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光は瞬間的に伝わるのか有限の速さで伝わるのか、ギリシャの時代から長い間議論の的でした。 ガリレオも光の速度を測ろうとしましたが当時の計測器では無理でした。 ジョバンニ・カッシーニ(1625~1712,伊の出身で仏の天文学者パリ天文台長)の作成した木星の4大衛星の運行表や彼の観測した地球と太陽の距離を利用して、オーレ・レーマーが計算して光速が有限であることを証明しました。
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グリニッジ天文台の第3代台長であったジェームズ・ブラッドリー(1693~1762 イギリスの天文学者)が1729年に季節による星の光行差から約301000Km/秒という光の速度を計算して出しました。 (光行差(こうこうさ)(Aberration of light)とは、天体を観測する際に観測者が移動しているために、天体の位置が移動方向にずれて見えるとき、そのずれを指す用語である。)
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アルマン・フィゾー (1819~1896 仏の物理学者)が、1849年に天体現象を使わないで初めて地上で光の速度を測定しました。 彼は720枚の歯のある歯車と約86Km離れた反射鏡などの装置で光が高速で回転する歯車の歯の間を通るのを利用して光速約313万Km/秒の数字を出しました。
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レオン・フーコー(1819~1868 仏の物理学者)は、回転する鏡を使って水中では光のスピードが遅くなることを実証し、1862年に真空中の光速は298000+-500Kmの数値を出しています。 1851年に地球の自転を証明する「フーコーの振り子」の実験が有名です。
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アルバート・マイケルソン(1852~1931 アメリカの物理学者)はフーコーの観測方法を改良して1926年に測定値299796+―4Km/秒をだしました。 その後近代になって観測方法もマイクロ波やレーザーを使って精度を高め、真空中の光の速度は299792m/秒が求められ、1983年に国際度量衡総会によりメートルを光速によって定義されることになりました。
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