街の自然の不自然さ

2006-07-26 | Weblog
毎日、街中を走り回る仕事をしてるとね、
いろんな事が見えて、いろんな事を考えます。

何十年という歴史ある建物が、半日で跡形もなく取り壊される。

毎年、柿が生って季節を感じさせてくれた年老いた木。
今日、何週間かぶりに配達に通ったら、
味のあるお屋敷ごと、すっかり無くなってた。
まっ平になったその土地にはきっと、
つまらないマンションが建つでしょう。

土地のある広い屋敷が無くなるということは、
自然が一杯の敷地に住む生き物たちの死も意味します。
気持ちの良い風の通り過ぎる木陰もすっかりなくなり、
すべてが炎天下に晒されてる。

日陰で寝ていた野良猫たちは
どこか新しい場所を見つけられたか心配。

雨が降ると踏まないようにビクビク歩いた
カエル達にももう会えない。

古い瓦屋根からコロコロと落ちてくる梅の実にも、もう驚けない。

少しずつ、確実に自然は失われ、
アスファルトの間に気持ち覗かせた土に、
不自然に整った木が等間隔に植えられていく。
そこには「自然」を感じる事が出来ないんだよなぁ。

なんだかとても寂しい気持ちになります。


19歳で初めて親元を離れ、宮崎からやってきた職場の職員君。
まあ稀に見る素朴さと、笑顔と、白い歯を持ち合わせた人。
特殊な職場環境に悪戦苦闘し、頑張っています。
そんな彼、突然海が見たくなり湘南へ初めて行きました。
ただ、海沿いをひたすら歩いて帰ってきたんですって。

写真はそんな彼がお土産に買ってきてくれた「鳩三郎」。
ちっちゃくて可愛いです。