《沖縄・日本から米軍基地をなくす草の根運動 草の根ニュースから》
◆ 日米地位協定の改正を訴える
〔2019年10月19日神戸で開かれた全国革新懇談会全国交流会での発言〕
沖縄革新懇代表世話人の仲山忠克です。私は、日米地位協定の改正問題について発言します。
沖縄県民の総意を無視して、辺野古新基地建設を強行する。民主主義よりも軍事が優先する。これが沖縄で展開されている我が国の現実です。その軍事力存在の法的根拠が日米安保条約です。
そうであれば、民主主義破壊は沖縄に留まりません。沖縄は軍事化の進行する我が国の未来図を暗示し、全国民への先行的警鐘だと理解すべきです。そのような安保体制を根底から支えているのが、日米地位協定です。
昨年7月、全国知事会が「日米地位協定の根本的見直し」を提言しました。
安保容認派においても、地位協定の不条理さが認識されたからに他なりません。
◆ 地位協定は、国家主権を侵害、国民の人権を侵害
不条理の根本は何か。我が国の国家主権の侵害であり、それが必然的にもたらす国民の人権侵害です。
国家主権の確立しない国の国民の人権が保障されないことは、世界史の証明を待つまでもなく、米軍基地の集中する沖縄や神奈川における米軍犯罪の多発さが、それを証明しているのです。
◆ 米軍にとっての「死活的利益」は、基地管理権と刑事裁判権
地位協定全文を貫く原理は、米軍の軍事優先です。
その中でも、米軍にとっての「死活的利益」は、基地管理権と刑事裁判権であるといわれています。
基地管理権は排他的管理権となって、米軍基地、米軍及び米兵等の米軍関係者に我が国の国内法の適用を原則として排除しています。米軍の活動は、国内法に拘束されることなく治外法権下にあり、原則として自由放任です。それ故に米軍にとって死活的利益なのです。
そのことから、米軍基地内への立入は禁止され、環境汚染は制止出来ず、米軍犯罪の捜査は困難となっています。
航空法の適用除外は、米軍飛行場につきクリアーゾーンの設置や周辺建造物の高度制限をいずれも不要とし、低空飛行を許容しています。
その結果、国民は爆音に悩まされ、米軍機事故により生命身体の危険に日常的に晒されています。国民の平和的生存権侵害の元凶が日米地位協定だといえるのです。
NATO諸国の地位協定が受入国の法令を米軍に適用しているのと大違いです。
刑事裁判権は、属地主義という刑法の原則を排除し、米軍が日本の裁判権に服するのは、公務外犯罪のみであり、公務中犯罪には原則及びません。
しかも公務外犯罪につき、「著しく重要と考えられる事件」以外は日本側は裁判権を行使しないという、日米間の密約があります。
米軍犯罪の法的規則は事実上なきに等しい状態であり、それがまた続発を招いているのです。
米兵犯罪は、殺人マシーン化した軍隊の本質に根ざす構造的なものであり、不可避的に多発します。いちいち処罰していては軍隊の機能は維持できないことから、不処罰の確保は米軍にとって死活的利益となるのです。
このような不条理、不平等な地位協定の抜本的改正を求めることは、独立した主権国家として、またその国民として、当然の要求であります。
問題は改正を論じる視点です。
◆ 憲法体系と安保法体系が併在
我が国には、憲法を最高法規とする憲法体系と日米安保条約を最上位とする安保法体系が併在しています。
憲法体系が「武力によらない平和」を構想するのに対して、安保法体系は日米軍事同盟を基調とする「武力による平和」です。
両者はその理念を真逆とする対立概念であり、我が国の戦後史はその対立と相克の歴史であると言っても過言ではないのです。
地位協定は安保条約の運用を具体化する下位法であり、その軍事優先性は日米軍事同盟に由来しているのです。
◆ 憲法体制の確立こそが肝要
国家統治は憲法に基づいてなされます。これが立憲主義であり、近現代国家の統治の原則です。この立憲主義の観点から言えば、憲法体制の確立こそが肝要であって、安保体制は打破されなければなりません。
4年前に成立した安保法制(戦争法)のみが立憲主義の破壊ではなく、その源流は日米安保条約そのものにあります。
地位協定改正問題もその視点から検討されるべきです。その視点こそが安保容認派が圧倒的多数となっている国民意識を変革しうる契機となるのです。
「日米同盟を盤石にするために」改正が必要との言説がありますが、立憲主義を欠落させた見解だと言わざるをえません。
◆ 地位協定の改正は、安保体制打破へ向かう過程でなされるぺき過渡的な弥縫策
日米地立協定の改正は、安保体制打破へ向かう過程でなされるべき過渡的な弥縫策といえるものでありますが、国家主権の確立、人権尊重、民主主義の形成にとってより良く寄与をするものとして不可欠な課題です。
それは安保体制の弱体化に繋がり、安倍暴走政権の戦争する国づくりへの阻止力ともなりうるものです。
今こそ、日米安保体制の本質を暴き、その基盤となっている日米地位協定の抜本的改正に向けて広範囲な国民世論を巻き起こすことが重要です。
全国の革新懇の皆様が、その先頭に立って奮闘していただくことを、心から訴えます。
『沖縄・日本から米軍基地をなくす草の根運動 草の根ニュース 111号』(2019年11月28日)
◆ 日米地位協定の改正を訴える
〔2019年10月19日神戸で開かれた全国革新懇談会全国交流会での発言〕
沖縄革新懇代表世話人 仲山忠克(ゆい法律事務所弁護士)
沖縄革新懇代表世話人の仲山忠克です。私は、日米地位協定の改正問題について発言します。
沖縄県民の総意を無視して、辺野古新基地建設を強行する。民主主義よりも軍事が優先する。これが沖縄で展開されている我が国の現実です。その軍事力存在の法的根拠が日米安保条約です。
そうであれば、民主主義破壊は沖縄に留まりません。沖縄は軍事化の進行する我が国の未来図を暗示し、全国民への先行的警鐘だと理解すべきです。そのような安保体制を根底から支えているのが、日米地位協定です。
昨年7月、全国知事会が「日米地位協定の根本的見直し」を提言しました。
安保容認派においても、地位協定の不条理さが認識されたからに他なりません。
◆ 地位協定は、国家主権を侵害、国民の人権を侵害
不条理の根本は何か。我が国の国家主権の侵害であり、それが必然的にもたらす国民の人権侵害です。
国家主権の確立しない国の国民の人権が保障されないことは、世界史の証明を待つまでもなく、米軍基地の集中する沖縄や神奈川における米軍犯罪の多発さが、それを証明しているのです。
◆ 米軍にとっての「死活的利益」は、基地管理権と刑事裁判権
地位協定全文を貫く原理は、米軍の軍事優先です。
その中でも、米軍にとっての「死活的利益」は、基地管理権と刑事裁判権であるといわれています。
基地管理権は排他的管理権となって、米軍基地、米軍及び米兵等の米軍関係者に我が国の国内法の適用を原則として排除しています。米軍の活動は、国内法に拘束されることなく治外法権下にあり、原則として自由放任です。それ故に米軍にとって死活的利益なのです。
そのことから、米軍基地内への立入は禁止され、環境汚染は制止出来ず、米軍犯罪の捜査は困難となっています。
航空法の適用除外は、米軍飛行場につきクリアーゾーンの設置や周辺建造物の高度制限をいずれも不要とし、低空飛行を許容しています。
その結果、国民は爆音に悩まされ、米軍機事故により生命身体の危険に日常的に晒されています。国民の平和的生存権侵害の元凶が日米地位協定だといえるのです。
NATO諸国の地位協定が受入国の法令を米軍に適用しているのと大違いです。
刑事裁判権は、属地主義という刑法の原則を排除し、米軍が日本の裁判権に服するのは、公務外犯罪のみであり、公務中犯罪には原則及びません。
しかも公務外犯罪につき、「著しく重要と考えられる事件」以外は日本側は裁判権を行使しないという、日米間の密約があります。
米軍犯罪の法的規則は事実上なきに等しい状態であり、それがまた続発を招いているのです。
米兵犯罪は、殺人マシーン化した軍隊の本質に根ざす構造的なものであり、不可避的に多発します。いちいち処罰していては軍隊の機能は維持できないことから、不処罰の確保は米軍にとって死活的利益となるのです。
このような不条理、不平等な地位協定の抜本的改正を求めることは、独立した主権国家として、またその国民として、当然の要求であります。
問題は改正を論じる視点です。
◆ 憲法体系と安保法体系が併在
我が国には、憲法を最高法規とする憲法体系と日米安保条約を最上位とする安保法体系が併在しています。
憲法体系が「武力によらない平和」を構想するのに対して、安保法体系は日米軍事同盟を基調とする「武力による平和」です。
両者はその理念を真逆とする対立概念であり、我が国の戦後史はその対立と相克の歴史であると言っても過言ではないのです。
地位協定は安保条約の運用を具体化する下位法であり、その軍事優先性は日米軍事同盟に由来しているのです。
◆ 憲法体制の確立こそが肝要
国家統治は憲法に基づいてなされます。これが立憲主義であり、近現代国家の統治の原則です。この立憲主義の観点から言えば、憲法体制の確立こそが肝要であって、安保体制は打破されなければなりません。
4年前に成立した安保法制(戦争法)のみが立憲主義の破壊ではなく、その源流は日米安保条約そのものにあります。
地位協定改正問題もその視点から検討されるべきです。その視点こそが安保容認派が圧倒的多数となっている国民意識を変革しうる契機となるのです。
「日米同盟を盤石にするために」改正が必要との言説がありますが、立憲主義を欠落させた見解だと言わざるをえません。
◆ 地位協定の改正は、安保体制打破へ向かう過程でなされるぺき過渡的な弥縫策
日米地立協定の改正は、安保体制打破へ向かう過程でなされるべき過渡的な弥縫策といえるものでありますが、国家主権の確立、人権尊重、民主主義の形成にとってより良く寄与をするものとして不可欠な課題です。
それは安保体制の弱体化に繋がり、安倍暴走政権の戦争する国づくりへの阻止力ともなりうるものです。
今こそ、日米安保体制の本質を暴き、その基盤となっている日米地位協定の抜本的改正に向けて広範囲な国民世論を巻き起こすことが重要です。
全国の革新懇の皆様が、その先頭に立って奮闘していただくことを、心から訴えます。
『沖縄・日本から米軍基地をなくす草の根運動 草の根ニュース 111号』(2019年11月28日)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます