◆ <番外・検定結果>「ビザ発給拒否」抗議裁判
皆さま 高嶋伸欣です
今、沖縄にいます。こちらの新聞の本日の紙面で、私も原告の一人として昨日訴状を提出した「ビザ発給拒否」抗議裁判のことが、ベタ記事ですが報道されていました。
共同通信の配信記事と思われますので、全国各地の新聞にも記事が載っているかもしれません。
東京の家族によると「朝日新聞」と「東京新聞」でも簡単に報道されているそうです。
昨日、訴状提出後の記者会見を済ませてすぐに沖縄に移動していますが、小さな記事でも、「共同」の記事には、原告としての私の名前が出ていることと、記者会見で教科書記述に関連させて政府批判をしましたので、少し状況説明をこの場でさせて頂きます。
ことの本筋は、昨年11月27日(金)・28日(土)・29日(日)に東京都内で開催された「戦争法の廃止を求め 侵略と植民地支配の歴史を直視しアジアに平和をつくる集い」に招請した中国での731部隊や毒ガス弾による被害者遺族と世話人12人のビザ発給を日本政府・外務省が拒否して、集会を妨害し多大な損失を与えた事件に対する抗議と損害賠償を求めるというものです。
確かにビザの発給は日本政府・外務省の専決事項で、拒否した場合にはその理由を説明する義務がないとされています。けれども気まぐれ、恣意的に拒否して良いということではありません。
今回の場合、中国からの参加者の中には、これまでに何度もビザの発給を受けて来日した人が何人もいますが、全員一律に拒否されています。個々に犯罪歴などの不都合な事情があるわけでもありません。
そこで、疫学的手法と同様に、考えられる要因を削除していくと、残る理由としては、「戦争法の廃止を求め」という集会名に外務省本省が過剰反応したということしか考えられない、と私たちは判断しました。
ここまで、外務省が安倍政権の顔色を伺う存在になっているのを放置することはできません。日本国憲法は、言論・集会の自由を社会の基本原則として明記しています。公務員は、特定の政権に従うのではなく、憲法の定める民主主義社会の確立に向けて国民に奉仕する者と義務付けられているはずです。このままでは、日本は「美しい国」どころか、ますます「醜い国」に成り下がってしまいます。
そうした批判を国外から受ける前に、国内からの自浄力の存在を示す必要があると私たちは考えました。そこで、上記集会の主宰者「アジアと日本の連帯実行委員会」の呼びかけ人である田中宏氏(一ツ橋大学名誉教授)と藤田高景氏(村山首相談話の会・事務局長)それに私・高嶋の3人が日本側の原告、中国側は3人が原告となって、安倍政権の責任を問う裁判を起こすことにしたものです。
記者会見で、私は最新の教科書記述を記者に示して外務省・政府を批判しました。示した教科書記述は、東京書籍の「中学公民」でこの4月から生徒が使用する最新版(供給本と呼びます)の安保法制成立についての部分です。
中学教科書は、昨年3月に検定を終了して8月までに採択されたのですから、本来であれば昨年9月の安保法制成立の記述は間に合っていないはずです。そうしたタイムラグが生じた場合、執筆者・出版社の判断でその後の新しい事態の加筆を申請(正誤訂正の手続き)できます。基本的には検定終了直後の見本本作成前(見本前訂正)と、採択後の供給本印刷前(供給前訂正)の2回です。
今回の安保法制成立については、各社どうしているのかと思っていましたら、『朝日新聞』が3月6日にその様子を伝える記事を載せました。詳しくは、同記事に譲ります。
ここで注目したのは、東京書籍の場合、中学公民で「法成立の事情に加え『憲法第9条で認められる自衛の範囲をこえているという反対の意見もあります』と明記した」ということでした。検定官もこの加筆を認めたということになります。
そこで私は、この「朝日」の記事と東書の公民教科書のこの記述部分のコピーを並べた資料を作り、概略次のように説明しました。
「これによって、安倍政権下の文科省の検定官たちでさえ、『政府見解に教科書で触れるように』と強要はしても、その一方で安倍政権の重大な政策に異議を唱える声の存在も、事実であれば中学生に学ばせてよいと、認めていると分かる。それは日本国憲法の理念によって保障されているという認識があるからにほかならない。
それに比べて、今回の外務省の政権寄りの判断はあまりにも情けない。中学生からも批判されることだと、外務省は気づくべきだ」と。
私は、この点を法廷でも指摘して、裁判官にも「中学生に笑われない判断を示して欲しい」という意見陳述をするつもりです。
という次第で、皆さん東京書籍の新版「中学公民」教科書・供給本にご注目下さい。同書は全国の教科書取次店で、4月16日から学校関係者以外でも購入できます。1冊768円(?)。
以上の件は今回の高校教科書の検定結果の話題とは距離はあるので<番外編>としました。執筆者は検定などで押されてばかりではないのです。他社も頑張って欲しいところです。
例の如く長くなりましたが文責は高嶋です。 転載・拡散は自由です。
皆さま 高嶋伸欣です
今、沖縄にいます。こちらの新聞の本日の紙面で、私も原告の一人として昨日訴状を提出した「ビザ発給拒否」抗議裁判のことが、ベタ記事ですが報道されていました。
共同通信の配信記事と思われますので、全国各地の新聞にも記事が載っているかもしれません。
東京の家族によると「朝日新聞」と「東京新聞」でも簡単に報道されているそうです。
昨日、訴状提出後の記者会見を済ませてすぐに沖縄に移動していますが、小さな記事でも、「共同」の記事には、原告としての私の名前が出ていることと、記者会見で教科書記述に関連させて政府批判をしましたので、少し状況説明をこの場でさせて頂きます。
ことの本筋は、昨年11月27日(金)・28日(土)・29日(日)に東京都内で開催された「戦争法の廃止を求め 侵略と植民地支配の歴史を直視しアジアに平和をつくる集い」に招請した中国での731部隊や毒ガス弾による被害者遺族と世話人12人のビザ発給を日本政府・外務省が拒否して、集会を妨害し多大な損失を与えた事件に対する抗議と損害賠償を求めるというものです。
確かにビザの発給は日本政府・外務省の専決事項で、拒否した場合にはその理由を説明する義務がないとされています。けれども気まぐれ、恣意的に拒否して良いということではありません。
今回の場合、中国からの参加者の中には、これまでに何度もビザの発給を受けて来日した人が何人もいますが、全員一律に拒否されています。個々に犯罪歴などの不都合な事情があるわけでもありません。
そこで、疫学的手法と同様に、考えられる要因を削除していくと、残る理由としては、「戦争法の廃止を求め」という集会名に外務省本省が過剰反応したということしか考えられない、と私たちは判断しました。
ここまで、外務省が安倍政権の顔色を伺う存在になっているのを放置することはできません。日本国憲法は、言論・集会の自由を社会の基本原則として明記しています。公務員は、特定の政権に従うのではなく、憲法の定める民主主義社会の確立に向けて国民に奉仕する者と義務付けられているはずです。このままでは、日本は「美しい国」どころか、ますます「醜い国」に成り下がってしまいます。
そうした批判を国外から受ける前に、国内からの自浄力の存在を示す必要があると私たちは考えました。そこで、上記集会の主宰者「アジアと日本の連帯実行委員会」の呼びかけ人である田中宏氏(一ツ橋大学名誉教授)と藤田高景氏(村山首相談話の会・事務局長)それに私・高嶋の3人が日本側の原告、中国側は3人が原告となって、安倍政権の責任を問う裁判を起こすことにしたものです。
記者会見で、私は最新の教科書記述を記者に示して外務省・政府を批判しました。示した教科書記述は、東京書籍の「中学公民」でこの4月から生徒が使用する最新版(供給本と呼びます)の安保法制成立についての部分です。
中学教科書は、昨年3月に検定を終了して8月までに採択されたのですから、本来であれば昨年9月の安保法制成立の記述は間に合っていないはずです。そうしたタイムラグが生じた場合、執筆者・出版社の判断でその後の新しい事態の加筆を申請(正誤訂正の手続き)できます。基本的には検定終了直後の見本本作成前(見本前訂正)と、採択後の供給本印刷前(供給前訂正)の2回です。
今回の安保法制成立については、各社どうしているのかと思っていましたら、『朝日新聞』が3月6日にその様子を伝える記事を載せました。詳しくは、同記事に譲ります。
ここで注目したのは、東京書籍の場合、中学公民で「法成立の事情に加え『憲法第9条で認められる自衛の範囲をこえているという反対の意見もあります』と明記した」ということでした。検定官もこの加筆を認めたということになります。
そこで私は、この「朝日」の記事と東書の公民教科書のこの記述部分のコピーを並べた資料を作り、概略次のように説明しました。
「これによって、安倍政権下の文科省の検定官たちでさえ、『政府見解に教科書で触れるように』と強要はしても、その一方で安倍政権の重大な政策に異議を唱える声の存在も、事実であれば中学生に学ばせてよいと、認めていると分かる。それは日本国憲法の理念によって保障されているという認識があるからにほかならない。
それに比べて、今回の外務省の政権寄りの判断はあまりにも情けない。中学生からも批判されることだと、外務省は気づくべきだ」と。
私は、この点を法廷でも指摘して、裁判官にも「中学生に笑われない判断を示して欲しい」という意見陳述をするつもりです。
という次第で、皆さん東京書籍の新版「中学公民」教科書・供給本にご注目下さい。同書は全国の教科書取次店で、4月16日から学校関係者以外でも購入できます。1冊768円(?)。
以上の件は今回の高校教科書の検定結果の話題とは距離はあるので<番外編>としました。執筆者は検定などで押されてばかりではないのです。他社も頑張って欲しいところです。
例の如く長くなりましたが文責は高嶋です。 転載・拡散は自由です。
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