新型コロナ感染症の第七波は増加の勢いは止まりましたが、感染者数はまだ徐々にしか減少が見られません。高齢感染者には一部重症化する方も出始めています。ここで政府は、「感染予防効果は少ないが、重症化リスクは下げる」という名目で現在は存在しない2年前の武漢株に対する新型コロナワクチンの4回目接種を推奨し始めました。後に紹介する前長崎大学熱帯医学研究所教授の池田正行氏のブログで指摘されている様に、海外ではブースター接種を重ねるほど次の変異株の感染者、死者が増えている事実を政府もメディアも一切報じません。真の愛国とは国民の利益になる事を怖れずに表明することです。政府、メディアに愛国心はあるのでしょうか。
100万人あたりの新規患者数は日本と共に韓国の増加が著しい 100万人あたりの死者は欧米よりも少ないながら日本、韓国とも増加傾向 インドの少なさに注目。
同一ワクチン反復投与は減感作療法ではないのか?
喘息や鼻炎、皮膚炎など日常的な刺激(抗原)に対して強いアレルギー反応を起こしてしまう免疫異常に対して、アレルギー源となる物質を少量ずつ繰り返し与えて、体を慣らすことで強いアレルギー反応を抑える治療を「減感作療法」と言って昔から行われています。
抗原の反復投与に対する様々な免疫反応 (Divangahiら2021年の論文から改編)
全く同じ抗原であるワクチンを短期間に繰り返し投与する事は今まで行われてきませんでしたが、それは免疫が異常反応を起こす可能性があり、しかもどのような反応か予測がつかないという「危険な医療行為」だからです(上図参照)。哺乳類の免疫機構は複雑であり、抗原に対してどのような反応を示すかは原則的には同様でも細かい部分には個体差もあります。抗原の反復刺激に対して起こる免疫応答は図の様に様々ですが、どれが起こるかは予測不可能な部分があります。当初2回連続でワクチン接種を行ったのはbのpriming効果を期待して大量の中和抗体作成を狙ったからで、3回目以降はcの学習的な増強を期待したものです。しかし実際には抗体の持続期間は短縮してきており、dの状態が起こりつつある様に思われます。抗原刺激が却って免疫を弱めてしまう機序として、抗体依存性感染増強、や抗原原罪、免疫寛容といった現象が報告されていますが、簡単に説明すると以下になります。
〇 抗体依存性感染増強(ADE):不適切な抗体とウイルスが結合して却って細胞にウイルス感染が起こりやすくなる現象。1回の感染や抗原暴露でも起こる。
〇 抗原原罪(Original Antigenic Sin):初回の抗原暴露による強い反応によって、類似した抗原にその後暴露しても適切な抗体が作られず、免疫が正しく反応しない現象。1回の感染や暴露でもおこり得る。
〇 免疫寛容(Immune Tolerance):特定の抗原に対して免疫反応が抑制、欠如した状態。繰り返し抗原に接することで過剰反応を抑制する機構として働く。減感作療法として応用も。
長くなるので全文を引用はしませんが、前長崎大学熱帯医学研究所教授の池田正行氏は、私も参考にしているCorona World dataを用いて、論文の形で追加接種をした国ほど感染者、重傷者が増加している事実を報告しています。「追加接種さえしなければADEは阻止できた」の回では、
(引用開始)
冷静にデータを見てワクチンを止めときゃいいのに、またまたパニックになって、何はともあれ・何が何でもPCR→人工的に感染爆発作成→何はともあれ・何が何でも追加接種→ADE。発症(感染)予防効果がないのに重症化予防効果をでっち上げて、追加接種をどんどん推進したら死亡がどんどん増えた。それは紛う事なきADEでした。それを裏付ける証拠はADEが起こらなかった、バングラデシュ、パキスタン、ガーナ、ナイジェリア、エチオピアといった国々の死者数の推移のグラフをご覧なさい。そしてそれらの国々の接種率を、かつての感染コントロール優等生国のそれとを比べてみてください→追加接種率の比較。追加接種さえしなければADEは阻止できていたのです。
(引用終了)
と追加接種による負の効果を証拠を付けて紹介し、またADEの他に抗原原罪の可能性もの回では
(引用開始)
免疫系が病原体に最初に出会った時の記憶に固執し、変異株感染時に柔軟で効果的な反応ができなくなってしまう現象が「抗原原罪 (original antigenic sin)」です。(中略)
抗原原罪の作用機序では、抗体が感染症から守ってくれるとは限らず、むしろ新規免疫の獲得を抑制し、変異株に対する感染防御を脆弱にします。ADEとはまた別の仕組みで、ワクチン接種が逆にウイルス感染を促進してしまうという事で す。現行のコロナワクチンは武漢型コロナウイルスのスパイクタンパクをベースにデザインされていますが、現在この株のウイルスは既にほぼ収束しています。 初期の武漢型などの特定の株の特定のタンパクに対して偏った免疫は現在流行中の株、または今後登場するであろう変異株に対する防衛をむしろ阻害しかねませ ん。コロナワクチンを大量接種した国でコロナウイルスの感染爆発が起きている原因は、ADEに加えて抗原原罪の機序も考えられるのではないでしょうか。(ワクチンと抗原原罪 荒川 央 2021年11月22日 より抜粋)
(引用終了)
と効果のないワクチンを漫然と続ける危険を指摘しています。
ブースター接種、欧米は50-60%で実は止めてた。賢いインドは遠に止めている。調子に乗ってブースターをした日本、韓国の現在の惨状はどうであろう。ブースターをより早期に行っていた韓国は日本よりも超過死亡も多い。
自分の細胞に無理やり非自己の抗原を超大量のmRNAを使って作らせる事は、感染対処に限らず、がん免疫を含む自然の免疫系を狂わせる可能性があります。コロナワクチンの接種が勧められてから、治療中の癌が急速に進行したり、悪性度の高い高齢者の癌が増加している事は以前指摘しました。私の病院では半年に1例程度であった肝内胆管癌による死亡が月1-2例と増加しています。他にも悪性度の高い手術不能の尿路上皮癌が月1例は見つかります(これも半年1例くらいだった)。これは全国的な傾向と思われ、この1年の超過死亡の増加傾向を見ても明らかであろうと思います。私も自分が診ているがん患者さんには繰り返しのワクチン接種は危険だから止める様に説明して、信頼してくれている患者さんは納得して接種を止めています。皆さんはあと何回追加接種を続ける予定でしょうか。