エベーヌ・カルテットはフランスの弦楽四重奏団である。昨年5月に同じウィグモアホールで聴き、印象に残っていたので出掛けた。今夜の曲目は、
Brahms: String Quartet in C minor Op. 51 No. 1
Bartók: String Quartet No. 3
Schubert: String Quartet in D minor D810 ‘Death and the Maiden’
今日の演奏で気に入ったのはバルトーク。本来、バルトークのような曲より、ロマン派が好きな私ではあるが、エベーヌを聴くならば(この3曲中では)絶対的にバルトークだ。彼らの持っているものに近い気がする。
厳しいことを言えば、ファーストがトチったり(ブラームス、シューベルトで大事なフレーズの音をとり損ね・・・)、ヴィオラのオクターブが怪しかったり、チェロがノリ過ぎて飛んでしまったり、客席前方の年齢層の高い常連客(私?)はちょっと不満気。一方、後方学生席は大変な盛り上がり。確かに、ノリという意味では、彼らには独特のアーティキュレーションと情熱的な演奏がある。
アンコールでは「パリではなくリバプール出身4人組の曲を、特別にイギリス人である皆さんに」といってザ・ビートルズの曲を演奏-しかし、疎い私には題名が分からない(反省-でも、イギリス人じゃないから許して)。彼らのアンコールは大変に人気があるらしく、来年アンコール曲を集めたアルバムがリリースされるとの事。
サイン会があったので、バルトーク曲集を購入して持っていったところ、チェロのラファエルが「Aimez-vous Bartok?」と聞いてきた(Brahmsではない)。いやぁ、あなた達の演奏を聴いて、他は買わないでしょ?とはいえないので、「Oui, ses oeuvres sont magnifiques」と、とりあえず当たり障りのない答えをする。
皆の写真が撮りたいというと、勿論、勿論、とポーズをとってくれた。
が、いえ、あの、手の写真が。
手?え、皆一緒に?ちょっとこんなの初めてだよ~。面白~い。どこに手を置く?お前、その手どけてくれよ。あ、水、邪魔。そっちへよけて。
なんていい人たちなんだろう。辛口批評をちょっと反省?