ドゥダメル指揮、シモン・ボリバル・ユースオーケストラ、リハーサル。2009年4月14日、ロンドン、ロイヤルフェスティバルホールにて。
ドゥダメルとシモン・ボリバル・ユースオーケストラのリハーサル見学。イースターの4連休明けの火曜日午前中というのに、席は8割がた埋まっている(そういう私は何?)。親子連れも多い。
オケのメンバーも若いとあって、皆ほとんどジーンズ姿で登場。
まずはチャイコフスキーの交響曲第4番、第一楽章を通して弾く。その後、肝心なホルンによる出だしを、何度もやり直す。いつも演奏会を聴きに行くたびに、なぜ最初の出だしに演奏家/指揮者は心を配らないのか不思議に思っていたので、そこを出来るまで吹かせるドゥダメルにはとても共感し、スッキリした。勿論、最初だけではなく、他も演奏の気になる部分を入念にチェック。
また途中、金管の響きを確認するために、ドゥダメルは客席に下りて音を確かめつつ指揮。ふと、公開リハーサルにしたのは、本番での音の響きを確かめるために人を入れたのか?などとも考えた。
会場に向かって何か尋ねたが、英語ではなく、意味が分からず。演奏者への指示もスペイン語。どんな指示を与えたのか興味津々。
会場に足を運んでいたJose Antonio Abreuらにも意見を求める(写真は休憩時間のもの)。他にも、知り合いと思しき人々に意見を聞いていた。より良い音楽を作るための努力を惜しまないのだろう。
こうした、当たり前のことを実行する、というのは「言うは易し行うは難し」。それを全て実行する彼だからこそ、これだけ評価される音楽を作ることができるのだろう。
またドゥダメルの英語は、決してものすごく流暢という訳ではなかった。それでも、ベルリンフィルを振り、これからアムステルダムコンセルトヘボウ、さらにザルツブルグ音楽祭ではウィーンフィルも振る彼をみていると、外国で働くにあたって、英語がnative並に出来ないから思うようにglobalのメンバーを動かせない、projectが進まない、なんていうのは、全くの言い訳に過ぎない、と深く反省するのであった。