子供の頃の話。
夜遅くに父親の叫び声で目が覚めた。
あ゛ぁぁぁぁぁーと叫んでいた。
恐る恐る両親の部屋に入った。
父親は片方の足首を握って、
あ゛ぁぁぁぁぁーと叫んでいた。
足の小指の先に何かがくっ付いていた。
黒い何かがだった。
虫だった。
クワガタだった。
小指の膨らみにガッチリ噛み付いていた。
光沢があってやや丸みのあるヒラタクワガタ。
このタイプのヒラタクワガタは強烈に痛い。
しかもどこまでもしぶとい。
ちょっとやそっとでは放さないのだ。
とんだ災難であった。
クワガタはいずこから来たのか?
などと考えることはなかった。
私の飼っていたヒラタクワガタだった。
カゴから逃げ出したのだ。
あ゛ぁぁぁぁぁー。
あ゛ぁぁぁぁぁー。
あ゛ぁぁぁぁぁー。
父親の叫び声を背に私はおずおずと部屋に戻った。
夜遅くに父親の叫び声で目が覚めた。
あ゛ぁぁぁぁぁーと叫んでいた。
恐る恐る両親の部屋に入った。
父親は片方の足首を握って、
あ゛ぁぁぁぁぁーと叫んでいた。
足の小指の先に何かがくっ付いていた。
黒い何かがだった。
虫だった。
クワガタだった。
小指の膨らみにガッチリ噛み付いていた。
光沢があってやや丸みのあるヒラタクワガタ。
このタイプのヒラタクワガタは強烈に痛い。
しかもどこまでもしぶとい。
ちょっとやそっとでは放さないのだ。
とんだ災難であった。
クワガタはいずこから来たのか?
などと考えることはなかった。
私の飼っていたヒラタクワガタだった。
カゴから逃げ出したのだ。
あ゛ぁぁぁぁぁー。
あ゛ぁぁぁぁぁー。
あ゛ぁぁぁぁぁー。
父親の叫び声を背に私はおずおずと部屋に戻った。