乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

1月04日(日)の乙女高原自然観察交流会

2020年01月04日 | 乙女高原観察交流会

乙女高原自然観察交流会  1月04日(日)

※参加された鈴木辰三さんがレポートを書いてくださいました。

 新年最初の自然観察交流会は3名と少ない参加者でしたが、穏やかな晴天に恵まれ観察会日和となりました。

 年末に降った雪が心配でしたが、乙女高原に到着してみると下の方は数センチ積雪が残っている程度でした。百葉箱の中の温度計は0度です。タヌキやテンと思われる動物の足跡もいくつかありましたが、かなり時間が経過しているためにはっきりとわかりません。また、先月の観察会で主役となった氷華もできていないようです。鳥の声も聞こえず、今日は何も見るものがないのではないかと不安になりながら森のコースを歩き始めました。

 暫く登ったところで1m位の幼木に赤くてツヤのあるかわいらしい冬芽を見つけました。全体の特徴からカエデの仲間であることはわかります。たまたま持っていた冬芽図鑑で調べてみると、*芽鱗の数や葉痕の形・*維管束痕の数などからウリハダカエデと同定できました。そこで急遽冬芽をテーマに観察しようということになりました。ルーペで観察しながら細かい部分を図鑑の特徴と照らし合わせます。急に進む速度が遅くなった感じです。ツノハシバミの雌花は水滴のような形の*鱗芽で雄花は尻尾のような*裸芽で作りが異なります。オオカメノキは裸芽でウサギの顔みたいにかわいらしい姿です。コシアブラは短枝が発達して三日月形の葉痕が特徴です。このようにシラカバ・レンゲツツジ・ミズナラ・ズミ・イタヤカエデなどの冬芽をひとつずつ観察していると、あっという間に時間が過ぎていきます。

 途中でキツツキのドラミングが聞こえてきたので探してみるとオオアカゲラでした。最初は普通にアカゲラかと思いましたが、写真で拡大して見ると特徴である胸の縦縞模様がはっきりわかり同定できたのです。乙女高原でオオアカゲラを見るのは初めてです。

 昼食を食べたあとは湿地の谷地坊主を観察しました。昨年ロータリークラブから寄贈された案内板が設置されていて、谷地坊主の成長の仕組みが良くわかります。看板付近から見下ろすと、周りは積雪があるのに谷地坊主のところだけ溶けているのが目立っています。谷地坊主の高さの分だけ日光を受けやすくて温まっているのだとか、水の流れの影響で雪が積もらないのだとかいろいろと推理してみました。本当のところはどうなのでしょうか。

 観察を終えて帰路では、カエル池付近でカラ類の混群に出逢いました。シジュウカラ・コガラ・ホオジロ・エナガに、ジョウビタキやマヒワも見ることができました。今頃の季節は高原よりもかなり低いところに移動して生活しているのでしょう。

 初めは見るものがないのではと思いましたが、終わってみればたくさんの出逢いがあり、またじっくり観察することで新たな発見もありました。2020年も多くの人たちに乙女高原の魅力を知ってもらえることを願っています。

※芽鱗…冬芽を保護するうろこ状のもの
 ・鱗芽…芽鱗をもつ冬芽
 ・裸芽…芽鱗をもたない冬芽
 ・維管束痕…葉痕の中に見える維管束(水分や養分が通る管)の断面

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