イギリスの作家ジョージ・オーウェルが1949年に著した未来小説「1984年」は、既に過去である1984年時点では実現されていなかった管理社会、ディストピア的全体主義が、2020年代の現代ではかなり実現されていると話題です。小説の中には、「何を真実として俗人に信じさせるか」を決める真理省の存在が明かされ、主人公ウインストンは過去の事実を管理主体である「ビッグ・ブラザーが正統」である様に書き換える「真理省記録局」で働いているという設定です。
小説「1984年」の世界では、客観的な事実というのは存在せず、真理省で決めた内容を真実として受け入れる事が「必要」となります。「カラスは黒でも白でもある。」という二重思考を肯定できなければJoycamp(歓喜収容所)やMinistry of love(愛情省)の秘密警察に連行されてしまいます。
これ、現在の世界、日本でも既にほぼ現実として起こっている事ではないでしょうか。
I. Global Engagement Center
米国連邦機関としてのGEC公式ホームページ ミッションが明確に書かれている
2017年オバマ大統領は、国家授権法(NDAA)に従って米国にとって都合の悪い情報を選択・排除する連邦機関を作り、Global engagement center(GEC)と無難な名称を付けて、主に自国民を対象にしたプロパガンダ戦争に利用するため稼働させました。以降はCNNやワシントンポスト、NYタイムズといったメディアはGECの検閲通りの情報発信をするようになり、当然これらのニュースを「権威」として受け売りする日本のメディアも(情報の真偽と関係なく)そのまま垂れ流すことになります。
さすがに小説「1984年」のように真理省という解りやすい象徴的名称は使いませんでしたが、この連邦機関の目標は「情報の真偽を確かめる」事ではなく、その情報が「米国の権力機構に都合が良いか否かを決定する」であるとホームページにも謳っています。だから私や他のオルタナティブなブログが参考にしているサイトも当然「都合が悪い」として検閲対象になっていますが(検閲対象について発表もされていて、メジャーなメディアは引用しないよう圧力がかかっている)、それは「フェイクニュース扱い」ですが「嘘」というより「都合が悪い」(痛い点を突いている真実が含まれる)認定だと考えられます。これらの中には、「ロシア軍が成果をあげ、ウクライナ軍が弱体化している」アムネスティが報告した「住民を盾にして虐待しているのはウクライナ軍」「捕虜を拷問虐待したウクライナ軍」「ロシアの軍事侵攻の目的はウクライナの非ナチ化」といった情報が含まれ、こういった事実を日本や米国の主要メディアが「報じることができないしくみ」がこれで明らかになります。一方で娯楽誌でも報じないような根拠の薄い「ロシア政権崩壊説」や「プーチン重病説」といった与太情報は進んで報道し、嘘だとばれても訂正報道など行なわれません。1970-80年代、冷戦期の左翼全盛の時代においては、「きれいごとを言う左翼」や「社会党・共産党」などが主張している事の逆張りを考えていれば大方「まっとう」「無難」な結論に達すると私は思っていましたが、現在は「主要メディアが理屈に反してごり押しする事の逆張り」がほぼ「無難な真実」だと考えられます。
ウクライナの米国大使館が出している2020年GECが注意喚起したロシアのプロパガンダ目録
カラスは白、2+2=5であると信じろという真理省の命令に近い例として、ロシアが占領管理している「サポリージャ原発を攻撃しているのはロシアだ」という主張や、「ロシア占領地内にある捕虜施設を攻撃して捕虜を殺したのはロシアだ」といった報道があります。ロシアがこれらを行う合理的な理由はないと誰でも考えるのですが「理屈ではなく、都合が悪いからこう理解しろ」という教義的命令で日本のメディアでもそのように報じられます。Guardianは以前ゼレンスキー大統領が「場合によりロシアが占領しているザポリージャ原発を砲撃する。」と捉えることができるインタビュー記事を載せていましたが、都合が悪いので編集しなおされています(再編集したと書いている)。ウクライナは8月19日の国連事務総長の訪問に合わせてザポリージャ原発周辺で核防御部隊を待機させて「核事故が起こったのはロシアのせいである。」という事実づくりの準備をしていた様ですが、目論見を察知したロシアによって阻まれた様です。
II. 続く世界の変化
前回「変わりはじめた世界」でも、仮想経済派のグローバリストと資源や食料といった実体経済を重視するロシア、中国、中東諸国など「いわゆる西側」以外の多数派諸国のせめぎ合いは、次第に多極派が優勢になってきていると述べました。ドイツ・イギリスなどはエネルギー危機で電気代がこの一年で数倍に値上がりし、冬を越せない人達が薪拾いを始めたという笑えない話題もあります。上から目線で「もっと武器をよこせ」と今だに命令するゼレンスキー大統領などもう殆どの欧州・米国の民衆から見捨てられていますし、強権的なウクライナ国家警察がなければ、自国民からもそっぽを向かれていることでしょう。ウクライナでは市長が「裏切者は容赦なく処刑する。」と宣言してやっと治安を保っている状況の様です。
III. 消えてゆく人達
グローバリスト側の旗色が悪くなってきたことで、中心的役割をしてきた人達が表舞台から消え始めているようです。英国ジョンソン首相 辞任。安倍総理 暗殺。アンソニー・ファウチ辞任、小物ですが三浦瑠璃海外逃亡。竹中平蔵 パソナ会長辞任。 ビルゲイツ日本に逃亡・隠遁? 電通元専務 高橋治之 逮捕。自民党清話会の人達 統一教会問題で息絶え絶え。日本にも来てたNATOに入りたいフィンランド マリン首相 薬物中毒疑惑やパーティーの不適切写真が問題に。他にもいろいろいるでしょう。
IV. 最後のあがきが最も危険
ボリス・ジョンソンに変わり首相候補になっている外相リズ・トラス氏は、8月23日にバーミンガムで開かれた選挙イベントで「地球を破滅させる核戦争のボタンを押す準備はできている。」と答えて、欧州どころか世界中を核で滅亡させる覚悟を示しました。もともと2月にプーチンが核の使用も辞さないといったのは、この馬鹿英国外相が外相のくせにNATO参戦をほのめかす発言をしたからでした。この女はジョンソン首相よりも格上のゴリゴリのグローバリストの手勢の様です。こんなクズに自分たちの運命がかかるというのは迷惑千万な話です。
WHOが進めている「サル痘緊急事態」 も米国では2022年8月には感染者が6000名を超えて徐々にですが広がりつつあり不気味な感じです。 2021年11月のNTIのシミュレーションでは、2023年1月には世界で数千万人が感染する予定になっていますが、現状不特定多数の男性を性的な相手とする男性によって拡散するとされていて、予防の方法も明確なので対応できると思います。しかしHIVが当初は同性愛者のみの感染であったはずが、アフリカ全体に伝染病の理屈を超えて急速に広がった様に今後どうなるか未定とも言えます。
2021年11月ミュンヘンで開催されたNTI(これもゲイツ財団が出資)のサル痘パンデミックのシミュレーション報告書
いずれにしても、情報は理屈が通っているかどうか、自ら考えて「真理省」(GEC)の検閲が入っていないかを検討する必要がありそうです。