rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

明確な基準も示せないならば人を犯罪者扱いするな

2008-07-24 08:14:07 | 社会
射水市民病院の延命中止、2医師を殺人容疑で書類送検…厳重処罰は求めず(読売新聞) - goo ニュース

警察或いは検察は「殺人ではないかという容疑が示された場合は捜査をするのが仕事」である。この件では患者の死亡と呼吸器を外したことの因果関係を立証して、医師を確実に犯罪者にすることができそうにないので取り合えず書類送検して起訴するか否かは検事局にまかせるというのが警察側からの見方と思われます。

一般論として、末期癌患者さんには人工呼吸器は付けませんし、一度付けたら外しません。それは人為的に呼吸器を外すという行為が安楽死として認知されておらず、ここで問題になっているように殺人であると曲解されかねないからです。曲解と書いたのは癌による自然死が近い患者さんに、呼吸器は付けないとか昇圧剤を使わないといった積極的な治療を行わないことと、付けた呼吸器を外すことは死期を早めることにおいては変わらないのに後者においてのみ「殺人」であるかのように扱う場合があるからです。

アメリカではこの事例が刑事事件となることはないという記事がありました。日本において人工呼吸器が使われ出したのは数十年前からですが、その当時からたびたび末期癌患者に呼吸器が付けられて、家族の希望で外されるといったことは行われていました。人工呼吸器が出現した時からこのような事例に警察が介入して医師を毎回殺人犯として捜査していた、という経緯があるのならば今回の件について特に違和感はないのですが、「今は医療バッシングの時代だから、こんなことがあるならば医者を犯罪者として立件できるかどうか捜査してやれ」という意気込みで警察が介入し、一転医療崩壊がさけばれるご時世になって「医者をいちいち犯罪者にしていたら世論の反発を免れない」ということになり、かといって振り上げた拳を降ろすわけにも行かなくなったから書類送検で逃げる、という筋が明らかであるから今回のタイトルを付けた訳です。

警察検察の諸君は、人の命を扱う医療に踏み込んで医療従事者を犯罪者にしようとするならば、どこに出ても通用する明確な死生観や生死についての哲学を持ちなさい。それがないならば、明らかな刑事事件以外は医療に口出しはするな、と言いたいです。
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先進国における高齢化社会に伴う人口減少は正しい選択ではないのか

2008-07-24 00:38:45 | 社会
土がきしむ、やせ細る命の土壌に危機感??フィナンシャル・タイムズ(1)(フィナンシャル・タイムズ) - goo ニュース

世界では一般に先進国は国民の少子高齢化により人口は減少傾向にあり、後進国ほど人口増加の傾向にあります。地球全体のエネルギーや食料供給能力が限られていることから、現在の地球上の人口65億人が今世紀半ばに90億人に増加したらとても地球上の人類を養うことができなくなるだろうと言われています。

私はどうもこの手のトピックには現実感が伴わないような気がします。それは日本に住む我々日本人が世界を視野において日々生活をしていないこともあるかも知れませんが、今世紀半ばまで待たなくても20世紀の時からアフリカなどの後進国は常に食料不足である一方、先進国は飽食であり続けていたわけで、後進国は多産多死が続いていたと思われるからです。

乳児死亡率の国際比較(http://dataranking.com/table.cgi?LG=j&TP=po06-2)を見ると、1980年代と比べて後進国においても明らかに死亡数が減っています(日本は常に最も少ない)。ということは後進国においても医学や保健衛生の発達で昔よりは多死の状況が改善してきたということです。地球の人口が増え続けて90億人に達するという物言いは後進国の人達に対して「この人達には理屈を説いても無駄で、日がな子供を作り続ける連中だ」という決めつけが言外にあるように思われます。

確かに他人(他民族)の人生観や生き方を変えるのは簡単ではありませんが、先進国が中心になって世界の今後を予想するときにどうも「後進国(西洋人以外)の連中は異星人のようなもので我々の価値尺度では話しが通じない」から必ず現状が続いて世界が困る事になると結論づけているように思われるのですが、私は先進国が主導して世界中を少子化社会にするよう指導してはどうかと考えます。世界の人口が中世から江戸時代位の人口までゆっくりと減少してゆけば、現在の科学をもってすれば大抵の環境、エネルギー、食料問題は解決するように思われるからです。

世界中が年寄りばかりになると、当分の間、確かに活気のない生きにくい世の中になるかも知れませんが、年を取っても働き続けるようにして、細く長く生きれるようにしたらよいと思います。多産小死の世界では今までの歴史から考えて、若い人達が新たに活躍できる天地を求めて侵略戦争が起こる事は必定のように思われます。先進国が少子高齢化になっている現在世界平和のためにも後進国も少子高齢化に向かうよう指導するという発想はどうでしょうか。「1000万人働き手となる若い移民を入れよ」と言っている政治家もいるようですが、それが長い視野で考えて日本が繁栄する問題解決になるとは私には思えません。

国民を大切にして勤労者の給与を上げる、高齢になっても働ける間は高賃金でなくても働き続けられる環境を作る、子供や働けなくなったお年寄りには十分な福祉を提供するといった施策が、少子高齢化社会を豊かに生きるために大切なのではと考えます。
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