どさんこ俳優安田顕さんのエッセイ『北海道室蘭市本町一丁目詩四十六番地』(2013・幻冬舎文庫)を読む。
安田さんといえば、「なつぞら」での名演技が記憶に新しいが、本書は北海道室蘭で生活をしていた安田さんのお父さんと安田さんご自身の思い出話を中心に一家の生活が描かれていて、これがとても楽しい。
決して裕福な生活ではないが、笑いの絶えない、こころ温まる思い出がいっぱいで、読んでいるほうも幸せになる。
北海道弁と室蘭弁がたくさん出てきて、これもいい。
そして、最近の安田さんと娘さんとのエピソードも微笑ましい。
単行本は2011年の刊行。
9年前の2011年3月11日は東日本大震災。
大変な中でも、本書のような希望の持てる本に出合えるのはうれしいことだと思う。
本の力、文章の力を改めて感じる一日となった。