風の生まれる場所

海藍のような言ノ葉の世界

空や雲や海や星や月や風との語らいを
言葉へ置き換えていけたら・・・

甘え方

2008年12月20日 05時14分59秒 | エッセイ、随筆、小説






怖い夢をみたから・・・・・とNYの彼に午前1時に電話をかけた。
もちろん、日本時間なので、NYは午前11時だ。
午前4時に寝た彼はまだベッドの中だったようで、
私は「ごめん、声が聴けただけで安心したから・・・・」と電話を切ろうとした。


が、「彼は君がそばにいるみたいで最高の目覚め方だ」と笑った。
「ごめんね」というと、
「このモーニングコールは特別なのだから、お願いだから謝らないでくれ」という。


私が唯一、甘えられる異性は彼だけだ。
それは「生まれてから今日まで」といっても過言ではなく、
甘え方よりも“大丈夫そう””元気そう”に振舞うことを教わって育った私にとって
無理が重なり、結局は交通事故を契機に「少女期の欠如」という問題が浮上した。
今でも「元気そう」に見えることで、病気を説明することは一番苦手なことだ。
だからこそ、私には甘える場所が必要だった。
そして、太平洋を、大陸を隔てたNYに、その場所をみつけた。


私がなにをしてもWELCOMEなのだ。
何時に電話をしようが、無理を言おうが、彼はいつもすべてを受容して見守ってくれる。
医師が今回の渡航にGOサインを出したのは、
今まで甘えられなかった少女期の欠如を埋めて来い、そんな意味も隠されている。


私は恵まれたことに甘えられる人がふたりもいる。
ひとりはもちろんNYの彼で、ひとりは日本にいる盟友だ。
ありがとう。