パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

▲ 明けない夜はない(204)

2023年06月23日 | 日の丸・君が代関連ニュース

 ▲ <「10・23通達」から20年、いま教育現場は(下)>

<転送歓迎>(重複ご容赦)・「新芽ML」・「ひのきみ全国ネット」・「戦争をさせない杉並1000人委員会」・「杉並コモンズ」の渡部です。

=============================
 戦後、<戦争放棄>をうたう「憲法」が作られ、<民主教育>をうたう「教育基本法」が制定された。
 しかし、1950年からの「朝鮮戦争」前後に、<日の丸・君が代>の復活と<再軍備>が始まった。
 これらは戦前回帰の第一歩だった。

 これに対し日教組は、1951年に「教え子を再び戦場に送るな!」というスローガンを決定、<平和教育>に力を入れるようになった。
 その後、1957年から58年にかけて、教育委員会は公選制から任命制に変わり、<勤務評定>が強行された。
 それは教職員の団結を破壊し、教育統制に繋がるものだとして、大きな「勤評反対闘争」が闘われた(石川達三の『人間の壁』に詳しい)。
 その時に掲げられたスローガンが<勤評は戦争への一里塚>だった。
 また、この時期「学テ反対闘争」も闘われた。
 1960年の米軍基地存続に反対する「安保闘争」にも日教組は大きな役割を果たした。

 しかしその後、経済成長時代に入ると、そうした意識は教員の中に薄くなった。
 そうした状況下、<日の丸・君が代>は「学習指導要領」の中で次々と強化されるようになり、教員管理も強まるようになってきた。
 そうした中で1975年には「主任制度」が導入された。
 日教組は職場に<上命下服体制>を持ち込むとして、ストライキなどもして反対した。
 <日の丸・君が代>強制反対闘争は粘り強く続けられた。

 しかしその後、日教組中央は下部組合員の大きな反対を無視し、文部省との<パートナー路線>を歩みだし、1995年「五項目合意」を結んだ。それは、

  ①「日の丸・君が代」
  ② 学習指導要領
  ③ 職員会議
  ④ 官製研修
  ⑤ 主任制

 の五項目への反対の旗を降ろして、文部省とパートナーとなるというものだった。
 これに対し、当時、全国の下部組合員たちは大きな反対の声を上げた。しかし阻止するに至らなかった。

 その結果、1999年には「国旗・国歌法」が法制化され、2003年には東京で「10・23通達」が出され、ついに2006年には「教育基本法」までも改悪された。
 これに対しては、日教組中央はもはや十分反対できず、日教組下部組合員と全教組合員、勤労市民を巻き込んで「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」が結成され、2004年から2006年まで大きな反対闘争が取り組まれた。
 しかし阻止できなかった。

 「五項目合意」から約30年、「10・23通達」から20年。
 現在では、このメールの(上)でも見たように、①~⑤まですべて文部科学省の言いなりとなり、教育現場は「民主教育」の場ではなく、戦前回帰のファッショ的な「国家主義教育」の場へと様変わりしてしまった。
 いかに「パートナー路線」というものが犯罪的であったかがよくわかる。これは戦後日本教育闘争史上での痛恨の反省としなければならないであろう。

 しかし、まだ<闘いの火>は消えていない。
 東京では、「君が代」処分に関する「第五次訴訟」が闘われている。
 また大阪では、「君が代」調教NO!松田裁判」「新勤評制度」に対する反対闘争が闘われている。

 そして、ファッショ的な「国家主義教育」の場へと様変わりした教育現場からは、パワハラと長時間労働で声も挙げられなくなっている教員たちから、「もうやっていけない」と悲鳴が上がっているのである。

 「易経」には次のような言葉がある。

「易は窮まれば変じ、変ずれば通じ、通ずれば久し」

 私たちは時を待ち、闘いを堅持してゆくことが重要だということであろう。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 現在、業績評価が非常に教職員を苦しめている。
 そこで参考までに、▲ 大阪の新勤評に関する資料を三つほど紹介する。

(参考) 2002.06.01 大阪教組「評価制度等に関する教職員の総合意識調査」の最終報告

(参考) 2007.03.15 新勤評反対訴訟団通信

 この裁判は、最高裁まで争ったが完敗だった。

 しかし、訴訟団は2010年12月19日に教職員・市民500人を結集した全国集会を開催し、訴訟団を「新勤評制度はいらない!全国交流会」に改組し司法の枠を超えた闘いを追求することが確認された。

 そして、現在でも闘いは続いており、この5月にも府教委との話し合いがもたれている。

(参考)2023年5月12日、文書回答を巡っての府教委との話し合い

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
取組紹介

①「沖縄、再び戦場(いくさば)へ」(仮)
  スピンオフ作品(45分)上映会
<日時>2023年7月13日(木)18:45開場、19:00上映会開始
<場所>杉並区・阿佐ヶ谷地域区民センター第1・2・3集会室(定員130名)
<上映後>
 ・映画の説明・毛利孝雄さん(沖縄大学・地域研究所特別研究員)
 ・質疑・討論
<資料代>500円
<主催>戦争をさせない杉並1000人委員会>
     連絡先:070-6477-2076(清光)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
② 全国から集う!全国で闘う!
 第13回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会
   ~「新たな戦前」に向う教育の国家支配はゴメンだ!~
 日時:2023年7月23日(日)10:30~17:00(開場10:10)
 場所:日比谷図書文化館・コンベンションホール(地下階)
 講演:児美川孝一郎さん(法政大学教授)
 演題:『公教育の転覆をはかる教育DXーー市場化、デジタル監視、新たな戦前ーー』
 主催:実行委員会(090-3543-8743(根津))
 資料代:500円
 ユーチューブ配信あり

*************************************************************

「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
     http://houinet.blogspot.jp/
千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
       http://hinokimitcb.web.fc2.com/
「ひのきみ全国ネット」のウェブサイト
       http://hinokimi.web.fc2.com/


コメント    この記事についてブログを書く
« ♪ 条件付採用音楽教員免職処... | トップ | ◆ コロナ在宅勤務裁判控訴審... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日の丸・君が代関連ニュース」カテゴリの最新記事