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椎名誠『ナマコ』2016・講談社文庫-北海道と新宿と香港を舞台にしたナマコが主役の真面目な小説

2016年07月18日 | シーナさんを読む

 2016年のブログです

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 シー・ナマコ・トさん、ならぬ、シーナ・マコト(椎名誠)さんの小説『ナマコ』(2016・講談社文庫)を読みました。

 けっこう真面目な小説で、とても面白かったです。

 特に、前半、シーナさんが知り合いの居酒屋店主と北海道を旅するシーンは、自然を愛するシーナさんらしく、風景描写と二人の心象風景の描写がとても素敵で、魅了されました。

 じーじが夏休みに毎年、車で訪れる場所がたくさん出てきますが、作家さんが表現をすると、こんなふうに書けるのだ、と改めて、小説家シーナさんの力量に感心させられました。

 風景だけでなく、ナマコをはじめとして、漁業問題や過疎化の問題なども取り上げられており、それらが小説の中に無理なく表現をされていて、いろいろと考えさせられます。

 ナマコをめぐる香港での商談もスパイ小説もどきのハラハラ、ドキドキのお話ですが、それも中国が舞台とあっては、うそっぽくなく、真実味があります。

 ナマコというものをめぐって、ひとつの真面目な小説を書いてしまうシーナさんはやはりすごい作家です。

 今夜もおいしいビールが飲めそうです。    (2016.7 記)

 

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