◆ 都教委が五輪口実に"国旗・国歌尊重"強化 (週刊金曜日)
~高嶋伸欣名誉教授「"表彰式等で国旗・国歌使用"教化は五輪の理念に反する」
2020年に開催の東京オリンピック・パラリンピックに向け、「国旗・国歌」の「尊重」を強化する動きが出ている。
東京都教育委員会は「『東京都オリンピック・パラリンピック教育』実施方針」を1月14日に策定、全都の公立小中高・特別支援学校等に、この4月から年間35時間程度の五輪教育実施を義務化する。
「実施方針」は、「重点的に育成すべき資質」の一つに、「日本人としての自覚と誇りを持てるような教育」と記載。都教委設置の「東京のオリンピック・パラリンピック教育を考える有識者会議」の「最終提言」(15年12月)を踏まえたものだが、そこで触れていない「国旗「・国歌」の「尊重」も「実施方針」は盛り込んだ。
都教委作成の中学校版『オリンピック・パラリンピック学習読本』は、五輪の表彰式で「国旗が掲揚され」「国歌が演奏されるときには、敬意を表し、起立して脱帽」と明記。
高鴫伸欣琉球大学名誉教授は
この前段をJOC事務局に取材すると、同じ見解だった。
また高校版同『学習読本』は、「『国の象徴である国旗と県や市など団体の旗とは格が異なるため併揚せず、どうしても併揚が必要な場合は、国旗は団体旗より大きく、高い位置で掲揚する』などのルールがあります」と旗の「格」の違いを教える。
この『学習読本』は、都教委が映像教材・教師用指導書と合わせ1億6285万円強(15年度決算額)かけて作成。3月末までに全公立学校宛てに、児童生徒約95万人分を発送する。
多摩地区のある公立学校教諭は「教育委員会が『計画的』指導名目に、学年ごとの『五輪教育検討カレンダー』作成を指示し、3・4月の欄に『国歌指導』と書いたサンプルを示してきた。多忙さが増すだけ」と語る。
都教委定例会傍聴者たちからは、「日本人」の強調は“人種差別反対”を掲げる五輪の精神に反するとの批判も出ている。
~高嶋伸欣名誉教授「"表彰式等で国旗・国歌使用"教化は五輪の理念に反する」
永野厚男・教育ジャーナリスト
2020年に開催の東京オリンピック・パラリンピックに向け、「国旗・国歌」の「尊重」を強化する動きが出ている。
東京都教育委員会は「『東京都オリンピック・パラリンピック教育』実施方針」を1月14日に策定、全都の公立小中高・特別支援学校等に、この4月から年間35時間程度の五輪教育実施を義務化する。
「実施方針」は、「重点的に育成すべき資質」の一つに、「日本人としての自覚と誇りを持てるような教育」と記載。都教委設置の「東京のオリンピック・パラリンピック教育を考える有識者会議」の「最終提言」(15年12月)を踏まえたものだが、そこで触れていない「国旗「・国歌」の「尊重」も「実施方針」は盛り込んだ。
都教委作成の中学校版『オリンピック・パラリンピック学習読本』は、五輪の表彰式で「国旗が掲揚され」「国歌が演奏されるときには、敬意を表し、起立して脱帽」と明記。
高鴫伸欣琉球大学名誉教授は
「IOC(国際オリンピック委貝会)総会は1980年、表彰式に国旗・国歌を用いるのは五輪の理念に反するとし、『選手団の旗と歌(曲)を用いる』と、憲章を改正した。と批判する。
国旗・国歌を使うように教えろと教育行政が現場に強制するのは、旭川学テ事件最高裁判決(76年5月)に抵触し、憲法13条・26条に違反する」
この前段をJOC事務局に取材すると、同じ見解だった。
また高校版同『学習読本』は、「『国の象徴である国旗と県や市など団体の旗とは格が異なるため併揚せず、どうしても併揚が必要な場合は、国旗は団体旗より大きく、高い位置で掲揚する』などのルールがあります」と旗の「格」の違いを教える。
この『学習読本』は、都教委が映像教材・教師用指導書と合わせ1億6285万円強(15年度決算額)かけて作成。3月末までに全公立学校宛てに、児童生徒約95万人分を発送する。
多摩地区のある公立学校教諭は「教育委員会が『計画的』指導名目に、学年ごとの『五輪教育検討カレンダー』作成を指示し、3・4月の欄に『国歌指導』と書いたサンプルを示してきた。多忙さが増すだけ」と語る。
都教委定例会傍聴者たちからは、「日本人」の強調は“人種差別反対”を掲げる五輪の精神に反するとの批判も出ている。
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