東京『君が代』第４次裁判（10，12，11，13）提訴

　◆ ３月１７日　４次訴訟原告団が提訴
　　　～都教委なんかに負けちゃいられない！

　◆ 闘いの成果の上に
　あの「１０・２３通達」から１０年余、処分撤回を求める闘いは綿々とひきつがれてきました。ご存知のように、一次・二次訴訟に関しては最高裁判決が出され、両判決とも、不充分ながら「職務命令が思想・良心の自由への間接的制約になる」ことを認め、都教委の「累積加重システム」を断罪、減給以上の処分をすべて取り消しました。戒告については、残念ながら違法とまでの判決は出ませんでしたが、反対意見や補足意見を足掛かりに、すべての処分の撤回を求めて三次訴訟が果敢に闘われています。
　一方、都教委は、該当者に対して謝罪や名誉回復を行うどころか、二次判決で処分を取り消された現職７人に、前代未聞の「再処分」を課すという暴挙に出ました。
　都教委の「専制支配」の下、現場では「何を言ってもムダ」という雰囲気が広がっていますが、同時に、多くの教職員は「これでいいのか」という疑問を抱いています。この疑問や怒りを多くの方々と共有しながら、今まで勝ち取った到達点をさらに前進させるため、「１０・２３通達」撤回を求めて、私たちは処分取り消しの準備を進めてきました。
　◆ 人事委員会での意見陳述
　人事委員会審理請求人は１７人、２０１０年から１３年までの間に処分された方々で構成されています。今年の２月２１日に人事委員会口頭審理があり、８人の方が意見陳述を行いました。
　Ａさんは「クリスチャンである私にとって、卒業式・入学式の国歌斉唱時に起立して日の丸に正対して国歌を歌わされるということは、信教の自由を侵害されているということです」と陳述。
　Ｂさんは「特別指導の申渡しの場で校長に反抗的態度を見せたＣ。そのＣが、沖縄修学旅行でガマに入った時、身体不自由の私を気遣って背負ってくれました。表面的な解決のみを急ぐ校長のやり方の弊害が恐ろしい」と批判。
　再処分を受けたＤさんは「都教委は謝罪するどころか８年前の事件に対して再度の処分を、それも金銭的損失がより大きい処分を押し付けてきたのです」と怒りの発言。
　特別支援校のＥさんは「通達以降、車椅子の生徒たちに檀上使用を強制し、子どもが自分で動くことを禁じた。これほど反教育的で、人権無視なことはあるでしょうか」と告発しました。
　◆ 四次原告団結成総会開かる
　人事委員会口頭審理を経て、３月１５日、四次訴訟原告団の結成総会が開かれました。弁護団からずしりと重い訴状が渡され、その冒頭に「これまでの最高裁判決に漫然と従ってはならない」とのタイトルが……。う一ん、これが私たちの「原点」かと実感。
　「そもそも国歌国旗への敬意表明を強制できるのか、という枠組みを問いたい」「理論面と同時に、現場がどうなっているかという実体論の両面から攻めていく」等の説明が弁護団からありました。
　原告からは「実教の教科書排除の問題も入れ込むべき」「現在の再発防止研修の異常さをリアルに反映して」「式で起立しない生徒を立たせるような指導が平気で行われている」等々の実態・要望が出され、それを訴状に極力反映し、無理な場合は今後の書面等に生かしていくということになりました。多くの原告が参加し、意気高い結成総会となりました（今後、原告として訴状の検討会を持っていきます）。
　◆ いよいよスタート３・１７提訴行動
　春の光が温かい１７日、まずは１０時から「再雇用拒否第三次訴訟第１回弁論」が行われ、多くの方が参加。その後１１時過ぎから、四次原告を中心に、他の原告・支援者・弁護士の方々が集まり、提訴行動として地裁前まで行進。マスコミも含め多くの方が参加してくれました。ありがとうございました。
　いよいよ四次訴訟がスタート。原告の数は１４人と少ないですが、皆さんの支援を得て、何とか最高裁の重い扉をこじ開けたいという気持ちです。
　昼前から記者会見が開かれ、これにも多くの原告が参加。３人の方が自分の思いを語りました。ＮＨＫから「一次～三次と四次の違いは？」という質問があり、司会から「再発防止研修や戒告の中身が以前に比べ非常に重くなるなど、状況が厳しくなっている中での提訴だ」と補足しましたが、そのへんをマスコミも含め裁判所にどう説得的に伝えていくかがカギになるのかな、と感じました。今後ともご支援をよろしくお願いいたします。（四次原告・加藤良雄）
『被処分者の会通信 ９２号』（2014/3/18）