印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ

東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る

英語版のYouTube動画を公開しました!!

八王子 印鑑 楽善堂

創業1899年:明治32年。東京:八王子 文字工房楽善堂では良いものを長く、一生お使いいただくのにピッタリの感触をご確認いただきたく、実際に印鑑材料をさわってみて、指との相性を見ていただく事をおすすめしております。

印鑑の文字(2) 篆書(てんしょ)の字法

2008年08月30日 | 印鑑の文字

──── 八王子で印鑑を作り続けて100年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

早いものであさっては、もう9月になります。
近くの小学校は1日を待たず、8月28日(木)から2学期が始まっています。
週休2日のカリキュラムのせいでしょうか。

印鑑の文字として、一番多く使われるのが篆書(てんしょ)です。
聞き慣れないし、見慣れない文字ですね。書道の授業の一環で篆刻(てんこく)がありますが
その篆刻で彫る文字が篆書です。秦の始皇帝が統一したとされ紀元前から中国にありました。

下に「山」字の篆書を出してみました。楷書は1種類しかありませんが、篆書は同じ文字でも数種類あります。画数の多い「山」、少ない「山」。「山口」さんの印鑑を彫る時は、画数の少ない「山」を、「山藤」さんの印鑑を彫る時は、画数の多い「山」を選びます。
これを「篆刻三法」の中の「字法」といいます。どの字を選べばいいバランスの取れた印鑑が仕上がるか? これを字法で考えます。

次回は「篆刻三法」の「章法」についてお話します。


▲篆書は「山」だけでもこれだけある。「篆刻字林」三圭社より


楽善堂のホームページ
http://rakuzendo.com
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

印鑑の文字(1)

2008年08月27日 | 印鑑の文字

──── 八王子で印鑑を作り続けて100年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。


先週の週末は遅い夏休みで箱根に出掛けましたが、雨降りでした。
でも、雨の日ならではの風情を見つけようと回りの山々を見ていると、霧が忽然と湧き上り、50メートル先も見えないくらいに。よい体験でした。

今回から印鑑に使われる文字の書体について少しずつ書いていきます。

大きく分けて書体は7種類。同じ書体の中にも作風の違いがあります。
書体は篆書(てんしょ)・吉相印体(きっそういんたい)・古印体(こいんたい)・隷書(れいしょ)・楷書・行書・草書です。
書体の作品例は下記のホームページでご覧になれます。(個人用印鑑のページより)


印相体は広い意味では篆書(てんしょ)の中に含まれます。篆書の文字を伸ばして発展させてできたのが、印相体です。

次回から篆書(てんしょ)について、店長、平澤が語らせていただきます。

楽善堂のホームページ
http://rakuzendo.com
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1週遅れの夏休み

2008年08月22日 | 店長のプライベート

──── 八王子で印鑑を作り続けて100年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

今までは8月の13日~16日は基本的に店を夏休みにしていました。問屋やメーカーも、印鑑業界、はんこ屋業界は休みです。

物は試し。カミサンの提案で今年は13日~15日店を開けました。通常の営業日までとはいきませんでしたが、お客さま、予想外にお見えいただきました。感謝。

商売人、世間様が休んだ後に休暇、なんてことを聞いたことがありました。

明日から1泊2日の小旅行ですが、箱根、御殿場方面にノンビリするために出かけます。
天気は崩れるとのこと。ならば宿で命の洗濯?です。

楽善堂のホームページ
http://rakuzendo.com
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“印鑑”の本来の意味

2008年08月19日 | 印鑑の歴史

──── 八王子で印鑑を作り続けて100年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

印鑑の本来の意味は、はんこを紙に押した時の押し型のことでした。つまり、はんこそのものでなく、紙にある朱肉の付いた押し型です。印の鑑(かがみ)なわけです。

辞書を引くと「自分の正しい印判(はんこ)であることを役所・取引先に届けてあるもの。」と書いてあります。最後の意味に「印。はん。」とありました。この意味が今では一番よく使われている「印鑑」の意味になりました。

はんこ、そのものを正確に表現すると、印形(いんぎょう)、印章(いんしょう)、印顆(いんか)という言葉になります。しかしどの言い方も馴染みがありませんね。

「印鑑持ってきて下さい」という言う時の「印鑑」が一番わかりやすくなりました。

楽善堂のホームページ
http://rakuzendo.com
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

西洋に伝わった印鑑

2008年08月17日 | 印鑑の歴史

──── 八王子で印鑑を作り続けて100年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

どんな夏休みを過ごされましたか?
最終日の17日(日)は、関東地方は小雨混じりの天気でした。

前回、印鑑のルーツはイラクのメソポタミア文明と書きました。
その文化が東西の両方に伝わりましたが、西洋に伝わったことはあまり知られていません。

フランスのナポレオンも実は大の印鑑好きでした。紅瑪瑙(べにめのう)でできた八角形の印鑑を常時持っていて、お守り代わり、戦勝祈願に持ち歩いていました。

欧米では現在の日本のように意思表示や認可を示す目的では印鑑は使われません。
現在のイタリアでは印鑑的な文化がわずかに残り、郵便小包に紐で十文字を掛けた時に、結び目にピョンボという長方形の鉛板を付けます。この鉛板に文字が彫ってあり封印のしるしになります。「間違いなく荷造り完了」のサインといってもいいでしょう。

楽善堂のホームページ
http://rakuzendo.com
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

印鑑(はんこ)のルーツは?

2008年08月12日 | 印鑑の歴史

──── 八王子で印鑑を作り続けて100年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

印鑑(はんこ)のルーツは?
こう聞かれて「中国」と答える方も多いことでしょう。北京ではオリンピック、真っ最中ですね。日本人選手のますますの活躍を期待したいです。

答えは、イラクです。チグリス・ユーフラテス文明とかメソポタミア文明なんて、学校の社会で習いましたよね。

今から5000年ほど前のことです。印鑑といっても、押し方が違っていて、円筒形の石に絵や模様を刻んでおいて、その石を粘土の上にころがして押す方法です。絵の中身は華やかな衣装をまとった人や、多くの家畜たちです。

使用目的も現在のように意思表示、承認に使うのでなく、何か物をしまった時の封印として使われていました。

イラクから印鑑文化は、2方向に伝播して、西はヨーロッパまで、東は中国を経由して日本に伝わってきた、というわけです。

楽善堂のホームページ
http://rakuzendo.com
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

活版活字(オリンピック開会式より)

2008年08月09日 | 徒然(つれづれ)なるままに・・・

──── 八王子で印鑑を作り続けて100年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

昨日、8月8日(金) 夜9時からの北京オリンピック、開会式のセレモニーをテレビで見た。

お国柄を表して大掛かりで趣向を凝らした花火や、2008人の太鼓打ちなど、スケールの大きさは中国らしい。

セレモニーの中に、活字(主に鉛製で昔は活版印刷の中で重要な役割をした)の形をまねた小道具(人が中に入って上げたり下げたりする)が多数出てきた。人文字で平和の「和」の字を表現していた。

セレモニーの中で中国の歴史を振り返っているとのことだった。活字は11世紀、宋の時代にでき(この時は陶製)、以後15世紀にドイツ、グーテンベルクにより20世紀までの形の原型ができあがった。

印鑑店でもオーダーのスタンプ(ゴム印)を売っていて、このゴム印が昔は印刷用の活字から石膏(せっこう)で型を取って作っていた。現在は電算写植による写植文字。
いまだに、ゴム印の文字の大きさ規格は「号」を使っていて活字の名残を残している。
ちなみに4号活字が約12ポイント、学校や会社の氏名印によく使われる規格です。


楽善堂のホームページ
http://rakuzendo.com
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

印鑑の材料 【牛の角(つの)白】

2008年08月07日 | 印鑑の素材

──── 八王子で印鑑を作り続けて100年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

以前に象牙のことを書きました。
今回は、象牙の次に高級な印鑑材料とされる【牛の角(つの)白】について書いていきます。

【牛の角(つの)白】は、白を基準にグレー系の色の印材、クリーム系の印材、ところどころに茶色の模様がはいった印材など、いろいろとあります。広い意味では【黒水牛】以外の水牛印材が【牛の角(つの)白】ということになります。

とくにこの中で、「純白」というランクが一番上質です。(写真参照)
「色」に対して「純白」。斑点や、茶色、黒色の模様が白の上に入りません。
半透明の印鑑材質で、髪の毛のような細いストライプラインが縦に入っていて、美しさが漂います。何かのお祝いに、ギフトにお勧めの印鑑材料です。

金額では象牙よりも安いものの、「象牙よりも綺麗 !!」というお客様が多いです。
銀行印で11700円、女性用の実印で20800円ほどのお値段で承っております。


▲印鑑の材料 【牛の角(つの)白】


楽善堂のホームページ
http://rakuzendo.com
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

提灯屋でござい。

2008年08月05日 | お名前入り商品(印鑑以外)

──── 八王子で印鑑を作り続けて100年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

「八王子まつり」が8月、1日、2日、3日と盛大に行なわれました。
八王子の祭りは、山車と神輿が中心の祭りです。

特に夜の祭りに欠かせないものに提灯があります。文字工房、楽善堂では名入れ提灯の受注販売も行なっております。下の名前(山田太郎なら太郎)を大きく書いて短冊式の小さな長方形に苗字を書いたり、所属の団体名などを書き込みます。

結婚式のお祝いに新郎新婦の名前を入れた提灯を贈ったり、赤ちゃんが生まれたら
名前を入れた贈ったりもします。この場合は、室内インテリア用途が多いようです。

弓張り提灯(手に持つ柄がついている) 9500円。
子供用のミニサイズ         7800円でお受けしています。



楽善堂のホームページ
http://rakuzendo.com
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする