★ <若者を再び戦場に送るな!(20)「はやきはこける」と負の遺産>
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昨日(8月14日、敗戦記念日の前日)、岸田首相は9月に行われる自民党の総裁選に出馬しないことを発表した。
これにより岸田政権は退陣することになった。
岸田内閣が発足した2021年10月4日の翌日、私は、「明けない夜はない(80)」に次のようなことを書いた。(少し長いがご容赦を)
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自民党は7月から野党が要求してきた臨時国会を開かず、党利党略を優先させ、9月29日に総裁選を行った。
総裁選の結果岸田氏が選ばれたが、これまでの自民党の体質をそのまま温存したようなものだった。
それが暴露され、自民党の支持率が下がるのを恐れ、岸田氏は昨日(10月4日)新内閣を組閣すると同時に、国会審議をまたも避け、
「先んずる者人を制す」とばかりに、急遽、17日に衆院を解散、31日に投開票するとした。
岸田氏は、「特技は人の話をしっかり聞くこと」などと述べていたが、それは全くのウソだった。
また、岸田氏は、「森友学園」問題について、「さらなる説明をしなければならない課題だ」とも述べていたが、総選挙中に「不要だ」と述べるに至った。
また、9条を含む改憲について、「自分の自民党総裁選期間中に成し遂げたい」と述べている。
基本的にはアベ・スガ政権と同じである。・・・・・・
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そして私は、最後に次のように指摘しておいた。
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岸田氏は宮本武蔵の『五輪書』が愛読書のようだが、
そこには「はやきはこける」という言葉もある。
わたしたちは一歩一歩である。
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あれから3年10か月弱、彼は何をやってきたか。主なものを検討してみる。
〇彼は当初、格差拡大を招いた「アベノミクス」を批判し、「新たな資本主義」などといって「成長」より「分配」を強調していた。
しかし、株価が下がり経済界から批判されると、簡単に、2022年春以降は「成長」重視へと大きく舵を切った。
〇2022年7月に安倍元首相が銃撃死し、安倍氏と旧統一教会の問題が明らかになった。
しかし、多くの反対の声を無視して安倍氏の国葬を強行した。
〇でも、旧統一教会の問題に取り組まざるを得なくなり、政権維持の為に場当たり的に関係者を処分した。
しかし、自分も彼らと接点があったにも関わらず責任を取らず、旧統一教会の問題は未解決のままである。
〇昨年11月に表面化した裏金問題も、関係した議員らを処分した。
しかし、自民党の総裁である岸田氏はまたしても責任をとらず、「改正政治資金規正法」はまさにザル法で、派閥解散も進んでいない。それどころかすでに政治資金パーテイが再開している。
要するに彼は、政権維持のために、絶えず「先んじる者の人を制す」とばかりに、目前主義で場当たり式に様々なことをやってきたが、いずれも中途半端で支持率は低迷し、自民党内部からもこれでは選挙が闘えないとの声が高まる中、追い込まれての退陣となったのである。
そして、9条を含む改憲について、「自分の自民党総裁選期間中に成し遂げたい」と述べていたことは不可能となった。
まさに「はやきはこける」だった。
しかし、一方で彼は、日本にとって極めて重大なことを国会も通さずにやってきた。それは特に次の二つの事である。
第一に、2022年12月16日、安保関連三文書を閣議だけで決定し、そこに「敵基地攻撃能力」の保有や防衛費の倍増を盛り込んだ。
これは戦後の防衛政策の根本的改悪であり、戦争準備の具体化である。
同時に南西諸島をはじめ全国の軍事基地化を急ピッチで進めた。
また、今年4月10日の日米首脳会談で、アメリカとの「グローバルパートナーシップ」を確約、自衛隊は米軍と一体化(実際上は米軍の下部組織)することになった。
平和国家日本が戦争国家アメリカと運命共同体になったのである
これら二つの事に関して、アメリカのバイデン大統領は昨日(14日)、岸田首相は「日米同盟を新たな高みへと導くために、ともに取り組んできた」、彼の「リーダーシップは歴史的というほかない」と持ち上げた。
第二に、原発の再稼働と福島第一原発の汚染水海洋放出(2023年8月24日)である。
日本は世界でも有数の地震国である。
この1月1日には能登地震があり、珠洲原発が立てられなくてよかったといわれている。
また8月8日には日向灘地震が起こり、近く大規模な南海トラフト地震が起きるかもしれないといわれている。
しかも原発の放射性廃棄物の処理は全くメドが立たないままである。
こうした岸田政権の負の遺産によって、日本社会は、新たな「戦争」と新たな「原発事故」の危機にさらされるようになったといっても過言ではない。
私たちは非常に危険な時代を生きるようになってきた。
これらの動きを阻止し、日本を平和で安全な社会にするためには、全国各地の「草の根」からの粘り強い運動以外にないだろう。
つまり、「草の根」からの「世直し」である。
全国の皆さん、そのために共に声を上げ、闘いましょう!!
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