その医師の下、通院しはじめて1年半が経過した頃、
医師が派遣されていた病院、つまり、私が通院していた病院医事課は
個人情報を外部に漏洩させ、私に損失を与える事態を巻き起こしたのだった。
その頃、医師が派遣先から大学病院へ戻るという噂が流れた。
出元は休日出勤の看護師からで、
その医師派か否か、患者として優遇されていた私を快く思っていない看護師は露骨に
「今後、主治医がいなくなったらどうするの?」と意地悪な質問を投げかけ、
私を動揺させた。
大抜擢だ。
なにげなくネットサーフィンをしていると、元主治医の名前を医局にみつけた。
すると、大学病院に戻っていた。
そして、外来は週1日、しかも、再診のみ、初診は受け付けていない。
他は専門とする手術などを割り当てられているのだろう。
某医学学会で会うこともあるのだろうが、
最後まで診なかった患者が、いつか患者側の視点で口演を行ったらどうなるのだろう?
患者として・・・ではなく、ひとりの人間として、
まだ30代前半の医師の出世と将来に、陰ながら期待したい。
あの貧乏ゆすりがなければ、私は救われなかった。
医師としてではなく、人間として、人を救う仕事を選んだ道をまっとうして欲しいと切に希う。