ゴールデンウィークの日曜日。天気は晴れ。
こんな日に上野に出かけるなんて、僕自身驚きの行動です。
一番の目的は重要文化財「板絵著色弁財天梵天帝釈天四天王像」。
東京藝術大学大学美術館・地下2階で開催されている
「芸大コレクション展―春の名品選―」内での展示です。
3年にわたる修復作業を終えての初公開です。
京都南部の山の中にあり、
昨年念願かなって秘仏・吉祥天さまにもお会いできました憧れのお寺。
その吉祥天さまが入っていらっしゃいます厨子の内部は
吉祥天さんに負けない位、それはそれは美しい絵が描かれています。
ところがこの厨子絵、現在浄瑠璃寺で見る事が出来るのは「模写」なのです。
オリジナルは明治初期に寺外に流出し、その後明治22年に国が買取り
現・東京藝術大学の所蔵となったのです。
文化庁と大学の取り決めで、このオリジナルは門外不出だそうで、
現在、奈良国立博物館で開催されている「御遠忌800年記念特別展 解脱上人貞慶」に於いて
ぜひ吉祥天さんと同時に展示を!という夢も叶いませんでした。
門外不出に決まったはずの吉祥天さんは短期間ご出張されます。
ゆかりの貞慶上人の一大イベントですものね。
オリジナルの厨子絵に長い事会えずにいる吉祥天さんを思うとね。。。
なんとも残念なお話ですが、浄瑠璃寺のあの美しい本堂内で両方を見る事は
もう不可能なのではないでしょうか。
ですので!オリジナルは何がなんでも目に焼き付けておきたかったのです。
何よりも人混みが嫌いな僕を動かすほどに。
トーハクから少し離れた東京藝術大学美術館、
ゆっくりと見る事が出来ました。
「芸大コレクション展―春の名品選―」の会期は6月24日までですが、
目玉の背面板の大きな「弁財天と四神」、「梵天像」、「帝釈天像」のオリジナルは
5月13日までの展示だそうですので、行かれる方はお気をつけください。
「芸大コレクション展―春の名品選―」
浄瑠璃寺関連で書きすぎてしまったので他は簡単に。
「平成24年 新指定 国宝・重要文化財」
新たに国宝、重要文化財に指定された48件のうち、
44件(写真パネル展示2件含む)が展示されていて見応えありました。
重要文化財 木造天王立像 平安時代・10世紀 文化庁蔵
重要文化財 木造弥勒仏坐像 平安時代・10~11世紀 奈良・弥勒寺蔵
重要文化財 木造十二神将立像 鎌倉時代・12世紀 神奈川・曹源寺蔵
重要文化財 木造深沙大将立像 鎌倉時代・12~13世紀 和歌山・金剛峯寺蔵
等々、仏像以外にも魅力的なものがたくさんでした。
みんなトーハク平成館の「ボストン美術館展」に夢中ですので、
本館のこの「国宝・重要文化財~」の方は、のんびりでしたよ。
研究熱心な小学生が、撮ってはいけないものまで写真に撮りまくり、
係りのおばさんに追いかけ回されてました。
「平成24年 新指定 国宝・重要文化財」
「研究報告発表展」
前後しましたが、東京藝術大学大学美術館・陳列館1階にて。
小規模ながら、仏像の修復や制作過程の分かる面白い展示会でした。
室生寺の地蔵菩薩や不動明王なども手掛けておられる研究チームです。
実物はもう奈良にお帰りになっちゃってますが。
「研究報告発表展」
3つの展示を見終えて上野公園に出てきた頃(11時頃)には、
まぁ、人、人、人で大変。
動物園を目指す親子連れで賑やかでした。
足早に人混みを通り抜け、
有名な上野大仏と清水観音堂に久しぶりにお参りして、一服して帰りました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます