八王子 印鑑 楽善堂
創業1899年:明治32年。東京:八王子 文字工房楽善堂では良いものを長く、一生お使いいただくのにピッタリの感触をご確認いただきたく、実際に印鑑材料をさわってみて、指との相性を見ていただく事をおすすめしております。
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────
こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。
先週いただいた注文で花押印(かおういん)がありました。仕上げて昨日発送しました。
花押(かおう)、聞き慣れない言葉と思います。平安時代の中ごろから使われ始めた、書き判(かきはん)のことです。手書きの風雅なサインといってもよいでしょう。公文書、私文書を作成した時に、確かに本人が作った文書であることを証明しました。この点では現在の印鑑と同じ用途でもあります。
筆で書いたものが「花押」、その文字を印鑑にしたのが「花押印」です。公家や戦国大名など盛んに花押を書きましたが、署名の部分を本人が書き、花押は代書させる習慣が多かったようです。時代は下り、江戸時代の中ごろになって書くのでなく印判(いんばん、印鑑のこと)にして押すようになりました。
今回のお客様のご注文は、二合体(にごうたい)という作風でした。主に下のお名前の部分、部分を組み合わせて文字を作ります。例えば、源 頼朝だと「頼」の扁(左側)の束と「朝」の旁(つくり、右側の字)の月を組み合わせて一つの字に作ります。下のお名前が一字だとこの作風は作れません。
次回から花押の作風について書いていきたいと思います。
▲源頼朝の花押。二合体(にごうたい)の作風で書いてある。
花押印のページhttp://rakuzendo.com/shohin/shohin012.html
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こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。
今日は、九州から関東地方まで雨という予報でした。八王子は午後になって雨は上がってきました。
前回の提灯についてのブログは弓張り提灯で、手に持つ提灯のご紹介でした。今回は固定式の提灯です。居酒屋さんや、焼き鳥屋さんの店先にぶら下げられる、店名入りの提灯です。一般に“赤提灯”と言われますが、赤以外でもピンク、青、黄色、緑、白もご用意できます。また、下の写真の実用例にあるようにピンクと白、緑と白というように2色の混合も可能です。これは小さめの提灯に向いています。
写真右端の「居酒屋ひょうたん」の寸法の提灯で高さ、63センチ、直径43センチ程です。金額はビニール製で15000円、和紙製(並み)で20000円、和紙製(上製)で25000円です。並製と上製の違いは、並製は提灯の骨になる竹を「グル」といってスプリングのように1本の長い竹でらせん状に巻いていくのに対し、上製は別々の竹の輪が骨組みになっています。もし、一箇所竹が折れても上製ならその箇所がほころびるだけですが、「グル」式だと1本の竹でつながっているので、上下の竹にも影響が出てしまいます。
店頭の提灯は電気看板が生まれる前からの、広告手段だったといえるでしょう。
▲店頭用の提灯は、ビニール製の方が雨に濡れても長持ちする。和紙提灯には、雨に備え油引き加工をする。
名前入り提灯のページ
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こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。
一昨日の24日(日)、大相撲の千秋楽を観戦に両国国技館に行って来ました。
4年ぶりの国技館でした。座った桟敷席は正面の後ろの方、見やすい席でした。皆さんご存知ように、優勝決定戦で日馬富士が白鵬を豪快な下手投げで破りました。どっちが勝っても座布団を投げるつもりでいました。横綱が負けたので投げた甲斐がありました。この“座布団投げ”、本来は違法であることが今回分かりました。力士の勝敗を書き付けた星取表が桟敷席にありましたが、そこに「席から物を投げると罰せられます。」と書いてありました。慣れていないことなので、投げた座布団は土俵まで届かず、途中の桟敷席に落ちてしまいました。確かに人に当たれば迷惑です。また、お弁当を広げていて、そこに座布団が落ちてきたらこれも迷惑なことです。一時の熱い興奮で座布団を投げてしまうのは、?の反省です。
テレビ観戦とは違い、本物の土俵回りだと、見ているお客さんの熱気を肌で感じ、応援の声もよく聞き取れ、“大相撲観戦”の雰囲気を堪能することができました。
▲小雨交じりの国技館前。櫓太鼓と力士名の幟旗がいい雰囲気を出している。
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前回のブログで名前入りの提灯について触れましたが、今回は提灯の中で「弓張り提灯」についてご紹介します。
「弓矢」の弓のような形の取っ手が提灯の横についています。そのため取っ手がある提灯を「弓張り提灯」または省略して「弓張り」とも言います。主にお祭りで山車の引き回しの時に隊列の人が手に持ったり、山車の太鼓のすぐ前に町名を入れた弓張りを12張りから15張りほど並列に取り付けたりします。神酒所(みきしょ、会所とも言う。祭礼の本部)に飾ったりもします。神輿の四隅に飾るのを見たこともあります。弓張りの便利なのは取っ手があり、その取っ手の上部にフックが付いていることです。簾(すだれ)の壁に引っ掛けることができます。また竹の竿に通せば何本も吊る下げられます。
中に入れる明かりは昔はローソクを入れました。祭りだと勢いに任せて振っているうちに傾けて提灯を焼いてしまうので、このごろは提灯ライトといって、単4電池二本をいれるライトを取り付けることができます。このライト、ローソクの炎のように揺らぎます。時折、明るくなったり暗くなったりするわけです。
提灯はお名前を入れてのお値段で、9500円(高さ、50センチほど)や36センチくらいの小ぶりで7800円の提灯など承っております。(ライトは2100円)
▲一番下が弓張り提灯。右から2番目、3番目の丸型は、若手よりも浴衣の旦那衆が持つ。
名入れの文字は、個人名や町名など。役職名で「町会長」「進行」「先導」などもある。
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新型のインフルエンザに八王子に住む高校生が罹(かか)りました。過剰な反応かとも思われますが、八王子のそごうデパートでは店員さんが全員マスクをするそうです。お客様商売ですから、お客様に安心をしていただく為のアクションと思われます。
昨日、名入れ提灯のお問い合わせの電話がありました。居酒屋さんで店名入りでお作りになりたいとのこと。今まで祭礼用、室内インテリア用の提灯しか受けてこなかったので、店を閉めてから提灯職人さんのところへ行ってきました。車で20分程です。使用用途を話したら、「和紙の提灯が本来だけれど、雨に濡れてもいいようにビニール製がおススメだよ。」と言われました。「持ち歩くのでなく、設置する提灯は上と下の両方を止めるけれど、居酒屋さんの場合、上だけ止めて下は風が吹けばブラブラ揺れるのも味があっていい。」という職人さんの話も聞きました。
文字工房として、名入れ提灯も受注するようになりましたが、お客様の使用用途、ご希望を聞いてから、商品提案ができるようになりたいものです。
▲いろいろな提灯。右端下方の屋根の下の提灯文字は「奉祝」
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一昨日の日曜日、ファミリーで「阿修羅展」を見に行きました。場所は上野の東京国立博物館、平成館です。家族の希望で八王子から自家用車で出かけました。中学生以上のファミリー5人だと、電車を利用するより、駐車代金を入れても車の方が安く上がります。
国宝「阿修羅像」(奈良、興福寺蔵を特別移転展示)は、リアルなお顔立ちでした。奈良時代の人にお会いできた、という感想です。正式には、人でなく“八部衆”といって仏教の守護神です。三つのお顔のうち、正面は眉間を寄せて少し憂いを心に持っているような表情です。三人が背中を合わせているので、六本の腕は各人のものかと、六本の手の親指の位置を確かめたら、合掌をしていない四本は、右後ろと左後ろの阿修羅の腕ではありませんでした。正面の阿修羅が右手三本、左手三本を持っている、という制作です。正面の阿修羅がまず、万歳の仕草をしてその後、合掌をしようとして腕が前に動いて来た、この動きを3枚の写真でカメラに収めた、こんな筋書きを勝手に考えました。
人ごみの中ではありましたが、阿修羅をはじめ、興福寺の多くの仏像と対話ができた1日でした。(6月7日(日)まで開催中)
▲正面入り口の看板。入館するまで30待ちとプラカードがあったが、(午後4時過ぎ)15分程で入れた。
阿修羅展の公式ホームページhttp://www.asahi.com/ashura/
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今日はとっても爽やかな一日でした。暑からず、寒からず、過ごしやすい陽気でした。店に湿度計付きの温度計があり、温度は18度から22度くらい、湿度は50%から60%くらいの間が、気持ちよく過ごせる数字のようです。
閉店間際に、象牙印鑑のリフォーム(彫り直し)のお客様がお見えになりました。お話をいただいてみると、亡くなられたおじい様の象牙印をお孫さんの為に作ってあげたいとのことでした。同居をしていたというお話もあり、お孫さんにとってもおじい様とはいろいろと想い出があったのではないかと思いました。やはり、新規の印材もいいですが、使い込んで年季の入っている印材も、味があっていいものです。象牙印材の場合、象牙が朱肉の朱色を吸い上げて,白の中に、朱が入っています。昔の印材なので、丈(長さ)が36ミリ(1寸2分)でした。洋服ほどの変化はありませんが、印鑑の長さも、特に実印は昔は(昭和の50年代くらいまで)短めを、はんこ屋は薦めていました。以後は60ミリ丈が主流になっています。
リフォームといっても、ほとんど長さが短くなったのが分からないように直します。印鑑の彫ってある深さは、個人の実印で1ミリ程度だからです。
今いただいたこの仕事、お孫さんが「これは僕のおじいさんが大切に使っていたはんこなんだ。」と誇らしげに使ってくれることを願いながら彫りたいと思います。
▲リフォームのお客様がお持ちになったのと同サイズの印鑑(店の印材)(右)と現在、主流になった60ミリ丈の印鑑(左)
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印鑑の文字の彫り方で、朱文(しゅぶん)、白文(はくぶん)という分け方があります。
朱文を陽刻(ようこく)、白文を陰刻(いんこく)とも言います。文字を残す彫り方が朱文、文字を削り取ってしまう彫り方が白文です。ほとんどの実用印(実印、銀行印、仕事印などビジネスで使用する印鑑)は朱文で彫ります。お客様からお仕事をいただく時、実用印の場合、どちらの彫り方かはお聞きしません。
朱文、白文の違いをお聞きしなければならない場合が、落款印(らっかんいん)の場合です。先日お受けした仕事も「あとでご連絡しますね」とおっしゃるお客様で保留になりました。
おそらく、お稽古ごとの師匠に聞くか、お仲間に聞いてからにしたかったのでしょう。落款印は書道や、日本画など、作品が仕上がった時に押します。落成款識(らくせいかんし)が元の意味です。雅号などをお持ちの場合、雅号を朱文、本名を白文で彫ったりします。一つの落款印しか押さない場合は、どちらでも使う方のお好みです。
同じ文字でも白文は朱文よりも線質を太くほります。そうでないと、貧弱な作風の白文になってしまいます。
▲朱文と白文の落款印。左と中央が白文。右は朱文(通常の印鑑の彫り方)です。
文字は左「自祐」(右から左へ読みます)。中央は縦書きで「章江」。右は「静子」です。
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日本人の姓で一番多いものは、「鈴木」さんと思っていました。前回ご紹介した朝日新聞の日曜記事には「佐藤」さんが一番多い、とありました。根拠として、第一生命の調査(契約者が約1000万人)、電話帳のランキング、シャチハタネーム印の売り上げ1位などからです。「佐藤」さんのルーツは平安期に栄華を誇った藤原氏の子孫が佐渡、佐野に移った説、または律令制の位、佐(すけ)と藤原氏の藤が合体した説など、あります。藤原氏の子孫が、伊勢、加賀、遠江、備後、近江、に移って、それぞれの姓を名乗って、伊藤、加藤、遠藤、後藤、近藤、になったという説もあります。
食文化と同様に姓にも東西の違いがあり、下記の表はそのデータです。不思議なもので佐藤さんのように下に「藤」の付く姓、加藤さん、遠藤さん、伊藤さんなどは東日本により多く、西日本には○藤さんよりも、山本さん、田中さん、中村さんが上位に来ています。
日本人の姓もルーツが深く面白いものです。「土地のお名前、姓」も各地にあって全国的には珍しくても、その土地にだけは多い、という姓も各地に見受けられます。
▲各県の上位5の姓を表示している。富山県から西、和歌山県から西には○藤さんはない。
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ゴールデンウイークにカミサンの実家に行った時、お父さんが新聞の切抜きを出してくれました。「何かの参考にしたら」と言ってくれてもらってきました。2月下旬の朝日新聞で、日本人の姓に関しての記事でした。私もはっきりと認識していませんでしたが、記事によると日本人の姓の種類は10万~30万姓あるとのこと。世界で2位です。1位はというとあらゆる言語の人が集まる米国で100万姓以上です。米国はサイン社会で印鑑を物事の決済や証明に使わないから、はんこ屋を開店しても、珍名を作成することではビジネスになりません。
逆に姓の種類が少ないのは韓国で200姓ほどです。金、朴、李、崔さんで半数を超えます。最近は店の回りも韓国の方が店を持って営業しているので韓国姓も作り置きしています。
現在私の店では5000姓の既製印鑑(木製で350円)を置いています。これで日本人の姓の80%をカバーしています。それでも1日に平均1本~2本は既製印鑑で間に合わず、注文で作成しています。お値段、900円で30分くらいで作成します。ほかに、八王子近郊にだけ多い姓があり、20姓ほどは作り置きしてあります。
商品の性質上、お客様がお求めになる印鑑からお名前までわかるのは、印鑑を通してお客様と少し近くなれる、そんな気がしています。
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