rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

米国の外交は米国が決める(by Trump)

2025-01-18 14:01:24 | 社会

次期米国大統領のトランプ氏就任まであと数日になり、就任式の会場が急に屋内に変更になるなど無事に就任自体が行われるか注目される所です。またLame duck状態のバイデン政権が、ウクライナにロシア本土攻撃を米国製ミサイルやドローンで行う事を許可する(米軍情報機関のバックアップが必須)などトランプ就任後の行政へ様々な妨害工作をしている一方で、パレスチナ停戦合意、カナダやパナマ運河を合衆国の管轄にするとか、グリーンランドを買収するとか既に多くの話題を次期トランプ政権は打ち出しています。それらの実効性は未定ですが、これらの新たな外交政策に共通して見られる根本思想は「米国の外交は米国が決める」という事だと思います。イスラエルへの無条件の支援は主権の放棄だという論考で述べた様に、バイデン政権のイスラエル支援は自国内のみならず国際社会を敵に回し、国益を無視した「イスラエル隷従」でしかないものです。他国を支援・干渉するにしてもそこに米国の国益がなければ意味がありませんし、隷従支援のために国内の反対意見を取り締まる法律まで作るようでは完全な主権放棄と見なされても良いでしょう。これらトランプ外交の実効性については、メディアなどでは様々な意見が出されています。多くは悲観的(どうせうまく行かないという反トランプ的期待もある)なものですが、昨年7月の暗殺を免れて「神がかり」の啓示を感じたトランプ氏が失敗を恐れずにレガシィを残す偉業を画策することは大いに考えられます。また反対勢力側もある意味「一定の諦観」を持ってトランプ政権を迎えるであろうことは、選挙結果を見ても明らかだと思います。そこで種々の懸案事項についての見通しをrakitarou視点からまとめておこうと思います。

イスラエル虐殺に武器を送り続けたブリンケン国務長官は退任記者会見で(虐殺長官)などと揶揄される始末

I.  パレスチナ停戦合意

停戦合意についての3段階の概要  この狭い地域を15か月かかってもイスラエルは非武装住民の虐殺しかできず、ハマスの人数は不変という

2025年1月16日イスラエルは正式にハマスとの停戦に合意したことが伝えられました。第一段階は6週間続き、ハマスはイスラエル人人質33人を解放し、イスラエルは最大1,000人のパレスチナ囚人を解放することになっています。トランプ就任式前日から発行される停戦初日には、イスラエル軍はガザの人口密集地から撤退して7日目にはガザ北部への住民帰還が許可されます。また食料や医薬品を積んだトラックの毎日600台ガザ搬入が許可されます。

第二段階でイスラエルはガザから撤退を完了し、エジプトとの国境間のフィラデルフィア回廊に駐留を続ける一方ラファ国境検問所は明け渡す。第三段階では戦争の恒久的終結への交渉を行うことになっています。

トランプ次期大統領は「この壮大な停戦合意は、11月の歴史的勝利の結果としてのみ実現した。この合意は、我が政権が平和を追求し、すべての米国人と同盟国の安全を確保するための協定を交渉するというメッセージを全世界に送ったものだ」と彼はトゥルース・ソーシャルの投稿で述べた、とされます。

彼は、ウィトコフ特使と彼の次期国家安全保障チームは「ガザが二度とテロリストの避難場所にならないようにするためにイスラエルと同盟国と緊密に協力し続ける」と述べ「我々は、この停戦の勢いを基盤に歴史的なアブラハム合意をさらに拡大し、地域全体で力による平和を推進していきます。これは、アメリカ、そして世界にとって素晴らしい未来の始まりに過ぎません!」と付け加えました。イスラエルとしては、トランプの就任式に花を添える形での停戦は「あり」と考えたということでしょう。

 

ベギン、ラビン、ネタニヤフの系譜

イスラエルの二枚舌外交(というより約束を守らない国民性)は歴史では定番

1979年に、エジプトのサダト大統領とイスラエルのメナヒム・ベギン首相はカーター大統領の仲介でキャンプ・デービッド合意に達しましたが、パレスチナに対する自治容認は実行されませんでした。1993年のオスロ合意ではビル・クリントン大統領の仲介で、イスラエルのイツハク・ラビン首相とPLOのアラファト議長がヨルダン川西岸からのイスラエル撤退やパレスチナ国家の成立が合意されましたが、ラビン首相、アラファト議長は暗殺され闘争は継続されました。

一段落置くには良いタイミングか?

今回も恒久的停戦と2国家並存はないだろうと十分予測可能ですが、15か月戦争を続けて1万人の戦傷病者と891名の戦死(うち38名は自殺)、経済は回復に数年かかるほど下降し、米を除く世界から犯罪国家として扱われている現在、ネタニヤフは使用期限切れとして排除し、一度矛を収める事をユダヤの陰の支配者達が決断することもあり得るでしょう。シリアの半分はイスラエルが占領できそうで、トルコと新たな支配者ジョラニらの軍をいなして地盤を固める事も「大イスラエル建国」の準備段階としては重要と考えそうです。

大イスラエル国の範囲(先は長いがシリア領土獲得は大きかった) シリア反政府軍は味方にあらず、早速攻撃対象とするイスラエル

 

2.ウクライナ停戦

 

ウクライナとの戦争に勝ちつつあるプーチン大統領にとって、今譲歩を伴う停戦交渉をするメリットは全くありません。北朝鮮兵の目くらましに西側メディアが翻弄されているうちに粛々と東部戦線で支配領域を広げてゆけば良いと考えているでしょう。北朝鮮兵のニュースについては、未だにメディアの報道どおりではない様に私は思っています。毎日600-800名の戦死者が出ているウクライナで(政府は年間20万人のリクルートが必要と正式に認めている)2-3人の北朝鮮兵と見られる(言葉が話せない負傷をしている)捕虜の映像が、それほど意味があるものには思えません。多数のNATO諸国国籍の義勇兵(一部正規兵)捕虜が明らかにされる方が西側メディア的には怖れている内容ではと思います。

その意味でトランプが「就任24時間で停戦は無理だ」と言ったのは現実でしょう。早期にトランプが大幅な譲歩をして停戦したとなると沽券にかかわります。武器弾薬の供給の窓口を目立たない様に狭めつつ、ロシアの自然な進撃でドネツク・ルガンスク共和国を占領しきった所で残った領土での米国の権益を認めさせた上で脱NATO、非ナチ化、中立化した新ウクライナの存続をプーチンとディールすることになる様に思います。

砲爆撃力の差で消耗戦におけるロシア、ウクライナの戦傷病数は1:8でロシアが圧倒的に勝利しているのが現実

 

3.NATO、EU、グリーンランド

 

プーチンはウクライナの次はバルト三国、ポーランド、西ヨーロッパ諸国にも攻め込むつもりだ、などと威勢の良いヨタを飛ばしていたEU首脳達はトランプが「グリーンランドをよこせ」と逆侵略の意図を聞かされて驚いたことでしょう。各国首脳達は「もごもご・・」と歯切れの悪い反応を示すのが精一杯でした。選挙で国民から選ばれないEU首脳や官僚は単なるグローバリスト権力層の駒でしかなく、昨年来各国で正式に選挙で選ばれる「極右とレッテルを貼られる国民目線の政治家」達に徐々に排除されてゆくでしょう。

グリーンランドについては、領有するデンマークが「住民の意思で決めてゆけば良い」と言い、住民は「売り物ではない」と言いつつ協力関係は拒まないと言っているので、今後協定を結んで基地などの建設が進むだろうと思います。カナダが米国になることはないでしょうが、隣同士の国は協力して経済を盛り上げるのが最も両国の繁栄につながる事は古今東西問わない真実なのでカナダは妥協しつつも良い関係を続けるでしょう(医療保険制度などはカナダが明らかに良いし、住みやすい)。中日、ウクライナ・ロシアも隣国同士経済協力関係が良い方が両国にとって繁栄と幸福につながるのは米国・カナダと同じ。隣国同士を地球の裏側からけしかけて戦争をさせる(divide & rule)のが薄汚い英米欧の常套手段。油断すると飲み込まれるからけじめは大事ですが、他国の鉄砲玉として隣国同士で戦争させられるのは最悪の選択です。

 

コメント
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