rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

Bell P-63A Kingcobra MPM 1/72

2022-08-07 12:28:27 | プラモデル

 Bell P-63はP−39エアラコブラの後継機として1942年に初飛行し、43年から量産されて主にソ連にレンドリース機として輸出された機体です。P−39は1930年代に開発されたT9型37mm機関砲を搭載できる戦闘攻撃機として開発され、エンジンをミッドシップとして長いシャフトとギアでプロペラを駆動させ、プロペラの中央から機関砲を発射させる独特の形状になりました。P39のアリソンV1710エンジンは1,150馬力で期待された高空性能が発揮できず、とても運動性能の良い零戦などに太刀打ちできないために9,558機も作られたP39の半数近い4,773機がソ連にアラスカ-シベリア経由で輸出されました。P63はエンジンを改良したV1710−117エンジン1,800馬力とし、機体も一回り大きくなったのですが、航続距離が720kmと短く、最高速度678km、武装も37mm機関砲、12.7mm機銃機首に2、翼下に2と重武装ながらP51やP47の様な戦闘機としての活躍はありませんでした。その中でソ連は低高度からの陸軍援護の攻撃機として多用し、優秀なパイロットが戦闘機としても活用して多くの戦果を上げました。P63は3,303機製造されたうち、2,397機がアラスカ経由でソ連に輸出されました。

P39を駆って大戦中59機撃墜を成し遂げたアレクサンドル・ボクルイシキン(1972年に航空元帥まで昇進) 乗降口が自動車の様に開閉する。

 模型はチェコのプラモメーカーMPM製で、2016年にSpecial Hobbyと改名してからは金型技術などがグレードアップされていますが、MPM製の時代は樹脂製金型でキャノピーなどの透明部品も塩ビ板の圧出整形であり、バリが多く、部品の整合もミリ単位で合わないなど製作には手作り感満載の技術と忍耐が必要です。一方で2000年以降に再販されたMPM製品は、エッチングや細かいデカールなどのグレードアップパーツが追加されていて丁寧に作るとそれなりに見栄えがある出来になります。1944年に使用された機体を再現しました。前輪降着の機体なので粘土や釘で前部を重くし、特徴的な自動車的な乗降口も開閉選択ができるものの、機体側の削り込みは自分でやる必要がありました。車輪の細部がエッチングで再現されているのに機首の37mm砲や12.7mm機銃は省略されていて、自作を要するなど古いMPM製のモデルらしさのある機体でした。初めに37mm砲ありきで設計された機体なので、初めに大型エンジンありきで艦上戦闘機が設計され、逆ガル翼の独特の形状となったコルセアと並べてみました。アメリカの航空機の設計思想が解ります。もう一つの比較はソ連製のラボーチキン戦闘機。やや無骨ながら頑丈そうな機体です。

機首に37mm機関砲と12.7mm(caliver 50)2門を搭載。上面オリーブドラブ、下面ニュートラルグレーの米軍の標準塗装。アンテナは0.2mm真鍮線を使用。

レンドリース機の国籍マークは米軍のマーク部位に赤い星を描いたものでソ連製の機体とは異なる。F4コルセア、ラボーチキンLa5との比較。

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