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パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

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都立高授業料、国の基準額上回る条例可決

2008年04月02日 | 暴走する都教委
 ● 都立高授業料、国の基準額上回る条例可決
永野厚男(教育ライター)

 2008年3月17日の都議会文教委員会で、都教育委員会が「口は出すけど、カネは受益者負担で」という姿勢を鮮明にした。

 都教委は「国に先駆けてこれからの教育を明らかにする」として2006年に策定した『東京都教育ビジョン』の、「教育基本法改正」を受けた「第2次版の中間まとめ」を提示。この中で、「自己の権利は主張しても、責任の自覚や志が欠けているといった指摘がある」 として「規範意識や公共心の育成」を強調。更に「虐待や放任など、適切なしつけを行うことができない一部の親に対して」と限定しつつも、「子供を健やかに育てることが自らの責務であると自覚させる必要がある」と、見下した記述をしている。

 野党議員が「検討段階で有識者や教育関係団体の意見を聞いたと言うが、すべて匿名だ」と追及したが、岩佐哲男・都教委指導部長は「経済同友会や民間企業、PTA連合会」を挙げるに留まり、御用団体からしか聴取していないことが露呈。

 一方、小学校の15学級校、16学級校の専科教諭(音楽・図工等)の定数は07年度は3人だが、都教委は08年度2人に減じる、と決定してしまっている。これについては野党だけでなく、自民党議員も「担任教諭の負担増への懸念」を表明する中、松田芳和・都教委人事部長は、「25%の小学校は専科教諭が減っても非常勤教員さえ付けられない」という、大いなる条件整備の後退を明言した。

 ところで都立高校の授業料はここ10年、数年ごとに引き上がる国の地方交付税算定基準額と同額に、都教委は1年遅れで値上げしているが、都教委は今年4月から初めて地方交付税算定基準額を3600円も上回る、年額12万2400円に値上げする条例案を提出(理由は他県より大幅に遅れている普通教室への冷房設置に伴う光熱水費、リース代の受益者負担)。

 値上げ反対の高校生たちが大勢傍聴する中(【注】参照)、中村正彦・都教育長(62歳)は「授業料減免制度がある。減免を受けられない生徒は奨学金の活用を」と、冷酷に答弁。値上げ条例案は3月19日の文教委員会で賛成多数で可決し、3月28日の本会議で成立の見込みだ。

【注】若い世代の目が気になるのか、五十路(いそじ)直前の都教委人事部の白川敦・人事計画課長や江藤巧・職員課長は、何回も首を左に傾け、傍聴席を見詰めていた。


 『週刊金曜日』(2008/3/28号 №696)

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