でした。下れば下るほど気温は生温かくなるのが非常に残念でした。

そしてこの後に鬼門が。16キロ、600メートル間断なく続くアップダウンの県道71号線が待っていました。


コウジさん早すぎる!後続が・・・!

友情出演のコウジさん、調子が良さそうです。
「体力に自信がないから、輪行袋持っていくよ~」
と言っていたわりには、先頭交代でアップダウン区間を牽いてくれます。頼もしい!!!


サティアンの丘(コラ!)

ここ県道71号線は北海道のような牧歌的な道が気持ちよいです。
旧上九一色村のワインディングロード、景色はいいですがこの区間でみんな脚をどんどん削られていき、みんな一様に無言に。コンビニもないので自販機を見つけては炉端に座り込みます。

200w -220wでトボトボ進んでいきます。

本当につらかった富士宮~河口湖 42キロ。これさえなければ自走で富士ライン祭りは楽勝なのですが・・・

☆のさんと鳴沢道の駅で合流。すっかり塩分が体内から流れ出てしまった5人。テーブルに座ってのがっつり補給を希望します。


というわけで、まさに理想的な塩分+炭水化物補給。
メンズ富士山
富士山うどん2玉
もっと食べておくべきでした。

さて、脚が完全に閉店した状態で残り27キロ、1450メートル。昔の記憶が正しければあざみ>スカイと来た後の最後のスバルは、体感下り坂のはずでしたが・・・そんなことはありませんでした。

脚は残っていないわ、氷雨はふっているわ、途中でデータを拾わなくなるわ、しまいにはコウジさんが調子よくなってきて、「このSAPIMのスポーク、かかりがいいんですよ。ペダルに足を乗せているだけで、ホラ、勝手に進んで行っちゃう!」とか言って先行していなくなってしまうわ・・・

とにかく耐えに耐えて五合目を目指すのみ。これは6人全員の同じ気持ちだったと思います。途中で霧も濃くなり、ドリンクも切れたとの言い訳で4合目駐車場で中休止。その後平坦くかんでかみつんをイメージし40キロで巡航したところ、5秒で髪の毛の先端まで乳酸がたまりましたwww

結局1時間40分くらいでゴール。


完全誤訳www

4合目で見つけた面白い英語wwwwwww
おそらくは、
汲み取り=Taking into consideration
Making allowance=匙加減する

Excite 翻訳
汲み取り便所=Lavatory of taking into consideration


いやはや、本当に疲れました。


写真提供:目撃者K氏

外国からのお客様に占拠された五合目を後にし、後はゴール地点への帰還を残すのみ。しかし河口湖~忍野、そして山中湖~篭坂峠で240mほど登らなくてはいけません。これには全員涙目でした。しかし、この最後のひと踏ん張りで獲得標高が5000mを超えました。ホッ。


キリマンw

かくして、獲得標高は5000mを越え、ツール・ド・富士山あらためツール・ド・キリマンジャロは終わった。林道氏は、獲得標高がヒマラヤ並みにならなかったことを後悔しているという。一日でこのコースを二周すれば獲得は8800メートルを超えるであろう。申込は林道ツーリストまで(キャンセルはできません)