『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

第141回 音楽家講座in鶴見~甲野善紀先生を迎えて~ 1月28日(火)

2025-01-30 00:37:01 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
いつもよりは、やや少なめの人数でしたが、やはり先生の予言の通りの、濃いひとときとなりました。

20年間やってきた音楽家講座の歴史の中でも、特別な回となったと思います。

いつもは、参加された方のため、またこれから参加しようかと考えてくださっている方のため、何より自分自身の覚書のために、かなり詳細なレポートを書くのですが、今回のことは、私の手による文章になってしまうと、その本質が伝わらなくなってしまう可能性も高いと感じているので、申し訳ありませんが先生のお話は、無記載といたします。

それにこのお話は書いておかないと忘れてしまう、といった類のものではなく、一生忘れられない体験となったので、自身のための覚書を書いておく必要もない。

手の甲を使った先生の技の利きも冴え冴えとした不思議なものでしたが、この進展も先生の心の変化からもたらされたもののようでした。

20年前、少しでもマシな演奏が出来る様になりたい、とお願いした音楽家講座でしたが、フルートの取り扱いの技法だけでなく、楽器を取り扱う奏者自身の心に働きかけることこそが、本質的な飛躍をもたらすということを教えていただいた心地です。

響いているのは楽器だけでなく、奏者の身体も。
身体も楽器の一部です、と常日頃言っているのに、その楽器でもある身体に付随している心に関しては、今あるものでやっていくしかない、というような感覚でした。

でもそうではなく、今は心を掘り下げていくことで、大きな変化があるのは確かだろうなと予感しています。

ただ、私は今回のお話をうかがってからというもの、自身の心を掘り下げ始めるともういたたまれなくなるほどの疲労感と焦燥感が生じ辛い気持ちが増してしまいます。

その結果飛躍的に上手くなるのと、そこからは目をそむけて、のほほんと生きて、その中で出来る限るの演奏で満足して生きていくのと、果たしてどちらが幸せなのか?

特に、健康で動ける残り時間がカウントダウンとなってきた年代となり、その迷いは猶更。

人には人夫々の器というものがあるので、まあ致し方ないとは思うけれど、やはり私は、後者だなあ、と思ったり。

それでも、今日吹いたフルートの音は今までとは全く異なるものでした。

・・考えたくはないのに考えてしまうことになっている・・??


・・・・・・・・・・・・・・
(個別指導)
1.一般・・足に関するひもトレ効果を体験したい

丸紐を足指に巻いて歩く。中々変化したという実感は掴めなかったようだったが、観客からは姿勢と足運びの変化を指摘する声も。





2.フルート・・ポップスはOKで自分の音楽が吹けるが、クラッシックだとだめになる。習って吹くとだめ。フルート以外ではあるが、過去の音楽の怖い先生の記憶がよみがえるからか?自分の中の意識の問題とは思うがなんとかしたい。

丸紐の四方襷で変化。「応援してもらっている気がする」との感想。

甲野先生の御助言・・「何が変わったんだろう?」「アレ?あれ?!」を追求していくことで、自分の中に解放できるかも。



3.ピアノ・・右と左のバランスが悪く交差させて利き手でない左手でメロディーを弾くとき、それが聴こえにくい。また右手が伴奏の時にうるさくなってしまう。

祓い太刀で大きく変化。ばらけていた印象の左右の腕、背中、全身が繋がりひとまとまりになり、良いバランスの演奏に。音色も深まる。

甲野先生の感想「想像していた以上に大きく変わりましたね!」(同感)



4.ドラム・・左手で出す音が右に比べて弱いのをなんとかしたい
スティックで椅子の座面を叩く。

指紐。 本人の自覚はなかったものの、観客側は音色と響きが瞬時に変わったのを感知。




5.サクバット(ルネッサンス・バロック時代のトロンボーン)・・長くて重く、とても疲れて身体が痛くなるのをなんとかしたい。

許可をいただき、甲野先生に実際に構えていただくことに。
「・・なるほど・・確かにこれは相当大変ですね・・」と仰って数秒後、錘を付けることを提案。先生が持っていた手袋に何か(紐?)を詰めたものを後ろ側に下げて再び演奏されたところ、響きが深く音色は明るくなり、楽しそうな流麗な演奏に。あまりの違いに奏者、観客共驚く。


6.一般・・人前でとても緊張してしまうのをなんとかしたい

壁から少し離れて立って前に傾いていく方法を紹介。肩のポジションが落ちると共に喉がひらき、横隔膜も下がり、声の通りが良くなる。表情も明るくなる。
全員でステージに上がり、壁の前に立ち、先生からやり方を教わる。



その後、真剣を使って、鷹取の手の内のビフォーアフター効果も紹介しようとされたところ、既に壁の前に立つやり方で、皆肩が下がっていたせいか、最初から誰も刀を向けられても緊張しなかったので、こちらの検証は出来ないままに。壁立の効果の検証にもなりました。

・・・・・・・
懇親会もしみじみと楽しいひとときでした。

甲野先生、ご参加くださった皆様、ありがとうございました!

2月はお休みで、次回は3月17日(月)です。
どうぞお越しくださいませ。
・・今回、動画ばかり撮ってしまい、先生のお写真が殆どなくすみません。







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