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★ オーストラリア政府の公式謝罪:先住民に対する過去の恥ずべき政策
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今号のニュースリリースにも取り上げられていますが、オーストラリアのケビン・ラッド首相は、2008年2月13日、先住民族の「盗まれた世代」の人びととその家族に公式に謝罪をしました。
19世紀末から1970年代にかけ、オーストラリアでは白人との混血のアボリジニの子どもたちを母親から無理矢理に引き離なし、収容所、孤児院、里親のもとへ送るという政策がとられていました。その結果、10万人もの子どもたちが隔離されたのです。これらの先住民の人びとを「盗まれた世代」と呼んでいます。オーストラリアの人権・機会均等委員会(HREOC)の調査では、この時期、アボリジニとトレス海峡島民の子どもたちの10分の1から10分の3が強制的に家族から引き離され、その子どもたちの多くは、性的、身体的、精神的な虐待を受けたといいます。
今回、オーストラリアが取ったこの勇気ある決断によって、今も人びとを苦しませている悲惨な歴史に終止符を打ち、新たな解決へのスタート地点に立つことになるでしょう。「この謝罪によって、先住民と非先住民がお互いへの尊敬をはぐくみ、意義ある関係を築いていくことだろう」と、アムネスティ・オーストラリア支部は語っています。
2007年10月4日、国連総会における「先住民族の権利に関する国連宣言」が採択されました。その時、アムネスティなど人権NGO7団体はすべての国に対して、宣言採択によってもたらされた歴史的機会をとらえ、そして人権を守るためというはっきりとした約束に基づいて先住民族と新たな関係に入ることを要請しました。先住民族に対する人権侵害は、オーストラリアだけではく世界中で蔓延する問題です。他の国々にも、そして日本に、この宣言を実行に移すことが早急に求められています。
※ 先住民族の権利に関する国連宣言採択:国際NGO合同声明(10月4日)
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=374
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社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
URL : http://www.amnesty.or.jp
email : stoptorture@amnesty.or.jp
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★ オーストラリア:先住民族に対する虐待を謝罪
13日、オーストラリアのケビン・ラッド首相は、「盗まれた世代(Stolen Generation)」に属する先住民族の人びととその家族に対して、議会で公式に謝罪した。この謝罪演説は、オーストラリアの歴史上重大な事件であり、テレビで全国生中継された。
アムネスティ・インターナショナルの発言として、担当者は、オーストラリア政府が公的謝罪を最優先課題としたことにアムネスティは大いに励まされた、と述べた。
「今回の政府の意思表示が、アボリジニの子どもたちに対する恐るべき取り扱いがもたらした痛ましい過去に象徴的な終止符を打ち、オーストラリアの先住民族が日々直面している深刻な人権侵害に立ち向かう第一歩となることを期待する」と、アムネスティ・オーストラリア支部のキャンペーン・コーディネーター、ロドニー・ディロンは述べた。
「この謝罪は、オーストラリアの先住民族と非先住民の人びととの間に相互尊重を育み、実りある関係の構築を促すものであり、また和解のために不可欠なものである」。
「アムネスティは、オーストラリア政府に対して、報告書『子どもたちを家族のもとへ(Bringing Them Home)』の勧告を直ちに履行するよう要請する。さらに原状回復、リハビリテーション、再発防止への保証、金銭賠償などの措置を取ることが重要である」。
1997年の報告書「子どもたちを家族のもとへ」は、先住民族の子どもたちを家族から引き離した隔離政策についての調査結果をまとめたものである。人権および機会均等委員会(HREOC)は、この報告書において54項目にわたる勧告を提起した。報告書によれば、1910年から1970年にかけて、アボリジニおよびトレス諸島民の子どもたちのうち10~30パーセントが、強制的に親から引き離された。引き離された子どもたちの多くは、性的、肉体的、精神的虐待を受けていた。
報告書の勧告は国際法に基づくものであり、国際法では、人権侵害の被害者は「実効的な救済」を受ける権利を持つと規定している。
今週、アムネスティの職員や活動家たちは、すべてのオーストラリア先住民族の人びとに連帯し、オーストラリア各地で開かれた記念式典に参加した。
2008年2月13日
※アムネスティ・インタナショナル「最新ニュース」2008/2/21
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=441
★ オーストラリア政府の公式謝罪:先住民に対する過去の恥ずべき政策
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今号のニュースリリースにも取り上げられていますが、オーストラリアのケビン・ラッド首相は、2008年2月13日、先住民族の「盗まれた世代」の人びととその家族に公式に謝罪をしました。
19世紀末から1970年代にかけ、オーストラリアでは白人との混血のアボリジニの子どもたちを母親から無理矢理に引き離なし、収容所、孤児院、里親のもとへ送るという政策がとられていました。その結果、10万人もの子どもたちが隔離されたのです。これらの先住民の人びとを「盗まれた世代」と呼んでいます。オーストラリアの人権・機会均等委員会(HREOC)の調査では、この時期、アボリジニとトレス海峡島民の子どもたちの10分の1から10分の3が強制的に家族から引き離され、その子どもたちの多くは、性的、身体的、精神的な虐待を受けたといいます。
今回、オーストラリアが取ったこの勇気ある決断によって、今も人びとを苦しませている悲惨な歴史に終止符を打ち、新たな解決へのスタート地点に立つことになるでしょう。「この謝罪によって、先住民と非先住民がお互いへの尊敬をはぐくみ、意義ある関係を築いていくことだろう」と、アムネスティ・オーストラリア支部は語っています。
2007年10月4日、国連総会における「先住民族の権利に関する国連宣言」が採択されました。その時、アムネスティなど人権NGO7団体はすべての国に対して、宣言採択によってもたらされた歴史的機会をとらえ、そして人権を守るためというはっきりとした約束に基づいて先住民族と新たな関係に入ることを要請しました。先住民族に対する人権侵害は、オーストラリアだけではく世界中で蔓延する問題です。他の国々にも、そして日本に、この宣言を実行に移すことが早急に求められています。
※ 先住民族の権利に関する国連宣言採択:国際NGO合同声明(10月4日)
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=374
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社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
URL : http://www.amnesty.or.jp
email : stoptorture@amnesty.or.jp
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★ オーストラリア:先住民族に対する虐待を謝罪
投稿日時: 2008-2-21 19:43:59
13日、オーストラリアのケビン・ラッド首相は、「盗まれた世代(Stolen Generation)」に属する先住民族の人びととその家族に対して、議会で公式に謝罪した。この謝罪演説は、オーストラリアの歴史上重大な事件であり、テレビで全国生中継された。
アムネスティ・インターナショナルの発言として、担当者は、オーストラリア政府が公的謝罪を最優先課題としたことにアムネスティは大いに励まされた、と述べた。
「今回の政府の意思表示が、アボリジニの子どもたちに対する恐るべき取り扱いがもたらした痛ましい過去に象徴的な終止符を打ち、オーストラリアの先住民族が日々直面している深刻な人権侵害に立ち向かう第一歩となることを期待する」と、アムネスティ・オーストラリア支部のキャンペーン・コーディネーター、ロドニー・ディロンは述べた。
「この謝罪は、オーストラリアの先住民族と非先住民の人びととの間に相互尊重を育み、実りある関係の構築を促すものであり、また和解のために不可欠なものである」。
「アムネスティは、オーストラリア政府に対して、報告書『子どもたちを家族のもとへ(Bringing Them Home)』の勧告を直ちに履行するよう要請する。さらに原状回復、リハビリテーション、再発防止への保証、金銭賠償などの措置を取ることが重要である」。
1997年の報告書「子どもたちを家族のもとへ」は、先住民族の子どもたちを家族から引き離した隔離政策についての調査結果をまとめたものである。人権および機会均等委員会(HREOC)は、この報告書において54項目にわたる勧告を提起した。報告書によれば、1910年から1970年にかけて、アボリジニおよびトレス諸島民の子どもたちのうち10~30パーセントが、強制的に親から引き離された。引き離された子どもたちの多くは、性的、肉体的、精神的虐待を受けていた。
報告書の勧告は国際法に基づくものであり、国際法では、人権侵害の被害者は「実効的な救済」を受ける権利を持つと規定している。
今週、アムネスティの職員や活動家たちは、すべてのオーストラリア先住民族の人びとに連帯し、オーストラリア各地で開かれた記念式典に参加した。
2008年2月13日
※アムネスティ・インタナショナル「最新ニュース」2008/2/21
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=441
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