ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

大平健『顔をなくした女-<わたし>探しの精神病理』1997・岩波書店-「わたし」とは?

2024年07月08日 | 精神療法に学ぶ

 2019年のブログです

     *

 大平健さんの『顔をなくした女-<わたし>探しの精神病理』(1997・岩波書店)を再読しました。

 大平さんの『豊かさの精神病理』や『やさしさの精神病理』シリーズの一冊、精神科臨床での丁寧な面接風景が描かれます。

 こういう面接をしてみたいな、と思いますし、こういう場面を描写してみたいな、と思いますが、まだまだ力不足です。

 今回、印象に残ったことを一つ、二つ。

 まずは、表題作の、顔をなくした女。

 兄嫁への恨みから発病をした女性、顔がない、と訴えます。

 面接を重ねるうちに、兄嫁より家を継がない兄への恨みが判明しますが、兄にあわせる、顔がない、こともわかります。

 ミステリアスな患者さんの訴えが、精神科面接で少しずつ明らかになっていく様子がすごいです。

 もう一つは、多重人格の女性。

 当時はまだ日本における多重人格の、流行前、の時期ですが、大平さんの面接は慎重で、かつ、丁寧で、感動的です。

 こちらも面接を重ねるうちに、少しずつ出現する人格が減少していき、強い抑圧の結果、人格が分裂せざるをえなかった女性の悲劇が判明します。

 粘りづよく、患者さんをあくまでも大切にして、寄り添っていく大平さんはすごいの一言です。

 まるで推理小説を読むような、見事な治療ですが、やはり患者さんへの愛と尊敬が根本にあることがよくわかります。

 そういう臨床家に少しでも近づけるよう、じーじも謙虚に研鑽を続けようと思います。     (2019.6 記)

 

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あーちゃん、ポチャッコくんがいなくてもねむれますか?-じいじからのお手紙

2024年07月08日 | じいじの手紙を書く

 2024年7月、小5の下の孫娘がちょっと入院をした時のお手紙です

     *

 あーちゃん、元気ですか。

 じいじは元気です。

 ばあばはものすごく元気です。

 今日から入院ですね。

 もうおちつきましたか。

 病院は食事の時間が早いから、もうそろそろ夕食の時間かな?

 いっぱいたべて、体力をつけてね。

 そして、いっぱい眠ってね。

 ポチャッコくんはさすがに持っていけなかったのかな?

 だいじょうぶかな?

 でも、やさしいママをひとりじめできて、いいですね。

 せっかくだから、いっぱい甘えてください。

 おみまいの色いろえんぴつとらくがきちょうを買ってあるので、たのしみにしていてください。

 がんばってね。

 にいがたのじいじより      (2024.7 記)

     *

 (下の孫娘からのお返事です)

 新潟のおじいちゃん

 メールありがとう。

 ちょっと前にかぜをひいちゃったけど、くすりをのんでよくなってきたよ。

 今やっとパジャマにきがええたところ。

 ポチャッコくんはいっしょにもってきたよ。

 おきにいりのもうふといっしょにねられるよ~

 あーより
 
 (なんと、いつも一緒に寝ているぬいぐるみのポチャッコくんも一緒に入院(?)できたようです。お気に入りの毛布も一緒とのこと。
 
  子どもの気持ちがよくわかっているいい病院のようです)
 
 
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