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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

《立川テント村通信》オスプレイ全機停止! 短期連載第2回

2024年03月15日 | 平和憲法

 ☆ 佐賀での反対運動

 世界中のオスプレイが飛行を停止してから二ヶ月以上が経っているが、ここで動きが出てきた。事故原因になったと思われる部品が特定できたという記事だ。
 しかし、これでオスプレイの安全性が確保できるというわけでもないだろう。これまでオスプレイという軍用機が環境にどんな影響を与えてきたのか。どう佐賀での反対運動が継続されているか。それをこの二回目でお伝えしてこの短期連載は終わりたい。

 ☆ 飛行再開議論開始 情報リークの狙いは?

 「オスプレイ墜落につながった機器の故障を特定か、米軍が運用再開を検討 AP通信転道」という記事が南日本新聞に二月八日に流された。
 さらに続いて二月二二日に同新聞は「米空軍特殊作戦司令部は二十日、事故の際に発生した機器の故障を特定したと発表した。故障の原因は訓査中とし、詳細は明らかにしていない。米NBCニュースは複数の軍関係者の話として数週間以内にオスプレイが飛行を再開する可能性があると伝えた。」という記事を掲載した。
 NBCニュースでは故障した機器についてギアボックスを検証中と伝えている。このギアポックスに金属片が混入するトラブルはこれまで七回も起きている。墜洛などの事故には至っていないが、自衛隊オスプレイでも二〇二三年八月、ギアポックス内に金属片が発生して警告灯がつき、静岡県の航空自衛隊静浜基地に緊急着陸したことがある。
 今は原因解明のため工学的な実証実験を繰り返しているそうで、飛行再開を検討できるような段階では本来はない。
 だが、こうも考えられる。オスプレイのような特殊な飛行機は操縦の仕方を習得するのに訓練の時聞がかかる。しかも一度その操縦のための技術を会得しても、それを維持するために日常的な訓練が必要だ。シミュレーターの訓練では決定的に不足するだろう。実機を飛ばせない停止期間は長期化していてそろそろ限界に近づいている。長い時間飛ばすことができなければ、新米パイロットを養成するのと同じくらい飛行再開の準備時間がかかってしまうだろう。
 だからここで飛行再開へ向けた議諭が始まったという情報を流し、米国世論の反応を見ているのではないか。
 米国世論と書いたが、日本の世論ではオスプレイ問題への関心は薄い。米国では八名の犠牲者を出した屋久島沖堅落事故への批判が強い。それ示少しは沈静化しているか、その風向きを見るための試験気球としての情情報りークではないのか。
 すでにクラッチについてはハードクラッチエンゲージメント(HCE)という問題があることがわかっているが、事故調査委員会の結論では八百時間おきに主要部品を交換すれば、この現象発生のリスクを大きく減らせるということだった。
 屋久島沖事故がHCEが原因かどうかは不明だが、構造的欠陥がさらにある可能性もある。今後の飛行再開をめぐる動きには注意しでいきたい。

 ☆ 佐賀での反対運動

 オスプレイは独特の低周波騒音を出すことがすでにわかっている。
 今回の飛行停止で普天間基地周辺の騒音について琉球放送では一月二十四日記事で、「海兵隊のオスプレイが配備されている普天間基地周辺では、オスプレイが飛行を停止する前の一週間の騒音発生件数が二〇八一回だったのに対し、飛行停止後は七〇三回少ない一三七八回とおよそ三四%減少したということです。」となっている。
 またオスプレイは昨年二月、三月、四月に立川飛行場で離発着訓練を行っているが、その日は高い騒音レベルが立川市の飛行記録に残っている。やはり通常飛んでいるヘリコプターに比べると大きな騒音を出す軍用機だとわかる。
 こうした騒音公害も問題になっているオスプレイだが、木更津に配備された自衛隊のオスプレイはあくまで暫定配備だ。
 最終的には佐賀空港西側に三四・一㎞の陸自駐屯地を整備し、そこに配備する計画だ。そこには目達原(めたばる)駐屯地のヘリ部隊も移駐することになっている。
 しかし、この動きに対して二〇一五年には「オスプレイ反対住民の会」が佐賀市で結成され、反対運動が現在まで続いている。

 有明漁協も当初は漁業への影響を考え難色を示していた。しかし防衛省側は様々な切り崩しや運動分断のための工作を行い、二〇二三年二月に至って佐賀市長は「やむを得ない」と駐屯地工事を容認。有明漁協執行部も用地売却に賛成したと漁協委員長が述べ、五月になり正式に漁協は工事を承認した。地権者の八割近くがこの工事を承認するという状態になった。
 九州防衛局は六月に駐屯地の着工を行い、二〇二五年六月までの完成を目指すとした。
 しかし八月に、反対する漁業者四人が工事差し止めを求めて仮処分を申請する。
 十月にはこの仮処分裁判の第一回審尋が行われる。そして一一月に屋久島沖の墜落事故が起きた。
 裁判は三月には仮処分決定が出される予定だが、住民の会では漁業者以外を原告とする第二次訴訟の準備を進めていることを二〇二四年一月末には明らかにしている。

 またもう一つ佐賀県環境アセスメント条例の適用を住民の会では求めている。県の条例では三五㎞以上の面積の用地造成事業は着工前に環境アセスを実施しなければならないととになっている。駐屯地に隣接して七㎞もある雨水一時貯留池も建設する計画なのだが、ここは駐屯地ではないからアセス対象にならないというのが防衛省の主張だ。駐屯地の排水対策施設であることは明らかなのだが、防衛省は別施設乏言い張っている。アセス実施になれば工事はしばらくできないのを避けるためにごまかしているのだ。
 住民の会では引き続きアセス対象にするよう様々な働きかけを行っていく予定だ。こうした様々な地域の取り組みと連帯しながら欠陥軍用機オスプレイを葬るまで反対の声を上げ続けていこう

『立川テント村通信 523号』(2024年3月1日)

 


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