10月24日、ParisのSalle Pleyelにてドゥダメル指揮、SBYOVの2日目。この日の演目は、ヴァイオリン独奏ルノー・カプソンでチャイコVn協奏曲とR.シュトラウス「アルプス交響曲」。
チャイコのVn協奏曲は、すごい速さ。ドゥダメルの趣味なのか、ルノーの超絶技巧発表会なのか-ルノーはそういうタイプとは思わないが。先日のドゥダメル指揮、ウィーンフィル&シュナイダーinザルツブルクよりかなり早い。オケはちょっと雑な感じが否めない。SBYOVはこういう曲(協奏曲)にはあまり向かないか。しかし、第3楽章のヴァイオリンの早いパッセージを弾ききったのは天晴れ!私も練習しよう。
「アルプス交響曲」は出だしでいきなり舞台が暗くなった。あら、これでは譜面が見えないじゃない、と一瞬思って気がついた。最初が「夜」→「日の出」だからだと。普通のオケだったら絶対「譜面が見えない」と却下だろうな。「日の出」のライトアップのタイミングが微妙にずれて残念。途中の「雷雨と嵐」で、雷が光るかと思ったが、そこまでは文化祭のノリではなかった。この曲で残念だったのは、このホールには備え付けのオルガンがなく小さなオルガンを借りてきて、スピーカーで増幅した音を流していたことか。
いずれにしても、ドゥダメルの演奏会で最も重要なことは、そしてそれこそ私がこれだけ彼の演奏を追いかけている理由なのであるが、演奏中一瞬たりとも気持ちが抜けていることがない点である。演奏のことだけを120%、いや200%考えていることが見て取れる。彼の指揮で演奏するオケのメンバーも多くは(勿論全員ではないが)そうなる。人間が本気で勝負を挑む姿は最も美しいし、そこから結果は生まれる。結果がよければ演奏態度に問題ない、という人が居るかもしれないが、私はそうは思わない。それならもっと真剣にやったらもっと良い結果が出るかもしれない、と考える余地を残すからである。全力で挑んで成果が出たとき(出なければ残念だが)その喜びを演奏者と聴衆が分かち合う、その瞬間を求めて彼の演奏会を追いかけるのである。
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叙勲式の後は、マンボとマランボ。それでも興奮冷めやらない聴衆の拍手に応えて、最後はラデツキーマーチ。リズム感の悪いパーカッション多数でごめんなさい。友人はドゥダメルの指揮で演奏できた!と喜んでいた。多分、皆そう思って家路に着いたはずだ。