◆ 東京 業績評価裁判結審 上意下達の教育を批判
東京都世田谷区立小の大嶽昇一教諭への業績評価制度による不当な扱いをめぐる控訴審(東京高裁)で7月20日、本人の最終意見陳述が行われ、結審した。判決は9月29日午後1時、東京高裁824法廷の予定。
大嶽さんは、人事委員会闘争を含む7年間の闘いを振り返り、①業績評価制度は、働く者同士を分断し、差別選別教育を教職員に担わせる”踏み絵”の役割を果たしている、②主幹・主任教諭制度など職階制度導入と相まって、教育現場にトップダウンの管理系統をもたらし、戦後培われてきた民主的な教育現場を破壊した、と指摘した。
大嶽さんは②に関し、校長に「学年会をとる時間がない」と言うと、「主幹教諭を通して言ってこい」と言われるような実態があると訴えた。
また、先輩教員である北村小夜さんが「戦争は教育から始まる。戦争するには、国民の権力に逆らわない心の育成が必要だ」と語っていることも紹介した。
大嶽さんは最後に、現任校の校長が、のちに撤回したが「私の経営方針に反する教員は抹殺します」と放言する、こういう権力的な言葉が発せられない学校、一人ひとりが大切にされ、生かされる学校にするために業績評価制度を見直す判決を、と結んだ。
『週刊新社会』(2011/8/9)
あしかけ7年にも及ぶ不当な業績評価との闘いの中で、私は数多くのことを体験し、数多くの確信をつかむことができました。
精神的にも肉体的にも疲れ切りはしましたが、しかし、私の今の闘いをやり抜くことが、未知数の可能性を持つ子どもたちのためにも、また、現場で必死に働いている教職員のためにも、大きく言えば『教育』界のためにも、必要なんだという確信を得てきました。
多くの教え子たちに支えられ、多くの同僚たちに支えられ、多くの保護者に支えられ、多くの地域の人々に支えられて、この7年間やってこれたと思います。
当初、四面楚歌の中にあって、7年間もの業績評価との闘いが続けられてきたのは、それらの数多くの人々の支援と、私たちの主張の正しさが立証され続けてきたからこそと思います。
そして、今回の『大嶽』の裁判が、私個人の問題ではないことも明らかにされてきました。最終意見陳述にあたって、以下の5点にまとめて主張したいと思います。
①業績評価は、働く者どうしを分断するもの以外何ものでもない。
②業績評価は、『差別選別教育』を有無をいわせず、教育労働者に担わせる『踏み絵』の役割を果たしている。
③業績評価は、教育現場の協働・共同と団結を破壊し、組合を解体し、索漠とした教育環境をもたらしている。
④業績評価は、職階制度の導入とあいまって、教育現場にトップダウンの管理系統をもたらした。教職員を『ものが言えない』ようにさせ、戦後培われてきた民主的な教育現場を破壊した。子どもたちに直接、教育を司る『教員』の創造的な教育活動を破壊した。
⑤業績評価は、賃金にリンクさせられることによって、職場に競争原理をもたらした。
裁判長に心より訴えます。ぜひ、教育現場を今以上に理解していただきたいと思います。ぜひ、業績評価を見直す判決をお願いいたします。
先日、私たちの大先輩である北村小夜先生のお話を聞くことができました『戦争は、教室から始まる。』…戦争をするには、国民の逆らわない心と丈夫な体が必要である。…今はすでに戦争前夜である、というお話でした。
最後に、訴えます。
①『人を抹殺する』という発言が(現任校の管理職の発言)、教育現場で発せられない学校づくりのために
②いろんな人がいて、人間社会をつくっています。一人一人が大切にされ、生かされる学校を
③創造的な、学びがいのある学校を、働きがいのある学校づくりを
④意見や思いが異なっても、みんなが協力し助け合う『団結』を豊かにっくり出していく学校づくりのために
ぜひ、私たちの主張に耳を傾けてください。ぜひ、業績評価を見直す判決をお願いいたします。
判決日決定!業績評価裁判控訴審 傍聴に集まってください
●9月29日(木)午後1時15分
●東京高等裁判所824号法廷
『業績評価裁判を支援する会(岬の会)』
http://misaki2010kai.blog58.fc2.com/
教育ライター・永野厚男
東京都世田谷区立小の大嶽昇一教諭への業績評価制度による不当な扱いをめぐる控訴審(東京高裁)で7月20日、本人の最終意見陳述が行われ、結審した。判決は9月29日午後1時、東京高裁824法廷の予定。
大嶽さんは、人事委員会闘争を含む7年間の闘いを振り返り、①業績評価制度は、働く者同士を分断し、差別選別教育を教職員に担わせる”踏み絵”の役割を果たしている、②主幹・主任教諭制度など職階制度導入と相まって、教育現場にトップダウンの管理系統をもたらし、戦後培われてきた民主的な教育現場を破壊した、と指摘した。
大嶽さんは②に関し、校長に「学年会をとる時間がない」と言うと、「主幹教諭を通して言ってこい」と言われるような実態があると訴えた。
また、先輩教員である北村小夜さんが「戦争は教育から始まる。戦争するには、国民の権力に逆らわない心の育成が必要だ」と語っていることも紹介した。
大嶽さんは最後に、現任校の校長が、のちに撤回したが「私の経営方針に反する教員は抹殺します」と放言する、こういう権力的な言葉が発せられない学校、一人ひとりが大切にされ、生かされる学校にするために業績評価制度を見直す判決を、と結んだ。
『週刊新社会』(2011/8/9)
★ 最終意見陳述書
2011年7月20日
大嶽昇一
大嶽昇一
あしかけ7年にも及ぶ不当な業績評価との闘いの中で、私は数多くのことを体験し、数多くの確信をつかむことができました。
精神的にも肉体的にも疲れ切りはしましたが、しかし、私の今の闘いをやり抜くことが、未知数の可能性を持つ子どもたちのためにも、また、現場で必死に働いている教職員のためにも、大きく言えば『教育』界のためにも、必要なんだという確信を得てきました。
多くの教え子たちに支えられ、多くの同僚たちに支えられ、多くの保護者に支えられ、多くの地域の人々に支えられて、この7年間やってこれたと思います。
当初、四面楚歌の中にあって、7年間もの業績評価との闘いが続けられてきたのは、それらの数多くの人々の支援と、私たちの主張の正しさが立証され続けてきたからこそと思います。
そして、今回の『大嶽』の裁判が、私個人の問題ではないことも明らかにされてきました。最終意見陳述にあたって、以下の5点にまとめて主張したいと思います。
①業績評価は、働く者どうしを分断するもの以外何ものでもない。
②業績評価は、『差別選別教育』を有無をいわせず、教育労働者に担わせる『踏み絵』の役割を果たしている。
③業績評価は、教育現場の協働・共同と団結を破壊し、組合を解体し、索漠とした教育環境をもたらしている。
④業績評価は、職階制度の導入とあいまって、教育現場にトップダウンの管理系統をもたらした。教職員を『ものが言えない』ようにさせ、戦後培われてきた民主的な教育現場を破壊した。子どもたちに直接、教育を司る『教員』の創造的な教育活動を破壊した。
⑤業績評価は、賃金にリンクさせられることによって、職場に競争原理をもたらした。
裁判長に心より訴えます。ぜひ、教育現場を今以上に理解していただきたいと思います。ぜひ、業績評価を見直す判決をお願いいたします。
先日、私たちの大先輩である北村小夜先生のお話を聞くことができました『戦争は、教室から始まる。』…戦争をするには、国民の逆らわない心と丈夫な体が必要である。…今はすでに戦争前夜である、というお話でした。
最後に、訴えます。
①『人を抹殺する』という発言が(現任校の管理職の発言)、教育現場で発せられない学校づくりのために
②いろんな人がいて、人間社会をつくっています。一人一人が大切にされ、生かされる学校を
③創造的な、学びがいのある学校を、働きがいのある学校づくりを
④意見や思いが異なっても、みんなが協力し助け合う『団結』を豊かにっくり出していく学校づくりのために
ぜひ、私たちの主張に耳を傾けてください。ぜひ、業績評価を見直す判決をお願いいたします。
判決日決定!業績評価裁判控訴審 傍聴に集まってください
●9月29日(木)午後1時15分
●東京高等裁判所824号法廷
『業績評価裁判を支援する会(岬の会)』
http://misaki2010kai.blog58.fc2.com/
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