新茶家さんへ行っての夏のお料理をいただいてきました。いろいろな調理法で味、香、食材の組み合わせが楽しめてとても良かったと思います。
先付 鱧おとし 夕顔 おくら すっぽんジュレ 紫芽しそ
蓮は泥の中から生じて、あの美しい花を咲かせる。また、その葉は水を弾く性質を持っており、このコロナ騒ぎの災いを払う意味もある。
まるで蓮台のような丸い蓮の葉の上に真っ白な鱧おとしと丁寧に叩かれたオクラと澄み切って爽やかなすっぽんのジュレ。その上のシソが変化を与える。
蒸し蒸しする季節や世の中の雑音を消し去って、すっと目の前に現れた清冽な一品。
一杯目は、前回と同じ赤星サッポロで喉を潤しましたが、次のお酒は田酒の発泡性生酒。Micro Bubbleとなっている通りシャンパンのような非常に細かい泡が立ち上る。原材料に炭酸ガスとあることから加圧封入していると思われるが、なにか工夫があるんでしょうね。
柔らかい酸と甘みで、女性にも受けそう。
先付
二つ目は、焼茄子 車海老 とり貝 みず 胡麻和え
みずは、シャキシャキの食感、焼茄子は香ばしい。車海老はプリプリの食感と香。とり貝は、独特の歯ざわり。それらを丁寧に当たった白ゴマで纏める。散らされたアラレの香ばしさも食欲をそそる。香りの五重奏(^^♪
八寸 さざえ壺焼 鱧粽すし 玉子味噌漬け 蛸子田楽 鱚ゆかり焼 丸十れもん煮 蛸とモロヘイヤ梅和え 帆立磯部
眼福!
もうこれだけでお酒が何杯でも(^^;
蛸やサザエ、鱚の食感と香の対比。蛸子田楽の歯触りの面白さ。黄身の味噌漬けの深い味わいと丸十れもん煮の意表を突く面白さ。何気なく置かれたハジカミ。そしてお約束の鱧粽すし。エスプリに満ちている。
本日の二本目は、試験熟成/澤屋まつもと 守破離 2014 山田錦
山田錦の渋味がほとんどなく熟成による深みが感じられる。
それほどガスは、感じられないが爽やかに切れる。
煮物椀 甘鯛うに包み へぎ冬瓜 ふり柚子
うすく作られた冬瓜は、ほとんど火が入っておらず、うにを丁寧に包み込んだ甘鯛に乗せられている。
私は、椀が大好きなので、汁をゆっくりと吸いながらお酒を楽しみます。さっと振られた柚子が爽やか。
ある程度汁を楽しんだ後、満を持して甘鯛を箸で割ります。
京都に住んでいた時に錦で甘鯛の粕漬を買ってきて、焼いて食べたんですが、あの若狭のグジの思い出がスッとよみがえります。
でも、当時とは異なって、今日は中にドカンとウニが包まれてるんだよね(^^;
舞台が大きく転換して、これも面白い。
向付 太刀魚昆布〆 こち 穴子焼霜 土佐正油 ちり酢 梅正油
三種類の魚の食感を楽しむ。穴子は、鱧とのちがいも面白い。太刀魚は、やや柔らかく土佐正油で、こちはむっちりした食感でちり酢で、穴子はもにょもにょしていて梅正油。味の違いが楽しめます。
焼物 鮎塩焼き気仙川 ヤングコーン 田中とうがらし
5、6月と成長による身の旨さ、香の変化を楽しみます。
相変わらず頭から行きます(^^♪
ヤングコーンは、サクサクでおひげも香りがあっておいしい。
田中とうがらしは、辛くないとうがらし。
鮎には、蓼酢を付けて、味の変化を楽しみます。
箸休め 冷素麺 揚鱧 フルーツトマト 蓴菜 花穂
極細の素麺は、固めに茹でられて出汁とのからみがよい。揚鱧は、口の中でほろほろ崩れてうまい。蓴菜はつぼみで、適度なぬらめきと歯触りの面白さ。フルーツトマトは、途中で食べずにこの皿の最後にデザート的に食べたい。
炊合せ 丸山椒焼 フィレンツェの貴婦人 小芋 白髪ねぎ木ノ芽 べっ甲あん
さてさて、本日のメイン?丸です。
丸の味がべっ甲あん全体に行きわたり、茄子や小芋とよく合います。骨に注意しながら、身をほぐして食べますが、ほろほろまったりして滋養が付きそうです。それにしてもこのあんは、味がしっかりしてるけど軽くてうまいなー。
御飯 ホロホロ鳥と菜花とうもろこし
石黒さんの香ばしいホロホロ鳥とめっちゃ甘いトウモロコシのごはん。一膳で止めましたが、糖質制限してなければとちと残念。
止め椀 香物
赤出汁に白芋茎
御飯はササニシキでスッキリ。トウモロコシがやや甘くなるので、赤出汁の塩気がいい。
水物 桃コンポート 無花果 すいか ラズベリー メロン サクランボ ソーダジュレ
フルーツいろいろとあっさりとしたソーダのジュレ。
楽しい食事会をゆっくりと締めくくります。
ごちそうさまでした。