2018年のブログです
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井上靖さんの『天平の甍』(1964・新潮文庫)を読みました。
この有名な小説、映画化されるなどして、なんとなく知っているつもりでしたが、恥ずかしながら今回初めて読みました。
きっかけは「内的自己対話-川の畔のささめごと」さんのブログの普照さんについてのお話。
『道路の日本史』(武部健一・2015・中公新書)という本に紹介されている普照さんの道づくりの業績と『天平の甍』のお話を読んで興味を持ちました。
日本史が嫌いなわけではないじーじですが、なぜか普照さんのことは知りませんでした。
さっそく『天平の甍』を読んでみると、なんと普照さんは遣唐使で中国に渡り、あの有名な鑑真さんを日本にお連れしたお坊さんでした。
鑑真さんならじーじでも知っています。
何度も渡航に失敗し、失明をしながらも、ついに日本に渡り、正しい仏教を伝えた唐の高僧です。
しかし、それに努力をされた普照さんのことは日本史でも習わなかったような気がします(じーじの勉強不足かな?)。
本当にいい本といいお話を教えていただきました。
井上さんの小説は重厚で深いです。
僧侶のあり方、それを通して、人間のあり方を問い、使命を感じることとそこに生きることの素晴しさをうたいます。
ふだん、じーじは、あまり真面目さをおすすめしませんが、こういう小説を読むと、たまに真面目に生きることも大切だな、と思います(?)。
真面目すぎて、頑なになってはいけませんが、自由におおらかにがんばることは大切なような気がします。
残り少ない人生ですが、ほどほどに頑張り、楽しんでいこうと思いました。 (2018.10 記)
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1か月後の追記です
文中に出てきた武部健一さんの『道路の日本史』(2015・中公新書)のほうも読みました。
普照さんの提案で日本で初めての並木道が造られた、とあります。
遣唐使の経験を、仏教だけでなく、道路造りにも生かしていてすごいですね。
古代の道が現代の高速道路とほぼ重なるという内容もおもしろく感じました。
まだまだ知らないことがいっぱいです。
ドキドキ、ワクワクのじーじです。 (2018.11 記)