中之島香雪美術館
企画展「遠州・不昧と大名家の茶」
期間:4月3日(土)~6月13日(日)
小堀遠州書状
卯月二日付、松花堂昭乗宛。藤原定家筆の三種和歌詠草(展示あり)の添状。内容は昭乗より頼まれた三種和歌詠草が定家の自筆だと断定し「書としても良いものなので、大事にするべき」と述べている。
昭乗自身も古筆の鑑識に優れていたが、定家に関しては遠州が第一人者と言うことなのだろう。
小堀遠州書状
六月一日付、江月宗玩宛、宮中行事のひとつで半年の穢れを落とす「夏越の祓」に食べる団子が諸方に下賜され、遠州も食した事を記している。
また福岡藩主・黒田忠之や老中・土井利勝のところへ出向く事が記されており遠州が忙しく働いている様子がうかがえる。
書状貼交風炉先屏風 松平不昧筆
九日付、寸松庵宛。上京し12日に赴くので茶事の際は湯漬けを所望している。また夏に上京した際には「新孤篷」を拝見したいと記している。
「新孤篷」とは、寛政5年(1793)の火災により焼失し、不昧が再建した大徳寺塔頭・孤篷庵の事。孤篷庵は小堀遠州が建立した寺院であり、不昧の遠州敬慕の念が表れている。
共筒茶杓 銘 浮雲 片桐石州作
胡麻竹の茶杓。筒に「うき雲 作州公 石」とあり贈筒となっている。
「作州公」とは津山藩2代・森長継のこと、長継は初代藩主・忠政の外孫にあたる。
竹茶杓 清水道閑作
蟻腰、細身の茶杓。筒には「風呂道閑」と認められている。
清水道閑は古田織部に茶の湯を学び、遠州の推挙で伊達政宗の茶頭となった人物。京の風呂屋町に住したことから風呂道閑と称した。
他にも古田織部の茶杓、遠州茶杓「古郷」「思い河」、清水道閑茶杓「ちとり」、伊達政宗所持の唐物肩衝茶入「堪忍」など拝見。
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