2021年2月のブログです
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小倉清さんの『子どもの精神科症例集-予防医学と母子デイケア』(2020・岩崎学術出版社)を読みました。
新刊です(小倉さんはいくつになられてもすごいですね!)。
そして、内容もすごい本です。
いくつかの症例とフロイトのハンスの症例の再検討、それと、鼎談からなっていますが、この症例がすごいです(さっきから、すごい!の連発ですね)。
小倉さんは診察室に入ってきた子どもの表情を見ると、この子は家ではこんな感じではないかな?こういう親子関係なのではないかな?こういう歴史を生きてきているのではないかな?と、パッと読み取ります。
それはエヴィデンスというよりは、小倉さんのこころにわいた物語のようなもののように読めるのですが、しかし、それが当たっていると、子どもは自分を理解をされたという様子を示します。
そして、治療的な関わり合いが始まります。
ここの場面が感動的ですし、それを言葉にできる小倉さんは本当にすごいと思います。
子どもへの愛情がとてつもなく深く、それが臨床的な確かな技術にきちんと支えられている印象を受けます。
こういうお医者さんに診てもらえる子どもは幸せだなと思います。
もう一つは、鼎談に出てくる母子デイケアのお話。
子どもだけでなく、お母さんも治療的に抱えられるような場になっているようで、興味深いです。
いくつになってもお元気な小倉さんの様子に接して、じーじももう少しだけ頑張ろうと思います。 (2021.2 記)