実教出版『高校日本史A』『高校日本史B』
1.事実経過
1)東京都教育委員会などの動き
①高等学校教科書は、これまで高校現場の教師が採択希望をだし、教育委員会がそれをそのまま採択してきた。
②東京都教育委員会は6月27日の定例会で、私たちの執筆する教科書を「使用することは適切でない」と議決した。その後、大阪府教育委員会や神奈川県教育委員会などでも同様の動きが生じている。
③その理由は、国旗・国歌法の運用に関して「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と欄外注で記述していることが、それぞれの教育委員会の考え方と異なるためであるという。
2)本教科書の記述内容の確認
①実教出版『高校日本史A』は2011年度の教科書検定に提出したものである。
その内容は本文で「国旗・国歌法」を記述した補足説明として欄外注で
②さらに検定経過を補足すると、当初の検定申請本では「国会審議で明らかにした」以下は「しかし、現実にはそうなっていない」という記述であった。
それに対して、文部科学省から「説明不足で誤解するおそれのある表現である」という検定意見が付されて修正の指示がだされた。以後、数度の折衝の上「しかし、一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と文部科学省の意向も受け修正したものである。
③実教出版『高校日本史B』は、2012年度の検定に前年の『高校日本史A』と同様の記述で提出したもので、文部科学省から修正の指示はなく、合格したものである。
④したがって、この記述に関しては文部科学省もその事実を認定している。
3)今年の採択をめぐる動き
2014年度用教科書採択では、当初私たちが想定した新課程教科書での採択数を大きく下回る結果となった。東京都教育委員会などの措置が影響したとすれば、きわめて遺憾である。
ただし、新課程教科書と旧課程教科書を総合すると大幅な減少とまではいえず、教育現場の先生方の適切な対応があったことに感謝したい。
2.教科書執筆にあたっての私たちの基本姿勢
①私たちは高校日本史教科書の執筆にあたって、厳密に歴史研究の成果にもとづき、歴史的事実をもとに、学校現場での主要な教材である教科書の重要性を認識して記述してきた。
②さらに、高校の教育現場で教師が教えやすく、生徒が歴史的事実をもとに理解しやすいよう記述してきた。
③私たちは、この教科書を学ぶことによって、高校生が歴史を主体的に思考し、主権者として成長できることを願って記述してきた。
④私たちは、高校の現場教師の要望を受けて、教科書記述を工夫し、その改善に努力してきた。
3.私たちの見解
①私たちは、この教科書で国旗・国歌法に関する事実を記述しているが、東京都教育委員会などは、この記述内容を自らの考え方と異なるものとして受け取っている。
②文部科学省の検定に合格した高校教科書に対して、学校現場の意向を尊重してきた教科書採択のあり方を踏まえずに、教育委員会が私たちの教科書を使用することは適切でないと決めたことは前例のないことであり、子どもの学ぶ権利や教師の教える権利を侵害することになる。
③東京都教育委員会などの措置によって、この教科書が高校生のもとに届かなくなってしまうことは、私たちとしては耐えがたいことである。
④私たちは、今回の事態は大変遺憾なことであり、決して容認することはできない。
◎ 執筆者の見解
1.事実経過
1)東京都教育委員会などの動き
①高等学校教科書は、これまで高校現場の教師が採択希望をだし、教育委員会がそれをそのまま採択してきた。
②東京都教育委員会は6月27日の定例会で、私たちの執筆する教科書を「使用することは適切でない」と議決した。その後、大阪府教育委員会や神奈川県教育委員会などでも同様の動きが生じている。
③その理由は、国旗・国歌法の運用に関して「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と欄外注で記述していることが、それぞれの教育委員会の考え方と異なるためであるという。
2)本教科書の記述内容の確認
①実教出版『高校日本史A』は2011年度の教科書検定に提出したものである。
その内容は本文で「国旗・国歌法」を記述した補足説明として欄外注で
「国旗・国歌法をめぐっては、日の丸・君が代がアジアに対する侵略戦争ではたした役割とともに、思想・良心の自由、とりわけ内心の自由をどう保障するかが議論となった。政府は、この法律によって国民に国旗掲揚、国歌斉唱などを強制するものではないことを国会審議で明らかにした。しかし、一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述し、2012年に文部科学省の検定に合格したものである。
②さらに検定経過を補足すると、当初の検定申請本では「国会審議で明らかにした」以下は「しかし、現実にはそうなっていない」という記述であった。
それに対して、文部科学省から「説明不足で誤解するおそれのある表現である」という検定意見が付されて修正の指示がだされた。以後、数度の折衝の上「しかし、一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と文部科学省の意向も受け修正したものである。
③実教出版『高校日本史B』は、2012年度の検定に前年の『高校日本史A』と同様の記述で提出したもので、文部科学省から修正の指示はなく、合格したものである。
④したがって、この記述に関しては文部科学省もその事実を認定している。
3)今年の採択をめぐる動き
2014年度用教科書採択では、当初私たちが想定した新課程教科書での採択数を大きく下回る結果となった。東京都教育委員会などの措置が影響したとすれば、きわめて遺憾である。
ただし、新課程教科書と旧課程教科書を総合すると大幅な減少とまではいえず、教育現場の先生方の適切な対応があったことに感謝したい。
2.教科書執筆にあたっての私たちの基本姿勢
①私たちは高校日本史教科書の執筆にあたって、厳密に歴史研究の成果にもとづき、歴史的事実をもとに、学校現場での主要な教材である教科書の重要性を認識して記述してきた。
②さらに、高校の教育現場で教師が教えやすく、生徒が歴史的事実をもとに理解しやすいよう記述してきた。
③私たちは、この教科書を学ぶことによって、高校生が歴史を主体的に思考し、主権者として成長できることを願って記述してきた。
④私たちは、高校の現場教師の要望を受けて、教科書記述を工夫し、その改善に努力してきた。
3.私たちの見解
①私たちは、この教科書で国旗・国歌法に関する事実を記述しているが、東京都教育委員会などは、この記述内容を自らの考え方と異なるものとして受け取っている。
②文部科学省の検定に合格した高校教科書に対して、学校現場の意向を尊重してきた教科書採択のあり方を踏まえずに、教育委員会が私たちの教科書を使用することは適切でないと決めたことは前例のないことであり、子どもの学ぶ権利や教師の教える権利を侵害することになる。
③東京都教育委員会などの措置によって、この教科書が高校生のもとに届かなくなってしまうことは、私たちとしては耐えがたいことである。
④私たちは、今回の事態は大変遺憾なことであり、決して容認することはできない。
2013年9月18日 実教出版『高校日本史A』『高校日本史B』執筆者一同
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます