rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

北朝鮮は戦争を始めるか

2010-05-27 00:09:39 | 政治
韓国の哨戒艇を魚雷で沈めたことが明らかになった北朝鮮ですが、今この時期に北朝鮮が意図していることは一体何なのかは相変わらず解り辛いと思います。

韓国のイ大統領は朝鮮戦争の記念館で声明を発表し、北朝鮮への融和政策を取りやめ、国連安保理に提訴することを表明しました。中止していた北への批難放送も再開すると発表、それらに対して北朝鮮は戦闘開始も辞さないと相変わらず強い調子で反論しています。

北朝鮮や中国のように自国民が餓えて死のうが政治犯を死刑にしようがお構いなしの国では為政者が好きなように対外政策を決めることができるので一見外交上手と思われるような瀬戸際外交も自由にできます。このような国が本気で戦争を始めようとしているかどうかは軍の動きを見る事で推測ができます。朝鮮戦争の時も北が南に戦端を開く徴候は数々の情報から米軍司令部に上がってきていたと言います。情報を生かせなかったのか、先に攻撃させて反撃しようと考えていた所で想像以上に初戦にてこずったのかは解りませんが、現在はテポドンの発射台にトラックが往来している様子で発射準備をしているかどうかまで衛星監視でわかってしまうのですから、小規模な軍事衝突は別として大規模な戦闘準備は米軍に筒抜けになるでしょう。2012年には米軍は韓国軍に指揮権を委譲して韓国からかなりの部隊を撤退するようですから、米軍家族もいなくなる訳で、そうなったら北も韓国に攻め入り易くなることは明らかです。

95-6年当時やはり南北の衝突が懸念される時期があって、韓国の軍事警戒レベルであるウオチコンが戦争に近い状況にまで上昇したことがあり、日本海側の自衛隊では武力衝突が起こった際に銃などを持った武装難民が大量に押し寄せてくる可能性について検討されたことがありました。その中には日本に対するテロリストも入ってくることが予想され、ゲリコマ(ゲリラコマンド)対応について部隊レベルで対応が協議されてもいました。現在がどうかは知りませんが、米軍経由で様々な情報がもたらされていることは相違ないと思います。ただ現政権の対米姿勢からもたらされる情報の質は随分変ってきているだろうことは想像されます。

私は反ユダヤ財閥、反アメリカ隷属主義者ですが、アメリカとの同盟関係(グローバリストとの同盟でなく)は基本的には賛成です。日本が米軍に協力する新しい日米同盟の枠組み通りに活動するならば、日本は米軍の活動や戦略にもっと日本の国益に立脚した注文をつけないと駄目です。そして相手が否がるほど注文を付けても最後には米軍に協力するという鉄則を守ればドイツのようにもっとアメリカから信頼される関係になるだろうと思います。

内田樹さんが言われるように日本は「従者の復習」としてアメリカの国力が衰退するようなアメリカの行動には真っ先に賛辞を送り、金を出して自分も痛みを伴いながらも支配者であるアメリカの衰退を見届ける(戦後日本の対米行動パタン)というのもある意味筋の通った論理ですが、鳩山さんのように言行完全不一致に徹する(アメリカに対してだけでなく日本国民に対してもですが)というのは信頼関係という面では一番まずいやり方のように思われます。

現在の北朝鮮は戦争を始めても中国の軍事的協力は得られないし、単独で韓米両軍に勝つことも100%ありません。逆に中国に対してアジアでの中国のプレゼンスを高めるにはあたしゃどのように振る舞えば良いでしょう?と将軍様はお伺いを立てに先日訪中したのではないかと私は見ています。恐らくは韓国(台湾も)を中国の勢力圏に取りこめる情勢ができれば、中国は北朝鮮を鉄砲玉として使うことは予想されます。それまではヤクザの三下が肩を怒らして街を歩いている、ガンを飛ばせば「何だこのやろう」と突っかかる、一線を超えて刃物が出て殺し合いになった所で本当は怖い大親分の中国が出てきて、自分が利を得るように丸くまとめる、といったシナリオになるのではと予想します。

日本は腹に一物ある上、三下で鉄砲玉の北朝鮮を従えた怖いヤクザ親分(表面的には紳士ですがね)の中国に隷属するのは賢明ではないでしょう。日本がアメリカの鉄砲玉になってアジアで戦争させられるのは絶対に避けないといけませんが、情報と外交技術を駆使して上手な日米同盟関係を継続しつつ21世紀を生きてゆくのが正しい方策ではないかと私は思います。
コメント
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