奈良旅記 6 (浄瑠璃寺奥之院へ)

2012-06-03 | 奈良旅記


奈良旅記、再開です。

前回の東明寺の後、
近くの矢田坐久志玉比古神社(やたにいます・くしたまひこ・じんじゃ)に寄りました。
ここは神門にプロペラが飾られている珍しい神社でしたが、何故か写真を撮るのを忘れました。。
「饒速日神が天磐船に乗って大空を飛翔した」という故事により、
プロペラが奉納され、「航空祖神」として信仰されているのだそうです。




夕方になりましたので、宿のある新大宮に向かいます。
チェックインして初日の疲れを癒します。
貧乏旅行の為、食事はコンビニで買ってきました。


毎度の事なのですが、興奮していてほとんど眠れず。
翌朝6時に起きて、今回は自分で運転して浄瑠璃寺を目指します。

途中、有料道路の料金所で「ETC専用入口」に突入し、
「わーー!」と後を見たら、既に数台の車が並んでいるという最悪の事態に。
「すいやせん、すいやせん」と、係のおじさんが開けてくれるのを待ちました。。

朝の里山の風景を眺めながら、当尾の道を上ります。
浄瑠璃寺の参道入口にある優良駐車場に着いたのは7:30。
浄瑠璃寺が開くのは9時ですので、当然車は一台も停まってませんし、
人も誰一人居ません。

何故、そんな早い時間に来たのか。
前回見忘れて悔しい思いをした「浄瑠璃寺奥之院」に行く為です。

車を降り、参道には向かわず、府道を下ります。
しばらく歩くと「ながおのあみだ」さんがいらっしゃいます。
その先、山に向かう脇道が奥之院への入口です。

お猿の群れとの睨み合いを続けながら、山道を歩きます。
時間は片道15分位のものですが、結構な山道ですので、
あまり軽い感じでは入って行かない方が良いです。




本当に山の中ですので、男でもちょっと怖かったです。。
いろんな鳴き声が聞こえてきます。

道程がどんな感じかは、動画を観て下さいませ。

歩いて歩いて、川の音が大きくなり、
最後に丸太で作られた橋を渡れば「浄瑠璃寺奥之院」に到着です。




深い緑の中、水が流れ落ちる岩崖に立つ不動明王像。
両脇に、矜羯羅童子(こんがらどうじ)と制多迦童子(せいたかどうじ)。
美しい。。。






この丸彫りの3体は、それほど古いものではなく、
本来の奥之院の主役は、お不動さんの後ろにある岩にいらっしゃいます。

浄瑠璃寺奥之院 不動明王磨崖仏(府登録要文化財、鎌倉時代後期 永仁四年 1296年)
岩に彫られた力強い不動明王像ですが、数十年前に大水で岩が剥がれ落ち、
現在は、下半身の描かれた岩の前に、上半身の岩が寄りかかるような状態になっています。

下からではただの岩にしか見えませんが、
脇の崖を泥だらけになって登り、近くに行くと確認する事が出来ました。
以前、この付近の石仏巡りをした際、岩船寺近くの山中で見た不動明王磨崖仏と
似たお顔でした。




下りる事を考えずに登った崖からズリズリと滑り落ち、
お不動さんにお別れの挨拶。

来る時にずっと下り坂だったのですから、帰りは当然ずーっと上り坂です。
きつかった。。口も利けないくらいに。ほんと運動はしとかないといけません。
杖代わりに拾った木が、とても役に立ちました。



もう、尽き果てた感じで駐車場に戻ると、おばさんが一人、
駐車場の小屋を掃除していました。

「裏の奥之院に行ってきました。」と話すと、
「それはそれはご苦労様でした」と、お茶を一杯いただきました。
ありがたい。

車の中でぐったりと休憩し、浄瑠璃寺が開くのを待ちます。
浄瑠璃寺では、今回の旅最大のイベントが待っているのです。






地図(東明寺~宿~浄瑠璃寺)
※PC以外では正しく表示されないみたいです。