八王子 印鑑 楽善堂
創業1899年:明治32年。東京:八王子 文字工房楽善堂では良いものを長く、一生お使いいただくのにピッタリの感触をご確認いただきたく、実際に印鑑材料をさわってみて、指との相性を見ていただく事をおすすめしております。
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────
こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。
昨日5日(木)、関東地方は梅雨入りしました。今日も朝から雨降りです。先日お見えのお客様から「この紙幣に捺してあるハンコ、なんて彫ってあるの?」と訊かれました。たまたま千円札のお釣りを出した時でした。表は「總裁之印」、裏面は「發券局長」です。とお答えしました。「總」は「総」の旧漢字、「發」は「発」の旧漢字です。
少し、調べてみました。表面の「總裁之印」の総裁は内閣総理大臣の安倍さんでなくて、日本銀行の総裁、黒田さんの事です。裏面は日本銀行発券局の局長さんの印鑑です。「總裁之印」は流通印と言われて、全国隅々まで紙幣が流通するように、また、「發券局長」の印は、歯止(はどめ)印と言われ、全国から日本銀行に紙幣が帰ってくるように祈願が込められています。「總裁之印」の直径は15ミリ、「發券局長」の印は直径13.5ミリでやや小さく作られています。
印鑑の書体の、篆書(てんしょ、この紙幣にある書体です)は判読しにくい文字が、しばしばあります。この紙幣なら、「之印」や「券」の字です。私も仕事の習い始めのころは読めなくて、三代目の父に教えてもらった記憶があります。
▲千円札の半分です。印影がある部分だけを表示しました。
表面(左半分)は「總裁之印」を縦に2行、裏面(右半分)は
「發券局長」を縦に3行で彫ってあります。
画像の不鮮明、お詫びします。
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