月の瓶詰~ブログ版~

こぼれゆく時の欠片を瓶詰に。

映画「日輪の遺産」に思う。

2011-08-28 12:19:59 | モノガタリ
「神様のカルテ」。「日輪の遺産」。
やっぱりどちらも公開初日に見たい…ということで、
「神様のカルテ」の後、「日輪の遺産」を見た。
映画館の上映スケジュールからすると
「日輪」→「カルテ」にした方が良かったのだけれど、
作品の内容的に「カルテ」→「日輪」だろう、と。

直前に読み返したりはしなかったので、原作を程よく忘れた状態。
小泉中尉やスーちゃんのシーンがきちんと描かれていて、嬉しかった。

遺産。
私はこれをタスキのようなものだと思っていて。
でも、そのタスキは
次の人達へ渡すために受け継いだものなのか
自分達の代で終わらせるために担っているものなのか
いまだに判じかねている。
重い…。
原作の「だいじょうぶだ。なにもこわがることはない」という言葉を思うたび、
そのタスキの重さに負けそうになる。

でも、そのタスキを背負うしかないんだよねえ…。


「神様のカルテ」と公開日が重なっていなければ、
きっともっと多くの人に見てもらえただろうに…と寂しく思った。



映画「神様のカルテ」感想。

2011-08-28 11:28:45 | モノガタリ
公開初日、映画「神様のカルテ」を見に行きました。(原作は未読。)

様々な年代のひとでいっぱい。男の子のグループもいました。
嵐さんファンとおぼしき女の子もたくさんいましたが、
「大奥」や「GANTZ」の時とは違った雰囲気のひとたちで…。
(と、辺りをキョロキョロする挙動不審なワタシ。)

さて、かんじんの内容。
いい作品だなあ、と思いました。
淡々としていて地味ですが、永きにわたって愛されてしかるべき作品だな、と。
「ココイニルコト」のように、
時々思い出して、心に灯がともる映画というか。
登場人物ひとりひとりの葛藤や想いにふれて、
いつの間にか泣いてしまっていました。
でも、厭な涙ではなく、最後には笑顔になれるという…。

はー、見られてよかったー。

ふとした瞬間、
櫻井くんががもともと持っている回転の速さが出そうになっている
ような気がするのですが…、
そういう不器用さというか、生真面目さというか、その佇まいが
この作品を嘘くささからギリギリのラインで踏みとどまらせている、とも思うのです。




「高島野十郎・里帰り展」感想。

2011-08-15 15:55:05 | 旅行記
確か、ドラマ「ヒミツの花園」で
航おにーさまは高島野十郎さんの画集を見ていたような。

…ということで(^^;
石橋美術館(福岡県久留米市)の「高島野十郎・里帰り展」へ出かけた。

写実「的」な絵を描く人はたくさんいるけれど、
目の前の世界をここまで忠実に写し取った人はいないのではなかろうか。

一体どうなっているのだろう、とかなり近づいて見たものの、
どんなに目を凝らしても、りんごはりんご、ももはもも。
夜空に浮かぶ月も、何ら誇張のない月そのものだった。
からすうりの葉はしゃりっと音を立ててくずれそうだし、
静物の置かれた布の触り心地も何となく分かる。


画集を買おうかと思ったが、
この絵の良さは実物でないと分かりにくいような気がしたので、買わず。


しかし…自分が恩賜の銀時計ほどの秀才だったら、
絵だけに人生を捧げるなんて、絶対できないだろうなあ…
などといらぬ心配をしつつ、美術館をあとにした。